~不思議な体験・その⑧~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 またまたブログに手が付けられない状態が続きまして、誠に申し訳ございませんでした。(特に以前よりずっと閲覧して下さっている方々には本当にすみませんでした)。
と言うことで久しぶりのブログは不思議な体験第八弾として、僕がずっと以前に勤めていた学校での不思議……と言うよりは恐怖に近い体験談を語らせて頂きます。

……それはもう20年以上前の出来事になるのですが…………
当時僕は大阪市内にある某私立の男子校に勤めていました。
その男子校は歴史も古くベテラン揃いのしっかりとした教師陣が頑張っておられるそういった教育現場でした。
そんな職場で勤務し5~6年が経った頃でしょうか、文化祭初日を明日に控えた前日の夜、校内は多くの生徒が最後の飾り付けや巨大パネルの設置等で残っていました。
僕も幾つかのクラス展示や生徒会のサポートをするために泊まり込みを覚悟していました。

…そんな状況の中遅い夕食を職員室で取っていた僕を、突然幾人かの生徒が呼びに来たのです。彼らが言うには、自分達が展示作業をしている4階の廊下・突き当たりに奇妙なモノが見えると言うのです。正直その時僕には彼らが何を言っているのかよく分かりませんでした。しかしあまりにも必死に同行を求められるので、とにかく見てみようと共に4階へと足を運んだのです。

この頃にはすでに全館消灯状態で、階段や廊下も所々に設置された非常灯が足元を照らすのみ、あとは展示作業の終わらない2、3の教室の明かりがあるだけの状況でした。

…真っ暗な中、4階まで辿り着いた僕は生徒が指差す廊下の先を見つめました。僕の立ち位置はその廊下の一番端に位置し、生徒が話す奇妙なモノが見える所はこの廊下のずっと先にあるまったくの反対側の端だったのです。
視力がそれほど良くない僕には200m以上ある廊下の端を確認することは困難だったため、仕方なく真っ暗な廊下を進むことにしました。
生徒達の様子はというと本気で脅えているようでしたが、それでも僕が先に歩き出したので後についてきました。

…廊下を進む内に少しずつ見えてくるものがありました。それは何かボゥ~と鈍い光を発するモノだということを………僕はそのまま歩みを止めず、およそ廊下の終着点である反対側に20~30mと迫りました。この時初めて発光物をしっかりと視認できたのです。
その発光するモノは人の姿をしていました…それはヘルメットに作業服を着た建設作業員のような姿で、うつむき加減にあぐらをかき座っていたのです。しかし生きている人間でないことは一目瞭然でした、なぜならその者は透けていたのです、加えて発光現象の正体もその半透明のモノが自ら発する光だったのです。

視認した次の瞬間僕はこれは「ヤバい奴だ!」と確信し、背中越しにいる生徒にこの場を離れるよう言いました……その時です、1人の生徒が突然「痛い!」と言いながら倒れ込んだのです。倒れ込んだ生徒は耳を押さえながら、エビのように前後にもがいていました。僕は生徒の押えた手を強引に引き離したのですが、彼の耳が真っ赤に腫れ上がっているのを見て、これは「ますますヤバい!!」と感じ他の生徒と共にその生徒を強引に引きずりながら自身が唯一唱えられる不動明王真言を発し急ぎ後退したのです。

もといた廊下の端まで戻った僕と生徒達は、しばらく恐怖にパニック状態でしたが、落ち着くとまずは倒れた生徒に目をやりました。
この時にはその生徒の耳は元に戻り、その他の生徒と僕にも別段変わったことはありませんでした。

……この出来事より数日が経った頃、あの夜の恐怖な体験談は生徒達の手により学校中にまき散らされていました。
僕はその対処に追われ辟易としていたのですが、とどめを刺す形でとうとう校長まで僕のところに事情を聞きにくる始末となりました(幸か不幸か美術教師の僕は絵まで描いて説明させられた)。

後日談ですが、あの耳が腫れ上がった生徒は神主の息子だったとのこと、さらにあの場にいた生徒(7~8人はいた)の中で僕と同じモノを視認していたのは3人で、1人は見えなかったが呻き声を聴いたとのこと、残りの数人は何も見なかったし聞きもしなかったということでした。(ここら辺が逆に気持ち悪いなぁ~と強く感じたところです)

さらにさらに後日談として、ある古参の先生がこの校舎(僕が勤務する少し前に新築されていた)を建てる時に2人ほど作業員がお亡くなりになられたというお話しを僕にされました。
また冬休みに入ってからどうやら学校内で内密にお祓いをしたらしく、そういった話しが漏れ伝わってきたことからも、僕にとってのこの体験はかなり印象深いものとして今に記憶されています。

……僕は元来科学サイドの人間で擬似科学(オカルト系)の分野にはそれなりの疑問を抱いてる者なのです。しかし、これまでも幾つかの奇妙で不思議な体験をしてきた身には、どうも現行の科学ではまだまだ現象を解き明かせない謎は沢山あるのではと常々思ってもいるのです

それゆえ超常現象と言われるものが正しく科学的根拠の基に解明される…そんな日が来ることを僕は願って止みません。