~近日劇場公開予定のアニメ:「百日紅・さるすべり」をご紹介♪~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 以前、このブログで‘葛飾北斎の娘’について書きましたが、「なっ、なっ、何とぉぉぉ~」そんな北斎の娘の人生を綴った劇場用アニメ『百日紅・さるすべり』が5月9日(土)に全国公開されます。

原作は故:杉浦日向子さん(2005年7月22日・下咽頭癌で死去、享年46歳)、…杉浦さんは僕が学生の頃によく読んでいた雑誌『ガロ』でデビューされた漫画家さんで、歴史大好き人間の僕にはその時代考証・描かれる時代の風俗を正確に描いておられたことにとても魅力を感じていました。またNHK制作の番組『コメディー・お江戸でござる』で江戸時代の歴史や風習について解説コーナーを担当していたことがとても記憶に残っています。

漫画・『百日紅』は‘漫画サンデー(実業之日本社発行雑誌)’に1983年から1987年まで連載され、実業之日本社より単行本全3巻で発刊されました(…が実業之日本社版は現在絶版)。…しかしその後は筑摩書房にある‘ちくま文庫‘に移り、1997年に上下巻として再発刊され現在に至っています(興味と関心のある方はいかがー

……「おっと!」、アニメ『百日紅』の紹介から逸脱してしまいましたが物語を短く解説すると……江戸の下町に暮す葛飾北斎とその娘・お栄(三女)、そして居候の善次郎、盲目で病弱の末娘・お猶(四女)の四人が中心となり、そこに歌川一門の歌川国直や国芳が加わり、様々な日常の出来事・事件を経て江戸の町で力強く生きていく様を生き生きと描いた作品です。

以前、僕は北斎の三女・お栄について、その画号:葛飾応為(かつしか おうい)の活動と作品紹介について書いたのですが(2014年6月24日のブログ~葛飾北斎の娘も凄い!~)、杉浦さん原作の北斎の娘・お栄さんは江戸の庶民としての彼女の日々の暮らしや作品制作での葛藤、ライバル絵師・歌川一門との関係など人間‘お栄‘を描いていて、『河童のクゥーと夏休み』・『カラフル』の原 恵一監督ならではのヒューマン・アニメーションに仕上がっています


…ところで、この作品で結構な役どころの四女・お猶ですが、史実上は‘一説では…’ということになっているので実在の根拠は現時点において不確定ではあります。またお栄は阿栄・癒栄・栄女などと呼ばれていたことが文献などで確認できます。
原作・アニメ共、あくまでも北斎の娘・お栄ということで紹介されていますが、美術(日本画や東洋美術など)の世界ではやはり‘葛飾応為’の方がピンときますね。

ちょっと余談になりますが、お栄の画号『応為・おうい』の由来には諸説あり、①父・北斎が「オーイ、オーイ!」と呼んだ説、②お栄が北斎に対し「オーイ、オーイ、親父どの!」と呼んでいたことからついた説、③北斎が持つ画号の一つに‘為一’と言うのがあり、‘為一に応ずる‘…すなわち北斎に応じるから‘応為’と命名したなどと言った画号一つをとってもこの父娘には面白い逸話が残っています。

原作:杉浦日向子、監督:原 恵一、脚本:丸尾みほ、キャラクタデザイン:板津匡覧、美術監督:大野広司。
出演(声優)は主演のお栄を杏、葛飾北斎を松重豊、善次郎を浜田岳
お猶を清水詩音、ほかにも美保純、筒井道隆、麻生久美子、立川談春など豪華で芸達者な人々が勢ぞろいです!。

さらに、さらに、主題歌は椎名林檎さんという、僕的には「もー、これ以上ねぇー!」ってな人選でございますよぉ~\(^O^)/~♪♪。

2015年5月9日(土)・全国ロードショーの『百日紅』!、原恵一監督なら面白くない訳が無い!、僕はもちろん観に行きますが、皆さんもいかがなものでしょーか?