~アニメ『プラスティク・メモリーズ』は泣けるぅ~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 4月に始まった春アニメも6月を向かえ2クール作品外はそれぞれ佳境に突入しました。…そんな春アニメの中でも本日はいろいろと考えさせられる作品『プラスティク・メモリーズ』について感想を書いてみたいと思います。


『プラスティク・メモリーズ』
はシナリオライター:林直考氏のオリジナル作品であり、彼の作品を気に行ったアニメ制作会社:アニプレックスがTVアニメ化したものです。

作品概要は………人間に限りなく近いアンドロイドが存在する近未来の社会、彼ら(彼女ら)は‘ギフティア‘と呼ばれ人間と共に暮していた。そんな高性能・高機能アンドロイド‘ギフティア’の最大の特長は人間と同じく感情を持っていること、つまり彼ら(彼女ら)には心が備わっているのである。

…喜びもすれば涙も流す、そんな究極のアンドロイドにも現時点で越えられない技術的限界があった。それは稼働時間81920時間・約9年と4ヶ月を過ぎると人格と共に記憶も壊れ始めるということだった。人格崩壊・記憶障害に至った‘ギフティア’は人間に対し危害対象でしかなくなるため、法律により年数に達した‘ギフティア’はその使用者(保護者)同意の基に機能停止させることが義務付られていた。

そんな近未来社会、大学受験に失敗(受験当日に虫垂炎にかかり不合格)した主人公:水柿ツカサは親のコネで何とか‘ギフティア‘を製造・管理する『大企業・SAI社』に就職する。彼が配属されたところは稼働限界9年に達した‘ギフティア’を回収する『ターミナル・サービス課』という部署だった。そこでは人間とギフティアがペアを組んで回収業務に努めていた。そしてツカサはアイラと呼ばれる女性型ギフティアとペアを組むこととなり彼女と共に様々な家庭で暮すギフティアの回収業務に当たるのだが…………。

1人暮らしの老人(お婆さん)を孫として支えてきた女の子・ニーナの回収や、母親代わりのマーシァの回収、闇の違法回収者の検挙や職場の上司・同僚たちと繰り返されるギフティア回収への苦悩の数々……そんな日々を過ごす中、ツカサはペアを組むギフティア・アイラの稼働限界が残り1000時間(約1ヶ月)ほどであることを上司の桑乃実カズキから知らされる。

少し動揺するツカサだったが、アイラの寿命を知ったことで以前より彼女に抱いていた好意がより確実なもの(恋愛感情)だと確信した彼はアイラに「付き合って欲しい」と告白する。だが突然の告白はアイラの心に混乱と動揺を与え彼女は思わず「無理です!」と答えてしまう
…しかしアイラの返答は彼女が恋愛感情を十分に理解できていないことに原因があると分かり、また同僚たちの協力もあってアイラとツカサは仕切り直すこととなるのだが……そんな折、上司の桑乃実カズキはツカサとアイラに上司としてペアの解消を伝えるのだった。
(果たして二人の関係はどのような結末を迎えるのだろうか…………)

この物語は本来‘無機物’でしかないアンドロイドが心を持った時、人との関係はどのようになっていくのかということや、人間もそうであるように寿命の尽きる寸前には人格障害や記憶の混濁を起こし、死が確実となった瞬間には全てがリセットされるということを、アンドロイドの稼働限界とそれに伴う心の崩壊という設定によって見つめ直してみてはどうか?……という問題提示をしている。

「人間とはいかなる存在なのか?」、「心とは一体何なのか?」、「生とは?」、「死とは?」


アニメという手法を取りつつも、この作品の根幹を成すものは非常に哲学的な考えに基づいているように思います……そう遠くない未来、限りなく人間に近いアンドロイドが誕生していたならば、そしてその自動機械(オートマター)に心が宿っていたとしたならば生命の定義・人間の定義が書き変えられることになるかも知れません。