朝、蝉男が目を覚ますと悪路家は少し騒々しかった。
『ヒビキビックリマークウバウの制服はいつもの所だって言っただろビックリマーク
『ウバちゃん早く出て…お姉ちゃんもう我慢できないって…』
『アレ兄ビックリマークお弁当入れがないよビックリマーク
『ウバウ~早く…お着替えするよビックリマーク
『あっビックリマーク蝉男のおじさんビックリマークおはようございます音符昼過ぎにヒビキがウバウを連れて帰るまで誰も居ませんが…どうぞゆっくりしていって下さい。』
『い、いや…わ、私も一緒にでますよ…』
『えっ!?おじさんもう帰っちゃうんですか』
『もう少しパパとママの話しを聞きたかったな…』
『それと俺達兄妹に悪の組織の戦闘員としての心構えとか教えて下さいビックリマーク
『ア、アレルくん…わ、判りましたビックリマークで、ではが、学校が終わったらき、近所の公園で特訓しましょうビックリマーク
蝉男の申し出に最初は驚いた兄妹達は元気に返事を返した。
【はいビックリマーク
それぞれに嬉しそうな…楽しそうな笑顔を見せて学校、幼稚園へと向かった。
梅雨が明け少し汗ばむ初夏の朝日が輝く…そんな朝の光景だった。
蝉男の話が終わった頃には陽もすっかりと落ちており、どっぷり満天お星様な時間となっていた。『ふぁぁ…』
『ウバウ寝ちゃダメだよビックリマーク
『あぁ…す、すいません…つい長話を…』
『そういえば…もうこんな時間…』
『アレ兄、僕とキョウカで夕飯の支度するから、ウバウの布団を…』
『ダメビックリマーク僕はウバウのお兄ちゃんだから僕がお布団敷くビックリマーク
『分かったよ…じゃあウバウの事はヒビキに頼む、夕飯はヤブルとキョウカに頼むぞビックリマーク蝉男さん…今日はもう遅くなったので泊まっていって下さい。』
『そ、そんな…こ、子供だけの家に泊まってなんか…』
『お気になさらずに…もし父さんが生きていたら同じ事を言ったと思います…』
弟妹達はそれぞれの仕事に就きテキパキと動き出した。
『ヒ、ヒビキくんなんか…あ、あんなにち、小さいのに…』
『ヒビキはね…両親の記憶が無くて…キョウカは微かに覚えているみたいなんですが…それだけに同じく両親の記憶が無いウバウにかまうんですよ…』
『そ、そうなんですか…』
ヤブルとキョウカが夕飯の支度を終え呼ぶ声がする。』
『ごはんできたよ~音符
『ちょっと手抜きだけどね音符
蝉男を迎える事で兄妹達は久しぶりに家族以外の人物と夕飯をともにした。
『おいテメービックリマーク
『先輩への挨拶はどうした』
『生意気なんだよビックリマーク
…その頃の私は父が戦闘員Bだった事で私自身をもCなんぞよりも格上だと思っていたんです…
『よさないかビックリマーク彼はまだ入ったばかりの新人なんだぞビックリマーク
『し、しかし…』
『まぁ…悪路さんがそう言うなら…』
『余計なマネすんじゃねーよビックリマーク
…いつも庇ってくれていた先輩にも悪態ばかりついていた私がCに昇格した時も喜んでくれて、初めてのヒーロー戦で傷付いた私を庇いながらヒーローと戦う先輩の姿は正くらい伝説のダークヒーローでした…
『あ、悪路さんはどうして俺なんかを…』
『んどうしたらしくもない』
『べ、別に…ただ…嫌われ者の俺なんかに話し掛けてくんのはアンタぐらいだから…』
『ははは音符俺も若い頃はそうだったよ音符だが君の親父さん…虫牙さんのお陰で今の俺が在るんだ…それに君には並々ならぬ才能を感じるんだよ音符
『俺なんかに才能が…』
『あぁ音符頑張ってくれよ音符
…それから私も徐々に変わってゆき、周囲にも溶け込んでいけました…全ては君達のお父さんのお陰です…
『虫牙くんビックリマークやったな音符とうとう怪人じゃないか音符
『そんな…俺なんかより悪路さんがなるべきなのに…』
『いやいや君みたいな若い奴が怪人になる方が組織の為なんだよ音符
『あ、悪路さん…』
『まぁ呑め音符今日は俺の奢りだ音符
『は、はいビックリマークいただきますビックリマーク
…あの時の赤ちょうちんで呑んだ酒の味は最高でした…あの後、私は父に怪人への昇格を報告して手術を受けると直ぐに土の中へ…5年経ち成虫怪人となれたので先輩に御挨拶をと…やって来ました…