2日後…
ドズル・ザビの名の下に村は正式にジオン公国の一部と扱われる事になり、ジオン公国憲法に則り徴兵を受ける…ナーガスは村の人口から5人の若者を希望したがカズは自身とカイン、アベルの3人での許しを求めた…平行する議論にレイラが名乗り出て結局4人での容赦が出た。
更に2日後にはオデッサで適性検査を受け4人共にパイロットとしての適性を見出された…パイロットは士官からの軍規に因りカイン、アベルは伍長に、レイラは士官学校の経験を買われ軍曹に、カズは3人を纏めるリーダー格として曹長にそれぞれが任命された。
『貴様ら4名には私の直属となって貰う、更に我が隊の隊長は一週間後に地球へ降りて来られる、それまでにシュミレーターでの実戦訓練は勿論、ザクに乗り込んでMSにも慣れて貰うビックリマークいいなビックリマーク
一週間の特別訓練でMSに慣れた頃には第2軍団所属の特別遊撃隊フォツクス・ハウンド隊(F・H隊)の部隊長リカ・イシカワ中佐がオデッサに到着F・H隊の初陣は地球連邦軍ヨーロッパ師団第1パリ連隊であったがザクの前に勝負は初めから決まっていた…
ここで捕らえた捕虜の中にカール・クロエッツェルの姿を見つけたカズはドズルから直接に許可を貰い両親の仇を討った。
これに因りカズはジオンに…ドズルに対し大きな恩義を抱くようになっていた…。



一方…カズとナーガスが運命的な出会いをした頃…
地球連邦軍ハワイ基地ではレビル将軍直属第13特殊部隊はその名を特別遊撃隊フェンリル隊と変え部隊員を増加し連邦軍初のMS…先行試験型ジムの機動テストに明け暮れる日々を送っていた。
ピロー達はコロニーからジャブロー守った功績に因りそれぞれに…
ピローは中尉に…
サユリとトーマは少尉に…昇進
アッシュは生前に戻り軍曹となり、戦死の為に二階級特進とされ少尉として死体のないまま埋葬された…
アキは全軍内のバランスを取る為に昇進は見送られた…
ピロー達の産まれ育った村ではまだ肌寒い4月半ばであった。
カインとアベルが東ゲートに来た時だった。
ズシンビックリマークズシンビックリマーク
地響きを伴い重圧な音が村へ近付いて来る。
『隊長ビックリマーク村です、村があります…人が居ますビックリマーク
『解った…そちらへ向かう…話しができそうなら代表者を呼んでおいてくれ…』

『カ、カイン…あ、あれ何だよ…?』
『ジ、ジオンのMSだ…ま、前にテレビで見た…』
『聞こえてるか?そこの2人ビックリマーク
『しゃ、しゃべったぁ…しゃべったぞカインビックリマーク
『バ、バカ…い、いちいちビビるな…な、何だ?』
『我々はジオン公国軍の者だ…この村の代表者と話しがしたい。』
『俺だ…故あって俺が長様の代理をしている…』
ジオン軍のMSザクの足音は村中に響き渡っておりカズも東ゲートまで来ていた。
『すまんが…直ぐに我が隊の指揮官が到着される、それまで少し待って貰えないか?』
『解った…カイン、アベル親父達が寂しがるだろう…広場に戻っていてくれないか…』
少し後…もう1機のザクが近付いて来た、足下にはバギーが1台併走していた。
バギーから一人の仕官が降りて口を開いた。
『私はジオン公国軍第2軍団宇宙攻撃軍所属、ナーガス・カーン中尉である…君が代表者代理だと聞いてはいたが若いな…』
『俺はカズ…カズ・テスタロッサだ…納得いく説明をしたい、村の広場まで来て貰いたい…但しMSはここまでで願いたい。』
『フッ…成る程、MSは村へ入れたくないか…解った…MSはそのまま待機、バギーの者は運転手だけ残して後は付いて来いビックリマーク
ナーガス達ジオン兵が広場に着くとほぼ全員と思しき村人が集まっており、広場の前方には3つの棺が並べられていた。
『その棺の1つが長様だ…際の際に幾人かの前で後事を俺に託された…故に今は俺がこの村の代表者だ…』
『成る程…で、何があった?』
『連邦軍だ…奴らに長様と…俺の両親を殺された…』
『何ビックリマークどういう事だ?』
カズはナーガス達に先程の経緯を話した。
『連邦市民が連邦軍に助けを求めたら反逆罪だといわれた…そういう事だ…』
『ならばこの村は我々ジオンを受け入れてくれるのだな?』
『違うビックリマークこの村は連邦に捨てられたビックリマークだからアンタ達ジオンが受け入れてくれるのかどうかだ…連邦に捨てられた以上この小さな村はジオンにでも頼らねば生きて行けんのだからな?』
結局、村はナーガスの計らいで暫定的にジオン領と位置付けられる事となった。
崩れ落ちる母に駆け寄り抱き上げたカズは変わり果てた父の姿をも目の当たりにした…
『親父…母さん…しっかりしろよ…母さん…』
涙目で連邦兵達を睨むカズにエドガーが歩み寄り肩に手を乗せた。
『カズ…耐えろ…今は堪えてくれ…そして村を頼むぞ…』
力強くカズの肩を握るエドガーはそのまま前に進み出る。
『連邦兵どもビックリマークよく聞けぃビックリマークここはジオンの村だビックリマークさっさと逃げねば直ぐにジオン軍が来るぞビックリマーク
『何をビックリマーク撃てビックリマーク撃ち殺せビックリマーク
ダァーンビックリマークダダァーンビックリマーク
銃弾を受けたエドガーは口から血を吐き出しながら叫んだ。
『こ、これで4発だぞ…ジ…ジオン…軍…はす…すぐ…そこまで…』
『た、隊長…確かにこの辺りでの銃声は…』
『え~い構わんビックリマークジオンが来る前に行くぞビックリマーク
連邦軍は慌てて村を後にした…
東ゲートに残った村人達はマッド、フェイト、エドガーの周りに集まっていた。
『長様…』
『カ…カズ…もう…もうお…おじ…さ…ん…とは…よ…呼んで…くれ…んの…か…?』
笑顔を浮かべるエドガーにカズが応える。
『そんな事はありません…長…おじさん…』
『む…村を…た…の…頼む…ぞ……お前…が…お…長…の…か…かわ…代わり…を…』
『解りました…おじさんが復帰するまでですよ…』
満足そうな笑顔を見せたエドガーは最後に力無く口を開いた。
『エヴァ…あ…愛し…て…い…る……』
カズを気遣いすぐ脇に立つレイラの手を握り締めてカズは皆に指示を出した。
1時間後…
村の広場には3つの棺が並びカズはカイン、アベルと黙って棺を見詰めていた。
カズの指示で女、子供、年寄り達は村へ戻り、解散しそれぞれの自宅へと帰っており…レイラはショックを受け倒れたエヴァンゼリンの看病に就いた。
『カズ兄…その…レ、レイラはどこ行ったんだろね…』
カインがアベルの頭を軽く叩いて答えた。
『エヴァ様の所だよビックリマーク…カズ…俺達、少し見回りに行ってくる…か、風邪とか気を付けろよ…その…今日は早めに帰って寝ろ…なビックリマーク
カインなりに気を使ったのだろう…アベルを連れてカズを残して広場を離れて行った…。