野球少年が、
僕の夢はプロ野球選手になることです!
と言うと、それを聞いた周りの大人はたいてい、
そうか!頑張れ!
とその少年を励ます声をかけることでしょう。
夢を語る子どもに向かって、「無理だよ」などと言う大人は、おそらく、いません。
では、それが中学生になったらどうでしょうか。
そしてそれが、高校生になったらどうでしょうか。
大学生になったらどうでしょうか。
さらに、社会人になってもなお、
プロ野球選手になる!
と言い続けていたらどうでしょうか…
周りの反応は、確実に少しずつ変わっていきます。
現実を見た方がいい
そろそろ次を考えた方がいい
そんな言葉が増えていくはずです。
さらにそれが、女子だったらどうでしょう。
女子には男子のようなプロ野球の世界はありません。
社会人になると、平日は仕事をして、休みの日は野球をするわけです。
野球がお金になるわけではありません。
それでも野球を続ける…
なぜ続けるの?
いつまで続けるの?
そんな目で見られることもあります。
▼ 我が家の息子と娘
僕には野球を続けている息子と娘がいます。
二人とも二十歳を超え、もう立派な社会人です。
はっきり言って、二人とも野球の実績があるわけではありません。
全国大会で活躍したわけでもないし、誰もが認める才能があるわけでもないです。
周囲から見れば、
まだやってるの?
と思われても不思議ではない存在だと思います。
実際、
そろそろ現実を教えないと
そんな言葉を僕は、何度も何度も聞いてきました。
でも僕はずっとこれまで
もうこれ以上、野球は上手くならないな
そう自分で思うまで、思う存分続けなさい、と言ってきました。
▼ 外野が決めることではない
僕は、本人が本気でやりたいと思っていることを、周りが止める必要はないと思っています。
もちろん、生活は大事です。
仕事も大事です。
社会人としての責任もあります。
でも、それらを果たしながら夢を追っている若者に対して、
もうやめろ
と言う権利が、他人にあるのでしょうか。
最近は特に、挑戦している人よりも、挑戦している人を評価する人の声の方が大きくなっているように思います。
そしてその声は、間違いなく、本人にも聞こえているはずです。
現実を見ろ
という言葉は正しいのかもしれません。
でも、夢を追っている本人だって、現実を見ていないわけではないのです。
誰よりも分かっているのだと思います。
自分がどの位置にいるのか。
どれほど難しい挑戦なのか。
分かっているはずなんです。
でもその上で続けているのです。
▼ それでも僕は応援する
最近、ふと思うようになりました。
僕はいつまで、彼、彼女に
夢を諦めるな
と言い続けるのでしょうか。
子供の頃は簡単でした。
夢を追え!挑戦しろ!諦めるな!
そう言えばよかったですから。
でも年齢を重ね、成長するに従って、どうやって生きていくのか?という現実を考えなきゃいけないようになります。
仕事のことしかり、生活のことしかり、そして、将来のことしかり。
親だからこそ心配になることもあります。
もしかしたら、僕自身の中に今、
もうそろそろなのかな
という気持ちが、芽生えて来ているのかもしれません。
僕自身が、そのことを意識しないようにしているだけなのかもしれません。
強がっているだけなのかもしれません。
でも、目の前には、まだ前を向いている息子と娘がいるんですよね。
諦めていない人が、僕のすぐそばにいるんです。
だったらやっぱり、僕が先に、もうそろそろ、とも思っちゃいけないんだと思うのです。
プロ野球選手になれた人は、プロ野球選手になるまで野球を続けた人です。
これは間違いのない事実です。
もちろん、全員がなれるわけではありません。
でも、途中で諦めた人がなることは、絶対にありません。
だから僕は、これまでどおり見守ろうと思います。
結果がどうなるかではなく、彼、彼女が、自分で納得するところまでやり切れるように、
もうこれ以上上手くならないな
って、自分自身で思うまで、黙って見守ろうと思います。
そして、もうこれ以上上手くならないくらいに、登り詰めたその場所は、どんな場所でしたか?そう尋ねようと思います。
さて、世の親御さんたちはどうなのでしょうか。
お子さんが、
プロ野球選手になる!
という夢を語る時、いつまで
頑張れ!
と言い続けるのでしょうか。
それを決めるのもまた、挑戦している本人なのかもしれないですね。
以上でーす。