お読みいただきありがとうございます。
2019年6月に
結節性リンパ球優位型
ホジキンリンパ腫ステージⅣを発症。
2度の抗がん剤治療で寛解に至らず、
2020年10月に1度目の余命宣告。
2022年2月には
2度目の余命宣告で「余命半年」
を告げられました。
病気のことや、
1人娘の風花に向けたメッセージを
綴っています。
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東京が苦手だ。
生まれ育って18年を過ごした街なのだが昔からどうにも苦手だ。
25年ぶりに戻った東京は、昔ほどではないけどやっぱりどうも落ち着かない。
引っ越ししたいな。
R-CHOP療法も終盤に差し掛かるとボンヤリと考えていた。
実家に戻った要件は既に片付き、都内に住む理由もなかった。
相方さんに相談してみると
「いいね」
と言ってくれた。
「環境のいい所で暮らすのが一番だよ」
さて、何処に住もうかな。
20代の初めからずっと雪国で暮らしていた。で、山に囲まれて生活していた。
ここらでガラッと変えてみよう。
イメージとしては、車を買う時に4駆を選択肢から外せる海辺の街。
でも2ヶ月に1度とはいえ都内の病院に経過診療に通うので関東圏がいいな。
鴨川、高萩と考えて不意に8月に行った熱海旅行で立ち寄った大磯が頭に浮かんだ。
大磯、二宮あたりがいいかもしれない。
普段の生活は街の中で。ちよっとした買い物は平塚か小田原で。
なんだかとても暮らしやすそうだ。
さっそく3人で出かけてみる。
旅行者としてではなく、生活者としての視線で街を歩くとどう感じるんだろう。
結論から書くと大磯も二宮も最高だった。
大磯は静かで二宮は商業施設も充実していて、どちらに住んでも楽しめそうだ。
娘は「サーフィンを始めよう」と言っていたし、相方さんは「洗濯物がよく乾きそう」と喜んでいた。自分はシラスが美味しいのに驚いた。
休みの度に大磯、二宮を訪れた。
やがて幾つかの物件を見せていただくと家賃も都内よりかなり格安だった。
「ここ、いいね」
相方さんが気に入った物件は大磯の駅の近所にある古い一軒家だった。
水回りをリフォームしている最中で、2階の窓からは海が見え、更に猫も一緒に住めるようだ。
「ここならサーフィンも歩いていける」
娘さんも嬉しそうだった。
申し込みを済ませ帰宅する。
年が明け、R-CHOP療法終了後に初となる経過診療でPET-CTを撮られた。
再発しているらしい。
ガラガラガラっといろんなものが音をたてて崩れていった。
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