チーン…
『ま、まさか…せ、先輩が…』
蝉男は仏前に線香を立てると手を併せすすり泣く…
『ううぅぅ…こ、こんなに小さい子を…』
『父さんと母さんはウバウが産まれてすぐにヒーロー討伐隊に編入されて…』
『そうですか…その子があの時、奥さんのお腹に居た…』
『おじさん…パパのお友だちなの』
『そうだよ…ウバウちゃん達のパパには随分とお世話になってね…』
蝉男は遠い目をして兄妹達に話して聞かせてやった。
…あれはまだ私が新米戦闘員としてダークヘルに入ったばかりの頃だった…
『けっビックリマーク親父の代わりで来たってのに戦闘員Dだと親父の跡を継いでの入隊なんだからBからだろうがビックリマーク
…当時、ヒーローとの戦闘で重傷を負い戦えなくなった父に代わりダークヘルに入ったんです…
『はっはっ音符威勢が善いなぁ音符それだけ元気があれば直ぐに出世できるさ音符
…それが先輩との出会いだったんです…
穏やかな日々が過ぎ、兄妹達に少し暑くも清々しい季節がやってきた。
梅雨が明け緑が息吹く…そんなとある日曜日の午後だった。
ピンポーンビックリマーク
玄関に出たのはヤブルだった。
『はい、悪路ですが…』玄関戸を開と【いかにもアヤシイ】怪人が立っていた。
『あっビックリマークスイマセン…えっと…アレル君かな』
『いえ…兄に何か』
『えっビックリマークあっビックリマークあっビックリマークご、ごめんビックリマークじゃあ…ヤブル君ですね先輩…いやお父さんかお母さんは御在宅でしょうか』
『どっちも居ません…』
『えっい、居ないじゃ、じゃあ…何時頃に戻られるのかな』
『両親は…』
ヤブルが言いかけた時だった。
『どうしたヤブル』
買い物袋を手にアレルとキョウカ、ウバウが帰って来た。
『アレ兄…実は………って…だよ』
『失礼ですが…どちら様でしょうか』
『あっビックリマークこ、これはビックリマーク…実は私、元ダークヘルの戦闘員で今はフリーの怪人蝉男と申します…ダークヘル時代に大変お世話になった先輩に怪人となった御報告と御挨拶をと思いまして…』
『父さんの…』
『はい…あっビックリマークこれ…詰まらない物ですが…お留守との事ですから、お父さんには蝉男が来たとだけ…』
『待って下さいビックリマーク父の御友人とは知らず…大変失礼しました…実は父は…』
『えっせ、先輩がビックリマーク
結局アレルが戻って来た時にはヒビキとウバウは夢の世界の住人と化しており、ヤブルとキョウカの二人に先方へ伝えてきた内容を報告した。
『良いかキョウカ、もうこんなバカなマネはするなよ』
『うん…ごめんアレ兄…』
『よしビックリマークじゃあ二人共もう寝ろ音符
『アレ兄はまだ寝ないのかよ』
『もう寝るよ…ただその前に風呂に入る…だから先に寝ろって事だ音符
アレルは風呂場へと向かいヤブルとキョウカは布団へと入って行く…。
『ふぅ~音符良い湯だった音符
風呂を出て台所へ冷やした麦茶を求めて向かうアレルの前に麦茶の入ったコップを手にキョウカが姿を見せた。
『アレ兄…』
『キョウカビックリマークどうしたんだ喉でも渇いたのか』
『ううん…はいコレ…』
差し出されたコップを見るとアレルは笑顔で受け取った。
『ありがとうキョウカ音符待っててくれたんだな。』
『ひ、一人じゃ淋しいでしょ…だから…』
『そうだな…明日も学校だから早く寝るかビックリマーク
兄妹は仲良く眠りに就いた。