昨日(14日)アップした、この記事の続きである。

 

 

 

昨日の段階では、(新聞の内容は、かなり古い情報ばかりだし、その後、一通りいろんな新聞を買ってみたのだが…)今回の選挙について、まだ情報を整理しきれていなかったので、中途半端なことを書いてしまった。

 

その後、幾つかのテレビ番組のニュースを見たりしたが、『様子見』的な記事ばかりである。

だが、考えてみると、『台湾の人たちがどう判断するか』は、日本の側の態度が影響を与える余地もありうるように思える。

 

今回の総統選は、いちおう、何とか『民進党』が逃げ切ったような形となった。

 

最後の段階は、かなり『反民進党の総統を!』というムードも感じられたので、とにもかくにも、初めて『同じ政党の候補者が3期連続で総統になる』ことが出来たのは、『民進党にも腐敗とか、批判すべき点はあるが、一旦、中国の息のかかった候補者を総統にしてしまうことは、かなりのリスクがある』という躊躇というか、『ふんばり』が投票行為全般に表れてきたからではないかという気がする。

 

つまり、今回の『総統選』において、明確な『敗者』は、『習近平』であり、『国民党であった』だろう。

(特に、元総統である、馬英九氏などは、『台湾における嫌な過去を思い起こさせる』上で多大な功績?があったとみるべきであろう。)

 

続いて、立法委員選挙(一院制の国会議員選挙)では、次のような結果となった。

 

これを見ると、絶妙なバランスという気もしている。

 

民進党の立法委員でスキャンダル(女性スキャンダルも含む)で失脚した者もいるようだが、この人物など、『中国人の女性スパイ?』の色仕掛けにはまり、日本にもよくいるような、『国会議員になったから何でも許される』『俺はビッグだ』と考えるようなタイプみたいである。

 

こういう勘違いの人は、どこの国にもいるものである。

今回、落選したというが、それは『当然のこと』であろう。

また、このような人物(その他にも『汚職』『腐敗』で失脚した者がいたようだが)が落選するのは、当然のことであり、またこうした人物を候補者として擁立した政党の責任が問われるのも当然であろう。

 

『民進党』であろうがなかろうが、こうした人物を落選させるようなメカニズムが国内の選挙システムに備わっているのは、まだまだ台湾の民主主義が『鮮度』を保っている証でもあろう。

 

日本の中の報道ぶりを見ると、『第三党に躍り出た民衆党とは、どういう政党なのか?』『キャスティングボートを握ったような立場で、今後の4年間、どのような動きをするのか?』などとしきりに、気にしているような書き方が多い。

 

しかし、私の感じだと、『第三党』であるからこそ、民衆党がどのような立場を取るのかは、この党の行く末にも大きく影響する。

 

党代表の『か文哲氏』は、この党(あるいは第三勢力)の発展を期待しているだろうし、であれば、単純に『国民党の同伴者』というよりは、もっと『周囲を驚かす』ような動き方を模索するだろうとも思う。

 

そのためには、『是々非々主義』を取るかもしれないし、一つの可能性としては、『民進党』との部分的な(テーマによっては)『連立政権』を志向する可能性だってあるだろうという気もしている。

 

そして、『民衆党が、親中でも親米でもないとすれば』、仮に日本の国の動き方が、『親中でも親米でもない、真ん中へん』に位置するように台湾の側から見えるようになれば、そのような日本との結びつきを強くしていくことも、民衆党の今後の進路ともなりうるかもしれない。

(この見出しの付け方など、いかにも『朝日』という感じである。

記事の中身は、割合、まともなことを書いてあるのだけど。)

 

つまり言いたいことは、日本の側がメディアも含めて、台湾に対して、『お前は親米なのか、親中なのか』などと野暮な選択を迫るより先に、日本の側自体が、『多様な選択肢を台湾の側に提供していく』そのような姿勢を見せれば、台湾の民衆党の側も、選択肢の幅が広がるのではないのかということである。

 

『どうせ、安倍晋三と親しかったんだろう』とか『どうせ、自民党と深いつながりがあったのだろう』などと先方を詮索するのは、日本の政治の側の貧しさを吐露する行為に等しいとすら思える。

 

日本人の年齢の高い世代は、(いわゆる右であれ、左であれ)台湾を一個の『国民国家』として認めようとせず、『蒋介石が逃げ込んだ島』とか『日本が統治下に置く前も、清国が統治することが出来なかった<未開の島>』などと思い込んでいる人たちが意外と多いようである。

 

しかし、実際は、幾多の経験と苦悩を経て、堂々とした民主主義国家として、(日本よりもはるかに)生き生きとした民主主義を、今日においても実践している国である。

 

こうした国であることを、きっちりと認識し、改めて『学ぶべきところは学ぶ』という姿勢を保持することが、(例えば)台湾民衆党なども日本に対して、改めて注目し、台湾の民衆全体に対して、『アメリカ』や『中国』という選択と別個に、『日本などとの親交を深める』という選択肢もありうることを伝えきることが出来るのではないかと感じる。

 

要は、台湾の政治、進路に対して、日本の側からも影響を与えうる可能性があるということである。

(まあ、こういうまとめ方自体、やや形式的過ぎるかも知れないが、現時点での今回の台湾の選挙結果に対する、私の評価である。)

 

台湾としては、アメリカのバイデン大統領の意向や、年内に行われる次の大統領選挙で誰が勝利するのか(トランプが勝利する可能性もかなり高そうだが…)も考慮に入れなければならず、5月に実施される、新総統の就任演説に向けて、本当に大変だとは思うが…。