この記事の続きである。

 

 

 

大谷選手、一平さんを巡るメディアの報道姿勢について、『おかしいと感じた点』を書いた前回の記事(もっとも、『事実関係』など不確かなことが多すぎて、何が何だかわからないような話が多すぎるのだが…)に続いて、『紅麹』の死亡事故に関して書こうと思っていた。

 

ところが、この事件、報道内容をよく読むにつれて、さまざまな問題をはらんだ、意外と複雑な問題であると感じるようになってきた。

 

 

この事件を引き起こした(最も、ある種の『事故』という側面もありうるような気もしている)小林製薬という会社は、今でも記者会見のおりに、『あったらいいなをカタチにする』というコピーを掲げているように、一時期、『面白い商品名』と『消費者目線の商品開発』で一世を風靡していたといっていいような会社である。

 

今でも、小林製薬のサイトを見ると、『ブルーレット おくだけ』『ブルーレット トイレ洗浄中』『メガネクリーナ ふきふき』『トイレその後に』『サラサーティ』など、わかりやすく、ユニークな商品名が幾つも並んでいる。

 

しかし、こうした商品が大ヒットして、従業員からのアイデア出し、商品名の募集などを含めて、会社全体で面白いことをやっているというイメージで『小林製薬』という会社自体が、『流行』に乗り、『ブーム』となったのは、1980年代(今から40年前)のことであったようだ。

 

その後、小林製薬の製品構成は大きく変わったらしい。

(と同時に、事業拡大、国際化、多角化、外部の会社との連携拡大などを一挙に推し進めていた。)

 

もともと有名になったきっかけである、『衛生雑貨(トイレタリー)』という市場だけでは、急拡大を望めないということもあったのだろう。

そして、小林製薬にとっての不幸は、『機能性食品』という(アベノミクスの第3弾の大幅な規制緩和政策)に乗っかって、注力した分野で、いわば『ノーコントロール状態』に陥ってしまった可能性があることだろう。

 

私も、『機能性食品』というのは、これほど無責任な食品であり、商品であるとは知らなかった。

 

だが、最近の報道によれば、これは『アベノミクスの第三弾』の規制緩和の一環としてぶちあげられたもので、何の根拠がなくとも(メーカーが)何らかの良い『機能』があると思った商品に対して、『機能性食品』の表示が出来て、通信販売などあらゆる販売チャネルで、好き勝手に販売できるというシロモノのようである。

 

ここから先は、私がもともと、昨日の記事を構想した段階で書こうと思っていたことだが、『紙の新聞』を普段購読されていない皆さんは、ご存じかどうかわからないが、現在、『東京新聞』であれ、『読売新聞』であれ(紙の新聞を購読すれば)、やたらにチラシが入っている。

 

こうしたものは、大体が、高齢者向けが中心だから、『薬』とか『健康食品』とか、その他怪しげなものが多い。

それにチラシ以外でも、新聞自体にやたらに広告が掲載されているのだが、それらも、一見して『誇大広告だろう』と思われるようなものが多い。

 

さらに、各種、書籍や雑誌の広告なども掲載されているが、これらも『誇大広告商法』の片棒を担いでいるのだろうと思われるようなものが山ほどある。

 

当然、今回、問題とされた『機能性食品』(それ自体が、半分、インチキ商品みたいなものである)の広告なども、紙の新聞を発行しているメディアは、そのやばい商売に相当程度、加担していると言って、さしつかえがないだろう。

 

このようにしてみると、果たして、既存のメディアがどの程度、『危険な機能性食品』などに対して、チェックをかけることが今後出来うるのか、そのことを検証しないと、『すべてはアベノミクスのせいだ』『我々には、責任はない』などといったようなことはいえないのではないかという気がしている。

 

まさに、すべてのメディアにとって、その『責任』が問われている状況になりつつあるという気がしている。

(これは、考えてみると、恐ろしい状況でもある。)