硫黄島玉砕 されど、ある司令官が書いた遺書が米国で評価されました | 誇りが育つ日本の歴史

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日本では自殺者が増え続けています。
自虐史観を押し付けられ、日本の建国の歴史が書かれている神話を、教わらない事が、その主な原因です。
少しでもそのような精神的な貧乏状態を改善していきたいです。

硫黄島玉砕 されど、ある司令官が書いた遺書が米国で評価されました

 

 

 

昭和20年3月、硫黄島玉砕。

 

その島で戦死したある司令官の遺書が、全米で話題となりました。

 

彼は、大正15年、霞ヶ浦海軍航空隊で訓練中に墜落事故により負傷しましたが、4年間の療養生活を過ごした後、復帰しました。

 

予科練の初代校長として、「兵としてよりも人間たれ」を旨とし、人間教育を重視して、少年航空兵を教育していきました。

 

その後、昭和19年(1944年)8月に硫黄島の海軍航空隊司令官として赴任しました。

 

陸軍司令官は栗林忠道陸軍中将であり、陸海軍合わせて、21、000名の兵隊が硫黄島を守備していました。

 

彼は、ルーズベルト大統領宛ての遺書(ルーズベルトニ与フル書)を書き、ハワイ出身の日系アメリカ人2世の、三上弘文兵曹に英訳させ、村上治重大尉に渡しました。

 

村上治重大尉はその遺書を胸にしまい、突撃。

 

昭和20年(1945年)3月26日、硫黄島守備隊の最後の数百名が、敵陣へバンザイ突撃して玉砕。

 

戦闘が終了した後、日本兵の遺体をチェックしていた米兵が、遺書を見つけて、米国本土に持ち帰りました。

 

その遺書は、昭和20年7月11日付けの米国大手各新聞に「死に臨んだ日本の一提督の米国大統領宛の手紙」というタイトルで、遺書の全文が掲載されました。

 

しかし、すでにルーズベルト大統領は4月に死亡しており、この遺書を目にすることはありませんでした。

 

昭和45年(1970年)に世界的ベストセラーとなった本『昇る太陽―日本帝国滅亡史』(ジョン・トーランド著、1971年ピューリッアー賞受賞)の中に、その遺書の全文が紹介されました。

 

また、彼が大切に持っていた刀が、戦利品として米兵によって米国本土に持ち帰られました。

 

その刀は、「硫黄島」(リチャード・ニューカム著)という本の中で紹介されており、たまたまその本を読んだ人が所有していた日本兵の刀がまさしくそれでした。

 

後日、彼のご家族の元にその刀は届けられました。

 

その刀の持ち主であり遺書を書いた司令官は、市丸利之助海軍少将と言います。

 

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『ルーズベルトニ与フル書』

 

日本海軍市丸海軍少将が 「フランクリン ・ルーズベルト」 君に書を宛てる。

 

私は今、我が戦いを終えるに当たり一言貴方に告げることがある。

 

日本国が 「ペルリー(ペリー)」提督の下田入港を機とし、広く世界と国交を結ぶようになった時より約百年の間、

 

国の歩みは困難を極め、自ら欲しないにも関わらず日清戦争、日露戦争、第一次欧州大戦(第一次世界大戦)、満州事変、支那事変を経て、不幸にも貴国と交戦することになった。

 

そして貴方は我々を、あるいは好戦的国民であるとし、あるいは黄禍論を用い貶め、あるいは軍閥の独断専行であるとする。

 

思いよらぬもの甚だしいと言わざるを得ない。 貴方は真珠湾攻撃の不意打ちを理由に対日戦争(大東亜戦争) 唯一の宣伝資料とするが、

 

そもそもにおいて日本国が自滅を免れるためこの行動に出る他ないという程の窮地にまで追い詰めたような諸種の情勢というのは、貴方の最も熟知するものであると思う。

 

畏れ多くも日本天皇は皇祖皇宗建国の大詔に明らかなように、養成(正義)、重暉(明智)、積慶(仁慈)を三鋼(秩序)とする

 

八紘一宇(天下を一つの屋根の下に)の文字によって表される皇謨に基づき、

 

地球上のあらゆる人間はその分に従い、その郷土においてその生を生まれながらに持たせ、それによって恒久的平和の確立を唯一の念願になさったのに他ならない。

 

これは 「 四方の海皆はらからと思ふ世になど波風の立ちさわぐらむ 」 (意訳:人は皆家族であるのに、なにゆえ争わねばならないのか)

 

という明治天皇の御製(天皇の詩)は貴方の叔父セオドア・ルーズベルト閣下が感嘆したものであるが故に、貴方もよく熟知しているのは事実であろう。

 

私たち日本人はそれぞれ階級を持ち、また各種の職業に従事するけれども、結局はその職を通じ皇謨、つまりは天業(天皇の事業)を翼賛(補佐)しようとするのに他ならない。

 

我ら軍人は交戦を以て天業を広めることを承るに他ならない。

 

我らは今、物量に頼った貴方の空軍の爆撃、艦隊の射撃の下、外形的に後ろへ退くもやむなきに至っているが、

 

精神的にはついに豊かになり、心地ますます明朗になり、歓喜を抑えることができなくもある。

 

この天業翼賛の信念が燃えるのは、日本国民共通の心理であるが、貴方やチャーチル君は理解に苦しむところであろう。

 

今、ここに貴方達の精神的貧弱さを憐れみ、以下の一言を以て少しでも悔いることがあれば良いと思う。

 

貴方達のなすことを見れば、白人、とくにアングロサクソン(アメリカとイギリスの主な民族)が世界の利益を独占しようとして、

 

有色人種をその野望実現のための奴隷として扱おうということに他ならない。

 

この為に邪な政策をとり有色人種を欺き、所謂悪意の善政を行うことで彼らを喪心無力化しようとしている。

 

近世に至り日本国が貴方達の野望に抗し有色人種、特に東洋民族を貴方達の束縛より解放しようと試みたところ、

 

貴方達は少しも日本の真意を理解しようと努めることなくただ貴方達に有害な存在となし、かつて友邦とみなしていたにも関わらず仇敵野蛮人であるとし、

 

公然として日本人種の絶滅を叫ぶに至った。
これは決して神意にかなうものではないだろう。

 

大東亜戦争によって所謂(いわゆる)大東亜共栄圏が成立し、所在する各民族はわれらの善政を謳歌しているから、貴方達がこれを破壊することが無ければ、

 

全世界にわたる恒久的平和の招来は決して遠くは無いだろう。 貴方達はすでに成した。

 

十分な繁栄にも満足することはなく数百年来にわたるあなた方の搾取から免れようとするこれらの憐れむべき人類の希望の芽をどうして若葉のうちに摘み取ろうとするのか。


 

ただ東洋のものを東洋に返すに過ぎないではないか。


あなた方はどうしてこのように貪欲で狭量なのか。

 大東亜共栄圏の存在は少しも貴方達の存在を脅威するものではない。 むしろ世界平和の一翼として世界人類の安寧幸福を保障するものであって、

 

日本天皇の真意はまったくこれに他ならない。 
このことを理解する雅量(器)があることを希望してやまないものである。

 

翻って欧州の事情を観察すると、また相互無理解に基づく人類闘争がいかに悲惨であるかを痛感し嘆かざるをえない。

 


今ヒトラー総統の行動の是非を云々するのは慎むが、彼の第二次世界大戦開戦の原因が第一次世界大戦の終結の際、その開戦責任の一切を敗戦国ドイツに押し付け、

 

その正当な存在を極度に圧迫しようとした貴方達の処置に対する反発に他ならないということは看過できない。

 

貴方達の善戦によって力を尽くしてヒトラー総統を倒すことができたとして、どうやってスターリン率いるソヴィエトと協調するのか。

 


世界を強者が独専しようとすれば永久に闘争を繰り返し、ついに世界人類に安寧幸福の日はないだろう。

 

あなた方は今世界制覇の野望が一応、まさに実現しようとしている。あなた方は得意げに思っているに違いない。

 

しかし貴方達の先輩ウィルソン大統領はその得意の絶頂において失脚した。

 

願わくば私の言外の意を汲んでその轍を踏まないで欲しい。

 

市丸海軍少将 

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