~アニメ・『ぎんぎつね』と茅の輪くぐり~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 先日、四天王寺近くにある紹隆寺へ母の月命日のお墓参りに行った時、帰りの四天王寺参道に『6月30日・茅の輪くぐり』の看板を見つけました………「はて、どこかで聞いたよーな?」と記憶を辿ってみれば、以前テレビ放送されていた『ぎんぎつね』というアニメ番組で出てきた神事であることを思い出しました。

『ぎんぎつね』とは集英社のウルトラジャンプに連載中の漫画作品で、原作は落合さよりさん、2008年に読み切りが掲載されその後2009年より月刊連載が始まり現在もなお連載中です。物語の粗筋はどこかの小さな町にある稲荷神社・十五代目の跡取り娘:冴木まことと、この神社(祭神は宇迦之御魂神)の神使(神の使者・代行者):狐の化身・銀太郎が日常を通して神事や様々な出来事を経験しながら成長していくというお話しです。

そしてこの漫画がアニメとなり2013年10月から12月までテレビの深夜枠で放送されたのです。…そこで本日のブログタイトルにも書きました‘茅の輪くぐり’のお話し!、原作コミックスでは3巻(最新12巻)、アニメでは最終話で「夏越しの祓(えごしのはらい)」(マンガと同題)に登場するこの神事はいかなるものなのか??。

【茅の輪のくぐりの神事とは…?】
年に2回、6月の晦日(30日)と12月の大晦日(31日)に各々半年間についた罪や穢れを身代わりとなる紙の形代(人形)に託してお祓いをし、心身ともに清めるという神事です。特に6月の大祓は夏越しの祓と呼ばれ茅の輪くぐりが行われます。
…さてそこで茅の輪の由来とは何かと言うとこれがなかなかにまとめ難いのですが、備後国風土記の逸話によると牛頭天王(=スサノオノミコト)が竜宮城へ行く途中にその辺りでは裕福な巨旦という者の家に一夜の宿を頼みます。しかし意地悪い巨旦は牛頭天王の頼みを断ります。仕方なく先へ進んだ牛頭天王は今度は蘇民の家に一夜の宿を頼みます。蘇民は貧しいながらも精一杯のもてなしをし、牛頭天王はお礼にと珠を蘇民に渡します。この珠は心優しい者が持つと福を得るという宝珠だったのです。
やがて8年の歳月が過ぎ竜宮城で8人の王子の父となった牛頭天王は自分の国に帰る途中に再び蘇民の家に立ち寄ります。この時に蘇民はその優しい心に答えた宝珠の力で長者になっていました。
しかしそれを羨ましく思っていた巨旦は今度こそはと、牛頭天王を我が家に泊めるのですが、やはり意地悪な心根は変わらなかったため巨旦には福は招来せず悪いことばかりが起こり続けました。
…そう、この牛頭天王とは悪いことを追い払う神様だったのです。やがて蘇民家の人々は「蘇民将来(蘇民に福が招来の意)」という言葉を代々木片に書いて身に着けるようになります。それが民間信仰として一般に広がり、この木のお守りが注連縄(茅の輪)に取り付けられ厄災を追い払う神事へと繋がっていくのです。
神社では祈祷殿前に人がくぐれる大きさの茅の輪を置き、大祓の儀式の後「水無月の 夏越しの祓 する人は 千歳の命 延ぶといふなり」を唱えながら神職の後に続き全員が茅の輪をくぐります。

ちょっと説明が上手くなかったかも知れませんが、さすが民間信仰として広がって行っただけあり全国の神社で、この夏越しの祓・茅の輪くぐりは行われているようです。僕が参道で見た看板も四天王寺に隣接する大江神社で行われている夏越しの祓の案内だった訳です

…と言うことでアニメ『ぎんぎつね』は神社のちょっとした日常の活動や、お寺内にある神社の由来についてなど結構神社にまつわる知らないことが分かり、アニメそのものを楽しむと同時に日本人の伝統や文化にも触れることができる見て損しないアニメ(マンガ)だと思います。

(それでは本日はここまで!…次回、そろそろAKBネタで書こうかなぁ~…フフフ(=^・^=)♪)