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だからと言って人の形を模倣したもの全般を‘フィギュア‘と呼ぶ訳ではなくヨーロッパの…、そう!、…特に西の地域では等身大のものから幾らか小振りのサイズのものは‘スタチュー(彫像・立像)‘といい、明らかにミニチュア化されたものを‘フィギュアリン(小立像)‘と呼んでいるのです。
しかし彫刻や彫塑などクラシックな芸術とは一線を欠く分類がなされることが多く、例えば昔の帆船などの船首に見られる航海の安全を守護する女神や妖精などの像は、意外と本来の芸術とは区分され‘フィギュア・ヘッド‘などと呼ばれていたりするのです。
…ならば‘フィギュア‘のルーツはらへんにあるのか?、と言うことでチョイ調べてみました。
【フィギュアの歴史】
歴史的には先史時代まで遡り、‘ヴィレンドルフのヴィーナス‘が現在最古のフィギュアと呼べるものだと思います。ただ私たちが認知する呼称は土偶と言うことになる訳ですが……まぁ英語だとクレイ・フィギュアと言うことになりますから間違ってはいないでしょう
これら土偶は先史以降、古代文明(ギリシャ・地中海文明など)の遺跡や墳墓から数多く出土していますが、もちろん今日のような観賞やディス・プレイが目的ではなく宗教的儀式や祭儀などに使用されていたと考えられています。
しかし、そのような目的で使用されていたフィギュアもやがて中世から近世に向かう過程で装飾品としての意向が強くなっていきます。
そして17世紀、中国よりヨーロッパにもたらされた磁器製造の技術が人形制作に使われるようになると、18世紀には今日でも有名なドイツ・マイセンで精巧な磁器人形が作られるようになるのです。
また前後して17世紀以降イタリア方面では聖人や軍人の木製人形が生産されてもいました。
……こうして木や磁器などで制作され続けてきたフィギュアも、やがて様々な素材の登場により、今日ではプラスチックやポリ塩化ビニルなどが原材料となり、観賞やコレクターアイテムとして長い歴史を継承しているのです。
【今日的フィギュアの分類】
(金属製フィギュア)
そのまんまの意味、金属製のフィギュアです。主に加工し易い合金(ホワイトメタル)などを使用。ミニチュアゲームなどの駒として古くより使われていました。
(自販機フィギュア)
カブセル内に収納され専用の自販機で購入するフィギュア。合成樹脂で成形・彩色されたもが主流となっています。
(食玩フィギュア)
食品が付随したフィギュア。主にお菓子類とフィギュアがセットで販売されています。食玩フィギュアと言えどもその完成度は非常に高く、また食玩ブームの火付け役となったフィギュア制作の海洋堂は今日では、大英博物館の販売用の展示物レプリカのフィギュア制作で世界的に有名となっています。
(プライズフィギュア)
ゲームセンターなどのクレーンゲームの景品やコンビニ・メーカー主催の{一番くじ}などの商品として制作されているフィギュアです。
主流は射出成形によるPVC(ポリ塩化ビニル)製の塗装済みフィギュアです。近年ではプライズ品製造の企業各社によるプライズフェア(見本展示会)が盛んに行われています。
(アクションフィギュア)
手足や腰、首といった各関節が稼働するフィギュア。懐かしいところでは‘GIジョー‘や‘リカちゃん‘もこれに該当すると思われます。また特に稼働部分が細部に渡るものはフルアクションフィギュアと呼称されています。
…他にもソフトビニール人形やドール(ジュモーなどに代表されるヨーロッパ製人形)などもフィギュアにカテゴライズされることがあります。
かなり短く歴史や現在のフィギュア事情・簡単な分類をしましたが、日本のサブカルチャーの担い手の1つとなったこれらフィギュアも歴史的観点から見れば決してオタクな文化ではなかった訳です。
……ただ日本と言う社会の中でアニメやマンガのキャラクターを三次元的に表現しよう・して欲しい、などと言った欲求・要望が引き金となり、フィギュア=サブカル(オタク文化)の代名詞のようになったことも事実です。
今後も日本のアニメ(ジャパニメーション)が世界から支持され続ける限り、日本的フィギュアは作られ続けるでしょう。
(それは、もはや是々非々論とは無縁な存在になりつつあるようです)