~現代社会に巣食う病魔(AKB48・川栄卒業に見る悲劇)~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 さる3月25・26日の両日にかけて埼玉スーパーアリーナで開催されていたAKB48単独コンサートのメンバー・川栄李奈さんがグループからの卒業を発表しました。

                      (川栄李奈さん↑)
川栄李奈さんと言えば昨年の5月に岩手県滝沢市・岩手産業文化センターで行われたAKB48グループ握手会で同メンバーの入山杏奈さんと共に梅田悟による刃物での襲撃を受け負傷!、この出来事はファンはもとより広く一般大衆に少なからず衝撃を与えました。

                  (川栄さん・入山さん襲撃事件後)
そんな川栄さんが事件から約10か月を経て突然の卒業発表!、川栄さん曰く「あの事件以来、握手会に出れなくなり…………AKBと言えば握手会だし!」。そう言ってあの傷害事件で受けた恐怖のトラウマ(心的外傷後ストレス障害=PTSD)と、握手会に参加できないという心の葛藤に悩み続けていたことが広く知られました。

僕はこの卒業発表以前に某週刊誌で犯人の梅田悟の生い立ちや家庭環境………特に体が丈夫ではない母親の為に一生懸命働いていた梅田被告の姿勢や、住み込みで警備会社の勤務をしていた大阪で発達障害(対人関係や環境に馴染めない)と診断され、その後地元の青森で精神障害者保健福祉手帳2級の交付を受けたことなど、少し同情の余地もあるかなぁ~などと思っていたのですが………。

しかし今回のこの川栄李奈さん卒業発表の心意を聞くにつけ梅田被告に対する僅かながらの同情も消え失せました。
AKBのファンだからどーだと言うのではなく、川栄李奈と言う一人の人間の精神に一生消えないであろうトラウマ(傷痕)を残したこと!、そして彼女にとっては多分に不本意であったであろう早すぎるAKB48グループとしての活動の終幕!。

精神的障害を抱えると言えども、梅田悟という人間が自己完結の果てに一生懸命人生を生きる女性の心と体、そしてその歩みを阻害したことは、どのような事情があったにせよ許せることではないでしょう……

……ところで卒業発表の時、川栄の傍らにいたAKB48グループ総監督:高橋みなみは涙まじりで「早いよ!川栄……」という言葉を発していましたが、そこには残念でならない思いがにじみ出ていました。またその後出演したラジオ番組(AKB48のオールナイトニッポン)で「AKBで活動した4年を短いと見る人が多くいますが、私自身の人生観に於いては決して短い期間ではなかっと思っています」と彼女自身が精一杯ファンを気付かう言葉を残しています。

『握手会襲撃事件』……昨今、このような無差別殺傷が頻繁に起こっていますが、犯行者達に共通するのは精神面の異常が多いように感じられます。細分化され高度で複雑なシステムが支える現代社会の構造の中、私たちはこの社会が人間性を削り取っていく忌むべき環境だという認識が極端なまでに希薄なのかも知れません。

横の繋がり、個々を支え続けた地域のコミュニティー等の崩壊などなど…僕は川栄李奈AKB卒業発表から人間性そのものを瓦解させていく現代社会に巣食う病魔の影を感じずにはいられません。