~亡国への一歩……!?~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 先日、アメリカ議会で演説を行い、その後オバマ大統領との懇談でも日米同盟の更なる絆を深めたと得意満面の報道がなされた安部総理だがこれは取り返しのつかない咎を彼は犯したとしか思えない。

現実的視点で世界やアジア圏の情勢を推し量った時、日米安保の強化は同盟国として、民主主義政体に帰順する日本としては選択せざるを得ない事案ではあったと思う。しかし自衛隊を海外派兵させることを約束したも同然のこの同盟強化に何のメリットがあるのだろうか……。

ところで……近現代の戦争のほとんどがイギリスやアメリカ、フランスといった西洋諸国が元凶となっていることは誰もが知るところだと思う。
例えば中東での石油利権の争奪が今尚続くアラブ諸国の混迷の出発点であるし、インドやベトナムといった中央・東南アジアを植民地・属国とし20世紀の中頃まで食いモノにしてきたのもイギリスやアメリカ、フランスといった欧州・欧米諸国である。

日本は明治維新以降、これら欧州・欧米の列強諸国に植民地化・属国化されないよう懸命にアジア圏の自主独立と平和のために尽力したがアメリカを主軸とした列強諸国の謀略・戦略の果て、先の大戦(大東亜戦争)を戦うハメとなったのである。
…昭和20年8月15日、天皇陛下の玉音放送と共に本土での戦争は終結する。この戦争でアメリカ軍の無差別爆撃を受け亡くなった日本市民は数十万人に上り、また広島・長崎では原子爆弾1発により、やはり数十万人もの非戦闘員が瞬時に命を失うこととなる。

戦後、日本はアメリカ的民主主義を有難く受け入れ今日に至っているが、アメリカに強制的に開国させられてから1世紀半を向かえても尚、なぜ、こんなにも残酷な国家に対し献身的になれるのか私には理解できない。

そんな日本が真の国防政策からは外れた海外におけるアメリカ軍の支援(たぶん後方支援)を正当化する改正法成立をアメリカに約束するなど正気の沙汰とは思えない。

最初に明記したが、現在もあちらこちらで紛争・戦争となっている地域はほとんどがアメリカの利益とエゴイズムによって始まった争いである
…そして、そんなアメリカ国家の利益擁護のために同盟という名のもとに自衛隊は海外でアメリカ軍の支援を行うのである、全く以てバカげた話しではないか!。
アメリカが自国の利益を追及するあまりに引き起こした戦争で日本国民である自衛隊員が死地に赴くのである。

…それに戦争で戦略・戦術的に敵対勢力が最も重要とするのが補給の寸断である。そして日本の自衛隊はかなりのパーセンテージで後方支援・補給物資等の運搬を担うことになると思われる。そうなれば間違いなく敵の最重要攻撃標的とされる!その結果、多くの殉職者を生むことになるのだ。

私は自国を自分達で堅守することは当然だと思っている。それゆえ有事の際を考え、自衛隊で訓練も受けた。…だからどうだと言う訳ではないが、日本人が守るべきは領土・領海・領空であり、現在抗争中である日本領土『竹島』・『尖閣諸島』、そして不当に占領され続けている北方四島『歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島』の防衛と返還である。
そのための自衛隊法改正や、その他時代に合致しない法改正や法整備は賛成である。

しかし自衛隊の海外派兵を可能とする改正法は間違いなく日本国家の利益、国民の生命と財産を守ることを阻害すると考えられるのである。…昔、中曽根総理が掃海艇をアンゴラ周辺まで派遣させようとしたことがあったが、時の官房長官・後藤田正晴が断固として拒否!、内閣不一致で総辞職となることを考慮した中曽根総理は自衛隊派遣を断念する。

後の回想で後藤田氏は「自衛隊を派遣し、日本がもし戦争に引きずり込まれたらどうするのか!」、「日本国民に戦争をする覚悟があると思うのか!」と中曽根総理に詰め寄ったと語っていた。

まさにそこが争点であり、現在の日本国民が戦争に突入した際に戦う決意や意志を持ち合せているかどうかということである。
まして他人の利益にしかならない争いに巻き込まれ、日本領土を危険にさらすこと、最悪領土を蹂躙されるというデメリットしか想像できない法改正に賛成できるはずもないのである

安部総理が抱く未来日本の姿に共感を覚える部分もあるが、彼が描く日本の世界戦略はどこまでいってもアメリカかあってのものだということを自覚しているのだろうか?…だとすれば日本は再び亡国の憂き目を見る時が来るかも知れない。