さる3月19日(木)の夜、上方落語界の重鎮で落語界唯一の文化勲章受章者にして人間国宝(重要無形文化財保持者)でもあった桂 米朝さんが故人となられました。
…大変遅くなりましたが上方に暮す一人として、落語をもって上方の文化振興に尽力された故:桂 米朝さんに対し謹んでお悔やみを申し上げます。
(在りし日の桂 米朝さん)
ところでなぜに桂 米朝さんと大阪くらしの今昔館というタイトルなのかといいますと………
まずは大阪くらしの今昔館について少し説明したいと思います。
この展示館(ミュージアムですか?)は大阪最大の天神橋筋商店街の入口に隣接する住まい情報センター建物内の8階~10階に併設されている展示館です。
~【各フロアーの紹介】~
・8階-大阪の近代から現代までの市民生活や文化を精緻なミニチュ
アや映像資料・実物展示を持って紹介、また1912年(大正元
年)~1923年(大正12年)まで開園されていた幻の大型テー
マパーク:ルナパークを当時の貴重な写真と模型で再現しても
います。そして更に映像と駆動式模型を使った人形劇:住まい
の劇場はナレーション(主人公?)を八千草 薫さんが担当して
いるという豪華さ!一見の価値ありです♪♪。
・9階-フロアの全てを使って江戸時代・天保期(1830年~1844年)
の大阪の町並を実物大で再現!、立ち並ぶ町屋は内部はも
ちろんのこと、家具や小物類の細部まで学術的考証に基づき
作られているのには驚きです。また天井や奥壁が全面スクリー
ンなので時間の経過(朝~夕)で情景が変わると共に季節も表
現、特に夏の時期には祭りの打ち上げ花火などの演出があり
まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような錯覚に陥るほ
どの臨場感があります。
・10階-展望フロアになっていて、9階に再現された江戸・天保期の大
阪の町並みを上から一望できるようになっています。
そして入館者の方々に対し故:桂 米朝さんの歓迎のご挨拶が
流れ、その声が「ああ~これが上方の文化なんやぁ~」という
心持ちにさせてもくれます。
少し説明で端折った部分もありますが、大体こんな感じだったと思います。僕は都合10回以上この場所に足を運んでいると思うのですが、桂 米朝さんの訃報を知った時にイの一番に思い出したのがこのミュージアム(展示館)でした。
各階の説明の中には書かなかったのですが、米朝さんは町並み解説の音声ガイド(これは有料・100円)及び、9階の町屋内にあるお風呂屋さんの再現セット内では江戸時代の大阪の町民文化や暮らしについてのガイダンスシアター(映像による説明作品)が日に幾度か上映され、その解説も米朝さんが担当されておられます。
(本物のルナ・パーク↑) (今昔館の模型のルナ・パーク↑)
僕はあまり落語を見たり聞いたりする方ではありませんが、それでも米朝さんの落語はテレビで拝見したことがありますし、さすがに上方落語の第一人者であったなぁ~という感想を持っています。
昨今、歌舞伎役者さんや声優さんなど大衆文化に貢献されてきた方々が相次いで亡くなられておられますが、桂 米朝さんがお亡くなりになられたことで、僕などはまた一つ身近な文化人を失った思いを強く感じています。
…しかしながら大阪くらしの今昔館に足を運べば、そこでは幸いにして在りし日の桂 米朝さんのお声が聴ける…… … ‥
上方文化の功労者のお一人、故:桂 米朝さん!御方のご冥福を改めてお祈り申し上げ本日のブログの締めと致します。