庵
井戸を見つけた
空から離れすぎた深すぎる緑
絡まる蔦ががりがり音を立てながら招く 呼んでる
手が見えた
蔦に捕まれた蔦を掴む灰色の手
蔦と一緒に髪の毛掴んでた手
その手に触れたい
顔が見たい
髪を撫でて
強引に接吻を でもまだ突っ込まない
まだ安心してしがみついてていいよ
美しい貴方が捕まった日
もう飛べない貴方が捕まった日
黄色と紺碧の果てを彷徨った貴方が堕ちていった日
山吹と群青の底で掻き集めた
その懐からごろごろ積まれた石
井戸のまわり 砂鉄ばっかり引き付ける 濡羽色した石
投げたい衝動
干乾びそうなほど眩暈に苛まれる5秒間
ひとーつ 蔦から苦い汁が
ふたーつ 灰色が剥がれていく
みーっつ 奥で苦しむ目が見える
よーっつ 登ってこないで
登ってこないで
登 っ て こ な い で
登 っ て こ な い で
いつーつ
鈍い音 鈍 い 音 に ぶ す ぎ た 音
さあ 彼 女 の ミ ン チ できあがり
芳ばしい貴方の薫り
040805