好きな辛口のタイプを探す。 一、 | 日本酒と私

日本酒と私

ブログ復活させます。
2016年3月のブログまでは「ジャパニーズサケラボ」として
好き勝手に書いておりました。
「酒と料理 戸塚駅横研究所」を経営しております。
2020年 SAKE DIPLOMA 取得。

それでは、

前回のブログでざっくり4つに分けた

辛口のタイプをひとつずつご紹介。

好みの辛口酒を見つけるのに役立てば、これ幸い。

 

 

①五百万石などの甘味・旨味が少ない酒米を使い発酵を進めていくタイプ

について。

 

 

まずは「発酵を進めて、米の甘味・旨味をなくしたもの」

とはどういうことか説明する。

 

要は、最初から最後まで

「甘くない」ってこと。

 

「発酵」って要はぶっちゃけ、

「腐らせる」事じゃん?

 

人間の身体に良い→「発酵」

人間の身体に悪い→「腐敗」

 

だから発酵すればするほど

米の甘味と旨味がなくなっていくんだよね。

 

「完全発酵」なんて書いてあるラベル

を見たことがある人もいると思うけど、

甘味・旨味をどれだけ残すかによってもちろん、

バリエーションが出てきます。

 

 

 

 

さて長くなりましたが

話を戻します。

 

①五百万石などの甘味・旨味が少ない酒米を使い発酵を進めていくタイプ

 

これはもう、新潟の「淡麗辛口」が分かりやすい。

越乃寒梅、久保田、八海山、エトセトラ。

 

新潟も脱「淡麗辛口」の時代を経て、いまや様々な酒があるが

今は「辛口」のお話。

 

新潟では1950年代後半に

「五百万石」という酒造好適米が開発され

一時は生産量日本一となる。

 

「五百万石」の特徴は一言で表すと、

「すっきりとした軽い酒質に仕上がる。」

 

軽い酒質にしかならないのなら、やっぱり

杜氏は「辛口」を酒質設計にすることが多くなるよね。

「美山錦」なんかも同じかな。

 

 

実は、「淡麗辛口」っていうのはメディアが

新潟の酒を売るために造ったらしい。

 

新潟は軟水醸造だったために「水っぽい」と言われた酒を

研究・努力を重ねることにより低温醸造や炭素ろ過といった製法を使って

見事にすっきりとしたお酒が出来上がった。

 

それを、おそらく新潟県はメディアと組んで

イメージ戦略で「淡麗辛口」を全国に売り込んだ。

一世を風靡したよね。

 

 

 

 

・・・まあ、

こんな説明はどこにでもあるので

 

お客様の立場なら、

「最初から最後まですっきりとした甘くない辛口が欲しい」

なんて言ってくれたら

お酒を売る側は分かりやすいと思いますよ。

 

はい、これが①の辛口タイプ。

 

 

 

ちなみに、当店では新潟の辛口はレギュラーにしてなくて笑

このタイプで言うと、日高見(宮城)を置いてます。

これは、「ひとめぼれ」という食用米を使ってます。

だからほんのり甘味が残っているのかな?

 

ほーんの少し甘味が出ているということは

実はお米の甘味・旨味が食用米の方が強くて、

ひょっとしたら②のタイプかも知れませんが

最初から最後まですっきり、発酵を進めているという点で

お客様に分かりやすいので①としています。

(酒造好適米と食用米については、またいずれ。)

 

社長が「お寿司に合うお酒を造りたい」と研究して

出来たお酒として有名ですね。

 

 

あ、

余談だけど、神亀(埼玉)なんかは

完全発酵させて、残った少ない甘味・旨味を熟成によって

引っ張り出すとか言うよね。酒屋万流。笑

神亀ファンである私はいつか蔵元を訪ねて色々お伺いしたいと思ってますが、

これはまた実現したらこのブログで紹介したいなあ。

もちろん読んでますよ。「闘う純米酒」。

 

あとね?

墨廼江(宮城)の辛口も好きで、あれも確か「五百万石」だったな。

お酒に残っているほんの少しの甘味と旨味が

海老や蟹なんかを一緒に食べるとその甲殻類の甘味と旨味に反応して

増幅するんだよね。

 

 

 

 

 

はい、

今日はこれで。