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戦国大名・北条氏の宴席は海の幸ずらり 

歴博で支配体制を探る企画展

 

<写真>、、、北条家法度書。伊豆半島を出入りする船に対し、「許可のない人を乗せてはいけない」などと記されている

神奈川県立歴史博物館所蔵

 

 戦国大名北条氏の支配体制を探る企画展が、神奈川県立歴史博物館(横浜市中区)で開かれている。

相模湾と駿河湾の二つの海域を治め、タイやブリ、マグロなど豊かな海の幸を酒宴の席で提供していた北条氏。

海上交通を通じ、西国の情報も入手していたという。

 

 特別陳列「戦国大名北条氏と西相模・伊豆」。

直轄地域は関東の西端に位置し、小田原城(現在の神奈川県小田原市)を拠点としていた。

今川氏の駿河国や武田氏の甲斐(かい)国と接していたため、軍事的緊張に包まれた地域でもあった。

 

 今回は近隣大名との熾烈(しれつ)な駆け引きをうかがわせる書状や合戦の様子を描いた図も展示される。

 

 初代・伊勢宗瑞(そうずい)(早雲)がかつて駿河国の石脇(現在の静岡県焼津市)にいたことが分かる書状も公開。

格式あるもてなしの膳には海産物を中心とした献立が必要だったといい、定置網を仕掛けてイルカなども追い込んで捕っていたことがうかがえる史料なども紹介している。

 

 「北条氏は海からさまざまな利益を享受していた」と県立歴史博物館。

海上交通の規制を厳しくする一方、伊勢の商人からは西国の情報をこまめに入手していたという。

 

 1498年、初代が伊豆国を平定。

豊臣秀吉の軍門にくだって1590年に滅亡するまで約100年続いた北条氏5代。

「豊かな海の幸が経済力の源でもあった。一族と海とのかかわりを探っていきたい」と担当学芸員は話している。

 

 14日まで。月曜休館。特別展示室第1室で午前9時半~午後5時。一般300円。

問い合わせは県立歴史博物館。

(編集委員・小泉信一)

<記事引用>