ロマン主義は古典主義・教条主義の対立概念としてとらえられることが多分にあります。空想的で特定の形式や統一的様式に縛られないロマン主義に対し規範に則した形式や様式を尊ぶ古典主義や原理・原則に縛られた応用のきかない考えが支配する教条主義とは芸術の世界に於いても表現や思考・スタイルに顕著な違い・対立がありました。
またロマン主義は世界中に広がりヨーロッパではフランスやイギリス・ドイツなど多くの国で文学や芸術など多岐に渡って表現を得、さらに海を渡り南米のブラジルやアルゼンチン、そして我が日本にも波及しています。………そんなロマン主義において、僕が最も愛してやまない画家がドイツ・ロマン主義の画家:カスパー・ダーヴィド・フリードリヒなんです
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
カスパー・ダーヴィド・フリードリヒは蝋燭業(石鹸も製造)を営む家の四男として生を受けます。彼は幼い時に妹を、13歳の時には自身の不注意から弟を死なせてしまいます。彼は弟の死に対する自責の念に苦しめられ鬱病から来る精神疾患により自殺を図りますが未遂に終わります。その後も精神的に苦しみ続ける彼を更に追いうちをかけるように姉の死、母の死が襲います。
このような多くの血縁者の死は、彼の画風に多大な影響を与えロマン主義絵画へと彼誘うこととなるのです。
……それでは、そんな半生を送った彼の作品をご覧下さい。
【一枚目・氷の海】
【二枚目・グライフスヴァルト近郊の草地】
【三枚目・漂う雲】
【四枚目・聖堂のある冬景色】
【五枚目・樫の森の修道院】
……彼の作品はとても詩情豊かで叙情的です。…ただどの作品もどこか寂しげで悲哀を感じさせるのは彼の半生に起こった相次ぐ血縁者との死別が大きく影響しているのでしょう。
カスパー・ダーヴィド・フリードリヒ、……ドイツ・ロマン主義絵画を代表する画家は心に消えない傷を持ち続けた悲しい画家なのです。