八王子の街は車で雑多としていた

 

休憩の頻度が増えてきて、道路側にあったペンチで一人寒空の中一瞬だけ横になる

 

到着予想時間は何度も先送りになっている

 

やっと20号線に差し掛かると足取りが一度軽くなるものの、意外とまだまだ道のりは長く歩道橋が足に追い込みをかける

 

目指すは小仏峠の駐車場、そこは以前訪れたことがあり、水も流れていてキャンプが出来そうだった記憶がある

 

最後の曲がり角、バスが通る上り坂に入り、ひたすら歩く

 

時間はもう9時は過ぎていて、お腹も空いているような空いていないような、ちなみに本日まだちゃんと食事はしていない

 

早く着きたい、という思いだけが強くなってきた

 

google map を見るとまだ一時間もかかるようだ

 

良い加減きついなと思っていると真上に高速道路が通っている広場があり、そこで休憩

 

靴擦れがヒドく、もうあまり動きたくないと思っていると、そこの広場の奥は下がっていて川が流れてきている様だ

 

ひとまずここでキャンプを試みる

 

まずは薪木集め、最近剪定したであろう枝が積まれ、紅葉が辺り一面落ちているのは好条件だったが、既に夜露で湿っている

 

そこで立ち枯れた植物を集め、前日の古着屋で受け取った売り上げが入っていた封筒を焚きつけに火をつけた

 

あっさりと集めたものは燃え尽きてしまった、今夜湯たんぽが作れなきゃ寝ることもままならないだろう

 

白い息を吐き出しながら周辺を散策

 

幸いに地面に触れずにうまいこと引っかかっていた大きな枝と、枯れた葉っぱ付きの紅葉の枝があり、なんとか火を起こせた

 

うまくいった頃には23時を回っていた

 

鹿肉は歩いているうちに程よく自然解凍されていて、飯盒で茹でて塩で頂いた

 

茹で汁を水筒に移し塩と干し椎茸を入れスープにし、今度は玄米を炊いた、あらかじめ水に漬けといてある

 

焚き火を大きめの石で囲んでコンロにし、火口を増やして、湯たんぽも作りつつ、テントを張りにいった

 

ロケーションは必ずしも良いとは言えないが(何かの広場で頭上のはるか上には高速道路があるから)この先峠の駐車場に行ったとて、必ずしもいい所かはわからないし、もっと寒いかもしれない

 

今夜はここで過ごそう

 

湯たんぽが出来上がり、寝る服に着替えてウェアも上下に着て寝袋を出し、いざ寝付こうとした

 

さ、、、さむい

 

想像以上にテントは寒く、冷たい地面に体温は吸われていってこれ以上断熱するものも無く、膝を抱えて縮こまった

 

「早よ朝よ来い、これ以上長引くと死んでしまう」そして「この先山の中でこれは続けられない」そう思った