今宵ご紹介する映画は
『シェイプ・オブ・ウォーター』
米ソ冷戦下のアメリカ
政府の秘密機関である
航空宇宙研究センターで
夜間清掃婦として働くイライザ
(サリー・ホーキンス)は
耳は聞こえるが、言葉を持たない
(オクタヴィア・スペンサー)と
(リチャード・ジェンキンズ)だけという
清掃中のイライザたちの前に
イライザが覗き込むとそこには
人とは異形の生物がいた
アマゾンで捕まえたという
その生物を管理するために折檻する
横暴な責任者ストリックランド
(ローレン・リー・スミス)に対し
怒りを覚えたイライザは
人目を忍んでその生物=『彼』に近づく。
社会から黙殺され続けるイライザと
無理くり連行された異形の『彼』
寄る辺ない二人は心を通わす。
しかし『彼』の捕獲目的が
解剖実験であると知ったイライザは
『彼』をセンターから逃すことに
成功するのだが、、、
*・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*
政府の秘密機関である
航空宇宙研究センターが
そのまた秘密裏に捕獲した半魚人に
一介の掃除婦が、
しかも発音障害のある掃除婦が
何故いとも簡単に接触出来たのか?
何故厳重な警備を擦り抜け
『彼』を逃すことに成功したのか?
実はそこにこそ
監督であるギレルモ・デル・トロの
言わんとする全てが詰まっていると
わたくし感じました
つまり
あの時代の
ストリックランドを始めとする
『お偉いさん』たちにとって
イライザやゼルダのように
ー男子トイレを這いつくばって
掃除するしか能が無い奴らーなど
空気どころか塵のように
取るに足らない存在であり
その彼女らが
大切な実験材料を
奪い去るなんてこたぁ予想だにせず
だから
ー すわっ、ソ連の仕業か!?ー
といった発想になっちゃうわけです
(ソ連の隠密も出てきます)
でもイライザは
『彼』の身を案じただけなんです
『彼』を愛してしまっただけなんです
そういった
イライザが持つ
人としての美しい姿勢は
ストリックランドのように
エリートではあるけれど
自分のことしか考えない人間には
未来永劫理解出来ない、、、
だから寝首を掻かれたんです
だってほら
昔から言いますでしょ
『一寸の虫にも五分の魂』って、、、
誰にだって感情や夢
矜持があることに気づかない
いや、気づこうともしない多くの人間に対して
デル・トロ監督は
『そうじゃないでしょ』と
諭しているんですねぇ、、、
きっと優しい方なんでしょう
デル・トロ監督は。
そして
均衡性に優れた方でもあるのでしょう
イライザやゼルダ
ゲイのジャイルズといった
生活弱者には生活弱者の寂寥が
その反対に
朝鮮戦争で手柄を立て
人の上に立つ存在となった
ストリックランドのような
生活強者であればあるほど
その地位を守るため失敗は許されない
といった側面も、提示されていますから。
デル・トロ監督らしい逸品を
さらに底上げしたサリー・ホーキンス
万人が美人とは
きっと呼ばないお顔立ちですし ← 表現が難しいわ
貧弱なイメージの方でもあります
よって冒頭の、
浴室での○○○○シーンには
たまげちゃいましたが
時折り見せる
『女』の表情には意外性があって
やはり女優さんなんやなぁと認識した次第であります
長々と書き連ねましたが
要約するとするならば
『善き人』でありたいですね
それは難しいことですけど
『善き人』であるように
意識したいなと。
ま、
それも生半なことじゃないですけどさ
、、、
ジェーン、頑張る!