~エドワード・R(ロスコー)・マロー氏に見習え!~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 先日、朝日新聞の対応を通して日本のジャーナリズへの危機感と警鐘を促すような事を書きましたが、そんな朝日の連中に爪の垢を煎じて飲ませてやりたい素晴らしいジャーナリストのことについて、今回はチョコット書きたいと思います。

そのジャーナリストの名前は故:エドワード・R(ロスコー)・マロー
アメリカ合衆国のジャーナリストでありアンカーマンでもあった人です

                     (エドワード・R・マロー氏↑)
そんなマロー氏の足跡とは………
1908年4月25日、ノースカロライナ州・ギルフォードに生を受けたマロー氏はワシントン州立大学を卒業後、ジャーナリストを嘱望し1935年、当時はラジオ放送局だったCBSに入社します。入社後はラジオのジャーナリストとして第二次世界大戦に従軍、ヨーロッパを中心に戦線をラジオレポートし、ヨーロッパおよび本国・アメリカからも高い評価を受けます。大戦後アメリカに帰還した彼は、テレビ時代の到来と共にテレビ放送局へと路線変更を進めたCBSでテレビ専属のジャーナリスト&アンカーマンとして活動を開始します。
そして1951年に放送が始まったドキュメンタリー番組「See It Now」では制作に加え自らがホスト役を務めます。また1953年から放送が開始されたインタビュー番組「Person to Person」でもマロー氏はホスト役を務めこのことが彼の知名度を確かなものにします

マロー氏は早くよりテレビという媒体が社会に与える影響力や役割を正確に把握していた数少ないジャーナリストでした。特に50年代のアメリカで吹き荒れたマッカーシー上院議員とその助手兼弁護士だったロイ・コーンたちが強力に推し進めた反共主義推進運動{赤狩り/マッカーシズム}では多くのマスコミやジャーナリストが日和見る中、マロー氏は「See It Now」の中でマッカーシーを冷静かつ鋭く批判したのです。
さらに彼はマッカーシーに対し反論の場として、自身の番組「See It Now」の30分を用意します。マッカーシーはマロー氏断罪のための材料を用意し彼を攻撃しますが、沈着冷静に対応するマロー氏を論破できず、逆に番組内でアルコールによる使用障害を露呈することとなり多くの視聴者から支持を失うこととなります。

                 (ジョセフ・マッカーシー上院議員↑)
この放送を幾にそれまで口をつぐんでいた多くのマスコミや政府関係者もマッカーシー批判を始めます。そして彼がこれまで行った反共運動で制裁や誹謗中傷を受けた人々の中にも信憑性の疑わしい事例が数多く存在することが判明し、アーサー・V・ワトキンス上院議員率いる委員会がマッカーシーに対する調査を開始するのです。

やがて調査を基に上院はマッカーシーに対し「上院に不名誉な評判をもたらした」として不信任を言い渡し、このことを持ってマッカーシーによる赤狩りは終幕を迎えるのです。
…後にこのマロー氏の報道に対し、信念と勇気を持って‘過剰な赤狩り運動‘を終わらせるに重要な役割を果たしたとし、アメリカをはじめ多くの西側諸国から賞賛されることとなるのです。
1958年、8年間続いた「See It Now」が視聴率の不振やスポンサー離れから終了します。しかし番組終了後もマロー氏はドキュメンタリーや報道・情報番組などの制作やアンカーマンを務めジャーナリストとして第一線で活躍を続けるのです。

                   (ジョン・F・ケネディ大統領↑)
しかし1961年、第35代大統領に就任したジョン・フィッツ・ジェラルド・‘ジャック‘・ケネディに請われ合衆国情報庁の長官に就任、この時をもってマロー氏はCBSを退社します。そして長官就任後はキューバ危機や南ベトナム軍事顧問団派遣など、政権における様々な問題に対しケネディにアドバイスを行います。
ところが1963年、2期目も確実と言われていたケネディ大統領が遊説中のダラスで暗殺されます。そして後を引き継いだジョンソン大統領から長官留任を要請されますが、体調不良を理由にマロー氏は退任するのです。
…その後のマロー氏ですが、体調の回復はなされず日増しに悪化していきます。原因は肺癌と診断され、長官職を退任したわずか1年後の1965年4月27日帰らぬ人となるのです。

…少々足跡が長くなってしまいましたが、彼はジャーナリズムを持って社会の様々な矛盾や歪みと闘い続けました。ある時は空軍を相手に、ある時は大企業(たばこ産業)を敵にまわし、そしてある時は国家権力を振りかざすマッカーシー議員のような男に対し……。
そうした彼の真摯で揺るぎないジャーナリストとしての生き方は今の日本のエセ・ジャーナリストやマスコミ従事者達には決して出来ない生き方でしょう。

それにこの偉大な先達、故:エドワード・R・マロー氏を知らないマスコミ関係者やジャーナリストすらいるのではないでしょうか…
そんな連中が視覚情報社会・日本の情報配信に携わっているかも知れないと思うと情けなくなってきます。
朝日に代表される日本の情報配信、そしてジャーナリズムを声高に叫ぶエセ・ジャーナリストは、今こそマロー氏の勇気と信念に裏打ちされた本物のジャーナリズムを見習うべきだと思います


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