『誰かに見られてる』(アメリカ・1987年) | Cinéma , Mon Amour.。.:*☆

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わたしの右脳は洋画で
左脳は邦画で出来ておりまする╰(*´︶`*)╯

 こんばんは


今宵ご紹介する映画は

『誰かに見られてる』
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ニューヨーク市警の刑事
マイク(トム・ベレンジャー)は
殺人現場を目撃し、犯人に顔を
見られてしまった美しき富豪女性クレア
ミミ・ロジャーズ)の護衛を命じられます
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お約束どおり
予想どおりに惹かれ合う二人

でもマイクには妻子がいて
クレアにも恋人がいて、、、
それでも恋せずにはいられない
脇甘々の二人に殺人犯の影が忍び寄り

といったよくある話を
監督した人物は、かのリドリー・スコットさん

ただしサスペンスとして観るならば
『ブレードランナー』級の斬新さは
ございません

その代わり、
恋愛シークエンスにおいて
スコット監督ったら思いのほか
男女の機微をついております

主人公であるマイクと
エリー(ロレイン・ブラッコ)夫妻は
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育ってきた環境や価値観が似た
仲良し夫婦として我々の目の前に登場します

二人の関係性を
分かりやすく例えるならば

エリーが目の前で屁をこいたとしても
マイクは『おまっ、屁ぇこくなよー』って
一緒に笑い転げるようなフランクな夫婦といえば
わかって頂けます?


(劇中実際には屁ぇこくシーンは
   ないですから悪しからず)
   

ところがアッパークラスで
生まれてこのかた、屁などこいたことが
ないであろうクレアに出会ってしまったことで
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マイクは今まで気にも留めなかった
妻エリーのお下品な言葉使いや所作を
疎ましく感じ

『もっと上品に出来んのか?』と
それまで一度もしたことのない
ダメ出しをするのです

それを受け
『あたしを誰と比べてんの?』と訝しむエリー

今亭主が関わっている事件から
別の誰かの存在を感じ取り
演じたロレイン・ブラッコ
今作が映画デビューとは思えない
等身大の演技で

夫を愛し信じていたからこそ
夫の裏切りを許せない妻の怒りを
とっても自然に表現していました


そして
妻をディスりながら
実はその妻とどっこいどっこいの
自分自身の品のなさを恥じていたマイク

それはアッパークラスの
クレアとの違いを見せつけられ

住む棚の違う二人が
結ばれることなどないことに
マイク自身が気づいていたからこそで
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こういった
『男女あるある』を分かりやすく
指南したスコット監督に驚く反面
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『ブレード・ランナー』における
ディッカードとレイチェルによる
観る側の心を駆り立てるような恋の行方を
以前監督は描いていたわけですから
別に驚くことではなかったのかなと
再見して思い直しましたけれども。


前年に『プラトーン』(1986年)で演じた
卑劣な鬼軍曹のイメージが強かったせいで
わたくしトムさんのファンではなかったんですけど
この時の無骨な恋する男トムさんには
ちょびっとだけ胸キュンしました ←死語やな、、


アレですわ
当時のトムさんは
今で言うところの
トム・ハーディさんのような
立ち位置の方だったと解釈ください

そして
マイクを魅了するクレアに
かつてトム・クルーズ(またトムか)
夫人でいらしたミミ・ロジャースさんが演じ

当時、
飛ぶ鳥を落とす勢いだった
トムクルさんのハートを射抜いただけあって
この頃のミミさんは、後にも先にもないくらい
素敵でした
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今作は
スコット監督作品の中では
小品に位置するかと思いますが

それでもわたくし
こちらが一番好きなんです

だからレビューも
珍しくスラスラ書けたと言うね

   監督の新作『エイリアン・コヴェナント』
   のレビューについては、途中で断念したことを
   ここにカミングアウトしときます(*´Д`*)


最後になりますが
映画のタイトルシークエンスにて
スコット監督らしさが出ているので
貼り付けておきますね





夜のしじまに鳴り響くサイレンの音

ラグジュアリー・ニューヨークを
俯瞰するカメラワーク

さらにここで、
スティングガーシュウィン
『Someone To Watch Over Me』を
歌わせるなんざぁ

やはりリドリー・スコットなのね




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