(勿論、いつもの通り私的考察ですから、勘弁して下さいネ
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/029.gif)
今回、第1回目に紹介するのは1969年制作・ユーゴスラビア映画の一本【抵抗の詩】という作品です
![](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
原題は【A Bloody Tale】と言い、訳すと残虐な物語もしくは残虐な事実と言うのが最も的確かも知れません(Bloodyは‘血の‘とか訳すけど…)。
この作品は世界的に大変評価の高い作品でもあり、数々の賞にも輝いています。また第二次世界大戦・1941年のユーゴスラビアのクラヴィエヴァツという町で実際に起こったクラヴィエヴァツの虐殺(わずか3日間の内に数千人がナチスの手により殺害された)出来事を下地に作られています。
【物語の概要は………】
ユーゴスラビアの町、クラヴィエヴァツに進攻してきたナチス・ドイツ軍は市民に強制労働を強いますが、しかし市民たちはサボタージュで抵抗します。そんな中、学校をナチスが司令部として摂取したことで子供たちは行く場所を失います。家族は強制労働に…学校からは追い出され……。
子供たちはやがて、それぞれにグループを作り生きるための工夫と行動を起こします
駅でポーターやる少年、花を売る少女、靴磨き、そして時にはかっぱらいも………。
そういった子供たちが生きる努力をする最中、レジスタンスの青年たちがナチスの兵士を殺します。それはナチス・ドイツ軍に報復させる口実を与えることになるのです。
やがて住民たちは次々とナチの銃弾の標的となり、それは子供といえども例外ではなくなるのです。
大量虐殺により終焉をむかえる映画!なんとも救いのないラストに思わず涙してしまいます。
……ただ救いは子供たちの笑いや淡い恋のエピソードがいくらかの慰めを感じさせるのですが………。
監督・脚本:トーリ・ヤンコビッチ。
撮影:イルチ・ブイチェク。
セット:ヴラスチミール・ガブリック。
音楽:ボイスラブ・コスティック。
キャストはミラ・ストピカ、ゾルカ・ミロバノビッチ、ほか多数です。
事実を基に作られていることもありますが、とにかくこの映画を見ると僕のように戦争を知らない世代も本当に戦争は悲惨で愚劣!そして、できうる限りの努力をもって回避すべき悪行だと、つくづく感じます!
…ところでちょっと記憶が曖昧なのですが、劇中で恋人同士の少年(ピリヤク)と少女(ビーラ)がケシの花が咲きほこる原っぱを手をつなぎ歩くシーンがあるのですが、その後ろ姿に写るとても叙情的で平和を錯覚させる場面で、突然二人の前方で爆弾が火球を上げる瞬間がとにかくとても印象的でした。
(このシーンはひょっとして69年当時の共産圏の本質を垣間見せようとした監督の意図があったのかも知れません……)
今回の1本【抵抗の詩】は、戦争の記憶が薄れつつある現代日本に暮す私たちに、いろいろと考えさせてくれる作品だと思います。