北米大陸の北部…旧カナダには連邦軍の部隊が未だに残り抵抗運動が続いていた。
その旧カナダ地域に最近では支援物質が北極圏経由で搬入された…未確認情報ながらその支援物質の中にMSらしきモノまで…
地球方面指令としてガルマは正式にF・H隊への協力要請をしてきたのだった。
『どうだろうか…リカ?』
『それが御馳走で呼んで、部下の前でする噺なの?』
『部下への説明も省けるからね音符
『断らない前提なのね…』
『信じているからね音符君達を音符
『ナーガス中尉…予定はどうなってるの…』
『マ・クベ大佐からアフリカ戦線への応援依頼が…』
『期間は?』
『来月からですので…4日後から凡そ…20日間ですかね…』
『カズ曹長…MS隊の状態は?』
『詳しい資料が判りませんが…我が隊ならば2~3日程度の遅れでアフリカへは迎えるでしょう。』
『ガルマ、貴方からマ・クベ大佐に遅れる理由を説明願えるかしら?』
『解ったビックリマークそちらは僕がなんとかしようビックリマークそれと…ファットアンクル2機で移動する君の隊にガウ1機を提供しようビックリマーク
ディナーの終了後すぐにMSの積み替えが行われ、夜半の内にカナダ向けて飛び立った。
戦力差を戦術で埋めるかの如く、爆撃機フライマンタと61式戦車を駆使した連邦軍の奮闘に苦戦を強いられていたジオン公国軍地球制圧部隊に増援の知らせが届き、兵達の士気は俄かに高まった…が、すぐに低下を見せた。
『外人部隊だと?』
『故郷(コロニー)を墜とされて媚びる痴れ者か?』
『あっさり降伏した腰抜け共だとよ…』
『あぁビックリマークあのイシカワのお嬢様の道楽部隊かよビックリマーク
ハワイでもそうだったが地球出身者で構成されるF・H隊は【余所者】【外人部隊】として忌み嫌われ、時には迫害すら受けていた。
『お飯事部隊の御到着だぜ…』
ガウが前線基地に到着し、リカを先頭にF・H隊のメンバーが姿を現した。
周囲から誹謗中傷が聞こえてくる…何時もの事…既に馴れた…その筈だった…だが今日は違った…
『おい見ろよ音符若い娘だぜ音符
『戦力になんのかね音符
『バ~カありゃカーン中尉のオモチャだよ音符
『あぁ音符だからカーン中尉があんな隊に居るんだな音符
途端、カズがグローブを兵の一人の顔面に叩き付けた。
『ぶっ…テ、テメェビックリマーク
『無様だな…』
カズは相手を睨み付けた。
ピロー達フェンリル隊が宇宙へ上がる為にハワイ基地を離れた後…カズ達F・H隊はヨーロッパから北米大陸…ハワイ基地と連戦し…現在、北米大陸にてガルマ・ザビと対面していた。
豪華なディナーを前に御曹司風の司令官は静かに口を開いた。
『やっと招待に応えて貰えたようだねリカ音符
『私達は弾薬と燃料の補給に来たダケです…大佐…』
『補給さ音符食事は立派な燃料補給だよ音符そうだろナーガス?』
『はっビックリマークガルマ様の仰る通りですビックリマーク
『ナーガスビックリマーク
士官学校時代はシャア・アズナブルがいなければトップ3だった3人だがガルマはザビ家の御曹司…リカはイシカワ家の令嬢…ナーガスはカーン家の跡取り…と互いの家柄にも文句は無くナーガスに至っては父がドズルに仕えているように自身もガルマに仕える…今はドズルに請われてリカを支えているが…ゆくゆくはガルマの下へ…それが夢だったのだ。
リカは少し違っていた…ジオンでも名門の一家イシカワ家の令嬢で幼なじみのガルマの元へ嫁ぐ…そんな夢を抱いていたが兄ユウ・イシカワがサロス・ザビ暗殺事件の際サロスと共に殉死した…家督を継ぐ為に軍門に入り嫁ぐ事は諦めていた。
『ハハハ音符リカ良いよ音符ここは僕の私室だからね音符君も昔みたいに…』
『だったらガルマビックリマークどうして私達ダケが招待されたのかしら?』
『君達F・H隊のお陰でこの北米大陸を制圧できた…そのお礼さ音符それに…カズ君だったかな?君の活躍は目覚ましかったビックリマーク聞けばMSに乗ってまだ間もないそうだがナーガスと見間違う程の活躍だった音符
『はっ…恐縮でありますビックリマーク
『あの後…直ぐにハワイに行ってしまった君達とはゆっくり話す時間が欲しかったのだ…固くならないでくれ音符
話してみた感覚でカズはガルマの人と成りを気に入った…。
カズ以外の3人にしてもガルマはピローとどこか雰囲気が重なって見えた…。
ガルマと4人はすっかりと意気投合する事ができた。
突然、寮機が火球と化したアッシムは狼狽を隠せずにいたが、油断などは一切していなかった…がマシンガンの射程距離ギリギリに居た筈のグレーの敵MSが次の瞬間には目の前にビックリマーク
『う、うわぁビックリマークな、何だコ、コイツ…』
ロンメル中佐が無線越しに聴いたアッシムの最後の声だった。
ハシム機は2機の敵MSに翻弄されながれ追い込まれ救援を求めながら火球と化した…。
『ぐぅ…私も出撃るビックリマークザクもまだ2機ある筈だビックリマーク我が隊の全力を…』
『だ、だめです…間に合いませんビックリマーク
声に諭されロンメルがスクリーンを見た時、ハンサン機もグレーのMSに撃沈させられてしまった…。
『な、何だ…?何が起こったのだ…?』
『敵MSビックリマーク撃ってきましたビックリマーク
ムサイの格納庫に一撃を受け我に返ったロンメルは慌てて次の指示を出した。
『せ、旋回だビックリマーク旋回して離脱するんだビックリマーク
急旋回して離脱していくムサイを見てトーマは次弾を撃とうとした。
『ムサイのヤツ逃げて行くぜ音符
『トーマ音符もういい音符奴らにはコッチが本命だと思わせるのも作戦の内だ音符それに戦闘データは取れただろサユリ?』
『はい音符バッチリです音符中尉音符
『分かりました…にしても流石にじゃじゃ馬で前の部隊から放り出されただけにリィファもなかなかやるな音符
『トーマ少尉ビックリマーク私は乙女なんですよビックリマーク
『リィファが乙女なら全女性の8割りは少女だな音符
『なんだってビックリマークフレアビックリマーク
『ハハハ音符怒るなリィファ音符折角の乙女が台無しになるぞ音符フレアも流石にライラからの推薦だな…だがレディに対する言葉使いがまるでヤザンだな…後でトーマとジムのワックス掛けだな音符
『そんなぁ…俺もですかぁ…』
MS戦での初戦を完全な形で果たしたフェンリル隊はいつもの明るい姿を取り戻していた…。
その裏…いや歴史的にはその表で極秘作戦V作戦がジオンの赤い彗星により露見しようとしていた。
この事実はフェンリル隊にも直ぐに伝えられ、それが新たな作戦へと発展して行く…。