『哀れなるものたち』(英国・米国・愛蘭合作・2023年) | Cinéma , Mon Amour.。.:*☆

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左脳は邦画で出来ておりまする╰(*´︶`*)╯

こんにちは

今日ご紹介する映画は

『哀れなるものたち』(POOR THINGS)




  *・゜゚・*:.。..。.:*・'あらすじ・*:.。. .。.:*・゜゚・*


19世紀後半のイギリスはロンドン


天才ではあるけれど奇天烈な外科医

ゴッドウィン(ウィレム・デフォー)さん家で

暮らす、ベラ・バクスター(エマ・ストーン)は

身体はオトナだけれど心は赤児だ。


何でかっつうと、それは彼女が

ゴッドウィンが蘇生した人造人間だからで、



そうとは知らず、

師と仰ぐゴッドウィンから依頼され

ベラの観察記録をつけにやってきた青年マックス

ラミー・ユスフ)は


稚拙な言動や行動を繰り返すベラを

『美しき痴人』と評したのだけれど

彼女の言葉を覚える早さに、一日に2.5㎝も髪が伸びる

早さに驚きを隠せなかった


成長するにつれ

外へ出たいと駄々を捏ねるベラ



それすら可愛いベラに

庇護欲を唆られたマックスは

彼女との結婚を願い出るが、条件として

後見人ゴッドウィンからベラを邸から出さないことを

約束されられる


二人の結婚契約を結ぶ為、

呼び出された女好きの弁護士

ダンカン(マーク・ラファロ)は

男たちか外へ一歩も出したくないほどの女性(ベラ)に

興味を抱き彼女に接触を図る


ベラが籠の鳥でいることを

良しとしないことに気づいたダンカンは

『僕がキミを外へ連れ出してやろう』と誘惑し

ダンカンの口車に乗せられたベラは

ゴッドウィンやマックスの制止を振り切って邸を出る



彼女を待ち受ける世界とは、、、







またまたネタバラシになりますけれど

(ご覧になる予定の方、お気をつけ下さいませ)


エマ・ストーン演じるヒロインベラは

妊娠中に自殺を図り、意識不明の重篤な状態で

ゴッドウィンの手元に運ばれます


ウィレム・デフォー演じるゴッドウィンたら


こんなコラボ作品も作っております


ですからまぁ

フランケンシュタイン博士みたいな

御仁だとご理解くださいませ


そんなんですんでね

素性も知らぬ女性の脳を取り出し

(ベラは後にゴッドウィンがつけた名です)


代わりに彼女の胎児の脳を移植しちゃったわけで、

だから見た目はオトナ、頭脳はベイビーな

名探偵コナンの逆バージョンのベラちゃんが誕生し

そのせいで時々バグってこんな顔になったりする


そしてベラは物凄い早さで成長をし

と言うことは、性の目覚めも半端なく早く

またそれを隠しもしないので(だって赤ちゃんだから)

周りは、特にマックス君はワタワタです


で、ワタワタ奥手のマックス君に変わり

手練れのダンカンがベラを掻っ攫い初体験の

相手となるんですね


覚えたての情熱ジャンプ(性行為)に夢中になるベラ

と、教えがいのあるベラを楽しむダンカン


やがてベラは

世界は嬉しい楽しい快感だけでなく

社会的弱者がいることを知り、ショックを受けます


更には彼らを救う為にどうすれば良いかにまで

思いを馳せるようになり、哲学書を手にしたベラと

弱者の存在は当然だと歯牙にも掛けないダンカン


固定観念が確立したダンカンを

(つまり、成長が止まったダンカンを)

もはや追い抜いてしまったベラは

彼と袂を分つ以外にはなくなります


その後、徒手空拳のベラは一見すると

堕ちるところまで堕ちていくように見えるわけですが

それすら彼女は自らの養分とし、ようやっと魂と肉体が

合致にいたるという、、、


そこら辺りのベラの変遷を

ヨルゴス・ランティモス監督は

映像作家の腕の見せどころと言わんばかりに

オブラートに包むことなく我々の目前に差し出します


その描写方法が

駄目な方には駄目だったのでしょうかねぇ


けれどその手法、

わたしは間違いではなかったと思ってます


だって乳幼児に羞恥心はありませんでしょ、


食べすぎたら

ところ構わず吐いちゃうでしょうし、

排泄だってそうでしょ


目前に男性器があれば

(ゴッドウィンの実験室に検体としてあるのだ)

『これなぁに?』って摘みもするでしょうよ


それらを見目麗しき

エマ・ストーンが演ってるってことも、

役者魂だなって肯定的に捉えておりますし

まぁ『女王陛下のお気に入り』の際のストーン嬢も

今作ほどではないにしろ、強気なドアマットヒロイン

でしたしね


ランティモス監督と組むってことは

覚悟の上のあの演技だったと思っております


じゃ、

その体当たりの演技に感動したかと言えば

これがそんな単純な話ではないんですよね。


だって共感とかはないですから


但し観終わった後に

不思議と爽快感を得たことは事実です


巡り巡って辿り着いた先が

当初の匣の中だったとしても、ベラ自身が

過去の自分に決着をつけたわけですから


きっと『POOR THINGS』とは

一体誰のことを指すのか?につきましても

観た方の数だけ答えがあるのでしょうね


と言ったように←どう言ったように
レビューが難しい作品だったわぁーーー

んでも内容についてはともかく
わたしゃこの世界観は嫌いではないんだな



パフスリープのオンパレードも! ぱふぱふーー



このアンバランスな風情が



ベラたんに似合ってたし



背景の色使いだとか



メイク入らずのウィレム・デフォーの父性も良き



あとね、あとね
お久しぶりのハンナ・シグラには


こんな顔→(((o(*゚▽゚*)o)))になった



彼女が出演した『マリア・ブラウンの結婚』は

遠い昔わたしが初めて劇場で観たドイツ映画なんだな。。。