ここのところマンガやアニメのことばかりだったので今回は一転、時代劇について書きたいと思います(さすがに自分でも‘ヤバいっ!‘と思った)
しかし{水戸黄門}や{暴れん坊将軍}・{必殺シリーズ}といったメジャーどころ、ヒット作品の紹介では面白くないゾ!…と言う勝手な思いから、ここはマイナーで放送当時も視聴率低迷!!、加えて打ち切りだったのではと思わせる中途半端な回数・20話で最終回の作品を紹介しま~す。
(斬り抜ける・タイトルロゴ↑)
かなりヒドイ前置きですが、僕的には見どころ満載だったしキャストも含め結構よく出来ていた作品だと‘今も‘思っています。……そんなテレビ史的には埋もれた良作の名は‘斬り抜ける‘でございます
(昔の近藤正臣&和泉雅子↑)
本作は1974年10月から1975年の2月までTBS系列で放送されていたそーです(僕は再放送で知った)。
キャストは主役の楢井俊平を近藤正臣さんが演じ、ヒロインを和泉雅子さん(ただし和泉さんは14話で殺されます)、そして脇を固める俊平の味方・よろずやの弥吉を火野正平さん、敵役の森伝八郎を岸田森さん、最後の最後に味方する森嘉兵衛を佐藤慶さん(ただし15話で死にます)という個性派俳優で固めるという誠に面白い顔ぶれです(他にも志垣太郎さんや田坂都さん、菅貫太郎さんなどもレギュラー格で出演しています!)。
(故:岸田森&故:佐藤慶↑)
ところで作品概要はと言うと………
作州(現:岡山県北部辺り)・松平藩の藩士、楢井俊平は藩命により友誼を捨てて親友の森千代之助を斬ります。……ところが親友を斬るという藩命を果たした後、俊平は藩命の真の理由を知り愕然とするのです!。
…その理由とは、藩主:松平丹波守が千代之助の妻:菊に恋慕し自分の妾に差し出せと千代之助に命じていたのです!、しかし千代之助は藩主の命令に苦悩した末これを拒絶!!、どうしても菊を手に入れたい丹波守は夫の千代之助を処分した後、菊を妾にすることにしたのでした。
俊平は理不尽な主命に従い友を斬ったことを後悔すると共に、藩主の非道を幕府に訴えるべく千代之助の妻:菊とその子:太一朗を連れ脱藩、一路江戸を目指すのでした。
この事を知った丹波守は幕府に事が露見し処断されること(この場合だと藩のお取り潰しかなぁ~)を恐れ、俊平が友を斬りその妻子を奪って脱藩した不義者とし、千代之助の父:嘉兵衛と異母弟:伝八郎に俊平らの処分(殺害)を命じるのです!。
また俊平らの江戸行き阻止を完全なものにするために、丹波守は松平の姓を持つ同族諸藩に‘松平廻状‘という手配書を発布し、俊平らにさらなる追い打ちをかけるのでした。
…そして幾多の危機を斬り抜け幕府の元に辿り着いた俊平たちでしたが丹波守の画策に俊平らの口上は幕府に取り上げられず、あらぬことか菊をも失う羽目となります。
幕府にも裏切られ菊も失った俊平は復讐の鬼と化し、江戸から作州・松平藩に取って返すと藩主:松平丹波守を斬り棄て、何処へともなく去っていくのでした(…時は武士の世の終焉、幕末まであと僅かに迫っていました)。
…大筋はたぶんこんな感じだったと思いますが、とにかく僕的には地味に面白かったことを憶えています。
特に何話目だったか忘れましたが、俊平がある宿場町で多勢相手に斬り合うハメになった時、桶樽を逆さに置きその底に沢山の刀を突き刺して、2~3人斬る度に斬った刀を捨て、桶樽に刺してある刀を一口(ひとふり)抜いてはまた2~3人斬り、そしてまた捨てる……この繰り返しで大勢の無頼を倒していくシーンがあったのです。
僕はこのシーンにちょっと感動してしまいました…なぜならよく言われているように刀で人を斬ると1人か2人で血脂と刃こぼれで斬れなくなるのだそうです。それゆえ、この俊平が2~3人斬っては刀を次々に変えて斬り続ける場面がリアルに感じられ、それが僕の中では高印象・高評価に繋がっていったのです(とにかく他にも関所抜けとか歴史資料の事実を参考に制作されているところが好き)。
(斬り抜ける・DVD:パッケージデザイン↑)
主人公がヒーロー的で娯楽性高い時代劇とは一線を画きますが、ちらほら見え隠れするリアリズムが楽しめる良作だと僕は思います。
(TUTAYAでDVD・VOL1~VOL6(全6巻)にまとめられレンタルされているので興味と関心のある方は視聴可能です)。
…と言うことで今回はちょっと異色(?)の時代劇:‘斬り抜ける‘の紹介でした~。