2025.10.22
James Setouchi
高市内閣の閣僚の学歴、世襲その他は? 大卒東京一極集中
R7.10.21発足 (官房長官もカウントする)(長文)
敬称略。ご本人のプロフィールや新聞報道などからまとめた。間違っていたらごめんなさい。
(念のためにおことわりしておきますが、私は「支持政党なし」の無党派層です。)
首相 高市早苗 神戸大経営・松下政経塾・夫が国会議員。夫の一族は地方議員。
総務 林芳正 東大法 ハーバード院(政治行政)・4世
法務 平口洋 東大法 建設省 ペンシルヴァニア院(地域計画)
外務 茂木敏允 東大経済 ハーバード院(公共政策)
財務 片山さつき 東大法 大蔵省 ・曾祖父が内務官僚。父は数学者。
文科 松本洋平 慶応大経済 ・世襲ではない
厚労 上野賢一郎 京大法 自治省 ロンドン政治経済学院(と本人HPにある)
農水 鈴木憲和 東大法 農水省
経産 赤沢亮正 東大法 運輸省からコーネル院経営・祖父が大臣
国交 金子恭之 早稲田大商 ・祖父と父は地方議員
環境 石原宏高 慶応大経済 ・父が大臣、都知事。兄も大臣。
防衛 小泉進次郎 関東学院大経済 コロンビア大院(政治)・4世。父は首相。
官房 木原稔 早稲田大教育(国文) ・国文で何を専攻されたのかな?
デジタル 松本尚 金沢大医 ・お医者様で医学部教授。
復興 牧野京夫 早稲田大法
国家公安 赤間二郎 立教大経済 英マンチェスター院PostG-Dip(社会政策)
・父は県会議員
子ども政策 黄川田仁志 東京理科大理工 メリーランド院(沿岸海洋環境科学)
・松下政経塾
日本成長戦略 城内実 東大教養 外務省 ・父は警察官僚
経済安全保障 小野田紀実 拓殖大政経
(補注:PostG-Dipとは、ざっくり言えば、学部卒の学士以上で大学院の修士(
Master's Degree)に準ずる資格なのだそうだ。結構ハードに勉強するみたいです。ちがっていたらごめんなさい。)
以上19人。首相を含む。自民党役員は除く。内訳をざっと見ると、
大卒19人。非大卒なし。・・ついにこの日が来たか。非大卒でいい政治家もいた(田中角栄、野中広務ら)のだがな・・
大学院は8人。(うちアメリカ7人。イギリス1人。)・・これも増えた。アメリカ一辺倒でいいのか?
2世3世世襲など政治家関係者が7人:上記の表では、7人が「父が首相、大臣、国会議員、地方政治家、夫が国会議員」など。ここはまだ調べ切れていない。
女性:高市さんを含め3人。・・6人という下馬評もあったが、3人にとどまったのはなぜ? 「名誉男性」内閣?
大学の詳細を見ると、
学部は:法学部7,経済5,政経1,経営1,商1,教養1,教育1,理工1、医学1(理系は2人)
大学の所在地は:東京15,神奈川1,京都1,神戸1,金沢1・・つまり東京が圧倒的に多い。前からの傾向。
大学別では:東大7、早稲田3、慶応2、京都1、神戸1、金沢1、立教1、東京理科1、拓殖1、関東学院1・・国立10,私立9とも言える。京都や大阪の私大出身者はいない。
1993年の細川内閣以降、首相はほとんどの人が東京の私大出身。例外は鳩山さん(東大)菅さん(東工大)。村山さんは社会党で労組出身だからやや勝手が違う。苦労人で明大の夜間に学んだ。それ以外の方は全員早慶など東京の私大出身。2世3世が多い(細川、橋本、小渕、森、小泉父、安倍、麻生さんなどなど)。高市さんは久しぶりの国立大で、しかも地方大。(細川さん以前は、東大法学部出身者が多かった。)
官僚出身は6人。建設・大蔵・自治・農水・運輸・外務。
松下政経塾出身は2人。
なお、この19人の平均年齢は59.4才。
上には書かなかったが、統一教会(世界平和連合)と関係のあった人が複数いる。
また、詳しく調べていないが、マスコミ(新聞やTV)の出身者も複数いる。高市さんも若い頃TVのキャスターをしていたのは有名だ。
人間の値打ちが学歴(学校歴)で決まるわけではない。が日本の舵(かじ)取りをする閣僚の学歴を研究してみることは、日本がどれくらい学歴社会かを見るための一つの視座を与える。
ここで浮き彫りになるのが、①全員大卒、②東京一極集中、③海外の大学院に学んだ人が増えた、④実は東大という高学歴よりも2世3世の世襲議員が多い。これは最近の趨勢だ。アベさんやアソウさん自身が首相の孫だった。たとえばH29.8のアベ内閣では2世3世など政治家ファミリーが過半数いた。今回も、政治家が家族にいる人が、今分かっているだけで7人。
乱暴な分類だが、19人のうち、東京の大学を出た人が15人、海外の大学院を出た人が8人、東大を出た人が7人、2世3世など政治家関係者が7人(現判明分。多分もっと増える)、法学部出身者が7人、官僚出身が6人。調べていないが、マスコミ(新聞やTV局)出身者が複数いる。
もちろん①「東京の大学を出た人やアメリカの大学院を出た人を大臣にするのはやめよう」とは言えないし、②「2世3世だからダメ政治家に違いない」とも言えない。全くの私見だが林芳正総務大臣は実力があり尊敬もできる(私見です)。学歴や家系がどうであれ、国民を幸せにする政治家がいい政治家なのだ。(藤原摂関家のように自分のファミリーだけ大事にするのはいい政治家ではない。)
だが、全体の趨勢として、①非大卒者はゼロになった、地方大学出身者が減った、海外の大学院出身者が増えた、②世襲でない人の数が減っている、のは事実。
①高学歴化と東京一極集中、と②階層の固定化が進んでいる、とは言えるだろう。
地方の人の声、高学歴でない人の声や親が大臣・金持ちではない階層の人の声(実は国民の大多数はそうである。東京で暮らしていると感覚が鈍るかも知れないが、選挙区に帰ってくまなく歩くと分かるはず。東京や大阪でもよくよく歩き回ると、ものも言えず潰れている沢山の人がいることに気付くはず。それに気付けるのがいい政治家。)を吸い上げる政策をどのようにして実施するか? どうすればいいのか?
地方出身で東京の大学に進学しようとすれば、学費だけではなく、生活費も高い。ゆえに地方出身者は東京の大学に進学することを断念しがちだ。第一、下宿代(家賃)をどう支払う? 地方出身で東京の大学に(特に私立に)行けるのは、ある程度以上豊かな階層になってしまう。(まれに大変な努力でその壁を越える人がいる。)このハードルを越えるには? 今の奨学金は多くが貸与であって借金と同じになる。地方出身で優秀な人が東大法学部を出てロースクールを終えて法曹になったとき300万円の借金があったらどうなるのか。貧しい人のための弁護士になって欲しいが・・・?まずは検事か判事になり、お金を貯めてから、貧しい人のためにタダで働く弁護士になりますか?
また入試(選抜)の方法も、「実績」なるものを重視したとき、東京の富裕層が有利になるのは明々白々だ。地方の貧しい家庭の子弟が大学の先生の指導を受けながら物理オリンピックで世界大会で金メダルをとることができるだろうか? まして国際会議の参加(東大農学部の場合)など・・!
意欲と能力のある人を発掘して育てるには?
知恵のいるところだ。
地盤のないところで頑張る人はすごいとは思うが、もし「私もできたのだからあなたも努力しなさい」と一足飛びに言うとすると、大事なことを見落とす。全ての人がそんなに努力できるわけではないのだ。(大山倍達はすごい努力家だが弟子たちに同じことを要求するので弟子たちがムリだと感じて離れていった、という話を聞いたことがある。)大変な努力をして逆境を跳ね返した人は確かにすごいが、そうではない人(逆境を跳ね返せない人、跳ね返す気力自体を奪われている人)の痛みがわからない場合が時折あるようだ。誰もが希望を持ち無理なく努力へとシフトしていけるサポートとは、どういうものであろうか? 相撲でも、いい親方はそれができる親方だ。大横綱必ずしも大親方ではない、と言う。
田中角栄や野中広務はたたきあげで偉大な政治家だった。(もちろん100%の聖人君子ではないが、)その心の優しさ(苦しむ人へのいたわり)に感謝している人も多い。最近はこういう方が減った。こういう方もおられないといけない。
林さんは「仁の政治」を言っておられる。平口さんは「夫子の道は忠恕(ちゅうじょ)のみ」と言われ、その訳として「人間の道は誠と愛が大変大切です」とつけておられる。まことにすばらしい。
注1 「仁」「忠恕」と言えば伊藤仁斎だ。伊藤仁斎、東涯父子はすばらしい。「仁は愛なり」「まごころを尽くし、人を思いやって恕(ゆる)す」「世俗の中に聖人の道は生きる」(意訳)と言ったのが仁斎だ。東涯はその堀河学派の継承者。
(中江藤樹も「敬愛」の道を説いた。その言やよし。)
注2 今回(2025年)の閣僚は平均60才弱。彼らが高校を出たのは42年前、つまり1983年。そのころは東大法学部卒大蔵省出身で政治家、というコースが強かった。政官業の癒着(ゆちゃく)も問われた。非大卒で地方議員からたたき上げの人もいた。
では、今から42年後にどういう方が大臣になっているか? というと、ちょっと分からないところがある。だから、今の趨勢(すうせい)を見て、東京の大学からアメリカの大学院に進めば大臣になりやすいのかな、と直ちに思い込むことはない。その頃には全然違っているかもしれない。東京や海外の暮らしで得られるものもあるが、それが絶対善でもない。
孔子曰く、「政は正なり。子帥(ひき)いるに正をもってすれば、たれか敢えて正しからざらん」と。(『論語』顔淵12-27)・・まず為政者が自らを正せ、と孔子は教えた。
孔子曰く、「政治の要諦(ようたい)は、食糧と軍備と民の信頼だ。このうち優先順位は、第一に民の信頼、第二に食糧、第三に軍備だ。第一の、民の為政者への信頼がなければ国家はなりたたない」(『論語』顔淵12-7)(大意)・・最後の一文は複数の説がある。「民は相互信頼がないと成り立たない」「民の為政者への信頼がないと政治は成り立たない」など。「信頼」がキーワードではある。
孔子曰く、「之を導くに政を以(もつ)てし、之を斉(ととの)ふるに刑を以てすれば、民免(まぬか)れて恥なし。これを導くに徳を以てし、これを斉ふるに礼を以てすれば、恥有りて且(か)つ格(ただ)し」と。(『論語』為政2-3)・・政治は法令や刑罰ではなく指導者自身の徳と礼で行うのがよい。徳治主義の教え。「格」の字は「ただしい」「いたる」「(民がなついて為政者のところになびいて)きたる」など多様な解釈がある。
孟子曰く、
先王(いにしえの偉大な政治家たち)にも「人に忍びざるの心(人のつらい部分を見過ごすことのできない、優しい心)」ありて、すなわち「人に忍びざるの政」あり。(『孟子』、公孫丑29)
孟子は言った、
「民が最も重い。国家(民に直結する土地の神と穀物の神)はその次だ。天子は最も軽い。民に望まれてはじめて天子となる。天子が諸侯を、諸侯が大夫を選出する。為政者が国家(民に直結する土地の神と穀物の神)を危うくすれば為政者は交代させられる。為政者が国家(民に直結する土地の神と穀物の神)に対してしっかり尽力しているのに災害が起きたならば、国家(民に直結する土地の神と穀物の神)自体を変えてしまう。・・」(『孟子』尽心14-14)(大意)・・「民が、国家よりも天子よりも、最も重い」とする点がポイント。なお、「社稷(しゃしょく)」の解釈は諸説あるかも知れない。簡単な解説には「土地の神と穀物の神、国家」などとある。ここでは「社稷」=国家(民に直結する土地の神と穀物の神)、としてみた。為政者が国家(民に直結する土地の神と穀物の神)に対してしっかり尽力しているのに、災害(天災を最小限にとどめ得ず人災によって拡大する)が起きるなら、国家(民に直結する土地の神と穀物の神)自体を変えてしまう」とは、現代風に言い換えれば、「為政者なりに裏金作りなどをせず誠心誠意民のためによかれと思って力を尽しているがそれでも災禍が起き、自然災害が最小にとどめられず、人災によって拡大するのならば、それは国家のシステムに問題があるのだから、国家のシステム(納徴税システムを含む)自体を改変する。」とでもなろうか? 大前提は、為政者なりに「仁」と「忠恕」の心を持って「誠心正意」尽力していることだ。そこがまず問われる。・・・どうですか?
石破茂曰く、「保守とは寛容である」と。
森山裕曰く、「自民党は特定の階級や利益を代表する政党ではなく、国民的立場に立脚した国民政党だ」と。また曰く、「新政高徳」と。
自民党を好きな人も嫌いな人もいていいが、これらの言葉は一考に値する、と私は思う。高市さんがその反対を行ったら、自民党は支持を失って壊滅する。国民の暮らしがもう持たないからだ。株が上がって儲けている人には見えないだろうが・・・(株はストンと下がる危険性がある。)
「決められない政治でダメだ、前へ進める」と大きな声で言っていた人へ。ダメなこと・間違ったことは決めてはいけない。ダメな方へ進めてはいけない。たとえば軍国主義化、独裁化、全体主義化、利権の独占化、階層分化、貧困化などへと進めてはいけない。ヒトラーはどんどん決めてついにドイツを滅ぼした。国民を幸せにするのが政治家の仕事ですよ。あなたは血税から沢山給料を貰っていますよね。最前線のエッセンシャルワーカーは、安い給料でもっと働いた挙げ句に潰れて働けなくなっていますよ。あなたは知っているかどうか知らないが。
孔子は言ったという、「苛政(かせい)は虎よりも猛なり」と。(『礼記』檀弓下)
孟子は、「鰥寡孤独(読めますか?)を大切にせよ」と言った。
今日、民の為政者への信頼(盲信・狂信ではない)、あるいは、民相互の信頼は、どれほどあるのであろうか? それを回復するには、どうすればいいのであろうか? ポピュリズムに陥ればいいのではない。岸田さんと石破さんはなんとか信頼回復をやろうとしたのだが。高市さんと吉村さんは、政治と金の問題、企業・団体献金、ウラ金、T一教会の問題は、例によって知らんぷりするのだろうか?
昔、漢委奴国王なる者(地方政権だと言われているが)が後漢王朝に何を贈ったのか知らないが金印を授かり、その50年後には倭国王帥升等なる者が後漢王朝に生口(奴婢か?)160人を贈った(諸説あり)という。超大国の権威を借りて威張り自分の権益のために国民・国富を売り飛ばす。そういうリーダーはリーダーとは言えない。
孟子が聞いたら激怒するだろう。吉田松陰はじめ尊皇攘夷派が聞いたら、何が起こるかわからない。くわばらくわばら。
『「憲法改正」の真実』(樋口陽一、小林節)(集英社新書、2016)によれば、2006年に憲法審査会の調査特別委員会で高市早苗議員(2015年ころには安倍内閣の総務大臣だ)は小林節氏(法学博士、慶応の名誉教授)に対し自信満々で間違いだらけの主張をした、彼女(高市早苗議員)は「憲法学の知識が欠落している」、「自民党の憲法観の間違いが、ここににじみ出ている」(p.25~p.27)とある。そういう人が得々と「憲法改正」を言い靖国参拝を言うとは。非常に困った事態だ。彼女は神戸大経営学部と松下政経塾とアメリカ連邦議会の仕事で一体何を勉強してきたのだろうか? アメリカ流の回転ドア人事(堤未果の本をお読み下さい)で民から搾取する方法を学んで帰ったのだろうか? その後勉強して考えを改めてくれただろうか? 有権者はなぜそんな人を選ぶのだろうか? 有権者もエゴイストなのだろうか? 有権者も勉強不足で、知らないのだろうか? ヒトラーは憲法を無効化して暴走した。日本はそうなってはいけない。(この一節、過去に書いたものを再掲。)
*沖縄の人が言っていた。太平洋戦争の沖縄戦の時、猛烈な爆撃のもと、壕に避難していると、日本兵が、「赤ちゃんのいる人は出しなさい、アメリカ兵に見つかるといけないから」と言った。それで仕方なく自分の子を窒息死させた親もいた。自分は子を殺すに忍びなく、子を連れて壕を出た・・やがてアメリカ兵に保護された。父親は牛島司令官に続いて自決したが、部下たちには生き延びるよう指示をして青酸カリを回収した。・・なぜ父親は死ななければならなかったのか?・・・これが戦争だ。美化してはいけない。
*ここから見ていると、軍事大国化したイスラエルがガザにしていることは本当にひどい。すぐにやめるべきだ。今やイスラエルは国際的に孤立している。あれだけ武器を使ったら国民生活に回すお金がなくなってしまうだろう。国民のためにもやめるべきだ。軍事大国ロシアがウクライナにしていることもひどい。ロシアにいかなる言い分があろうとも、やっていることはひどい。ロシアはすぐにやめるべきだ。ロシア国民も生活が圧迫されている。ロシア国民のためにも戦争をやめるべきだ。軍事大国中国も強大な軍事力を見せつけてパレードをするなど、国民の生活のケアをあとまわしにして、つまらないことをやっている。周辺国で人気がなくなっている。軍事大国アメリカについては言うまでもない。他国のやっていることなら、あれは間違っている、とすぐわかる。平和・非戦大国日本はそれらの真似をしてはいけない。
(中国は実は1979年にベトナムに出兵して敗退して以降、大きな対外戦争をしていない。国内問題や南シナ海などの問題はあるが。このへんも客観的に見ておかなければならない。ちなみに、日本は1945年以降戦争をしていない。当たり前である。)
*非暴力で頑張った人:トルストイ(日露戦争に反対)、内村鑑三(日露戦争に反対)、ガンディー(イギリスから独立)、キング牧師(公民権運動で黒人の解放に尽力)、マザー・テレサ(インドの貧しいエリアで人びとに奉仕)、中村哲(アフガニスタンで水路を作り人びとに奉仕)、日本人1億3千万人(平和を80年続けている、もっと続ける、世界に平和を広げる)
*気になる記事 社民党の福島さんが「戦争準備内閣だ」と批判した。ら、「マジでそれは言い過ぎ」などの批判が続出した、という記事。この記事は、気になる。
私は社民党員でも支持者でもない(「支持政党なし」です)が、護憲派ではある。そういう私の目から見て、①福島さんの言っていることは正鵠(読めますか?)を得ている。②それに対する批判続出というのが、わけがわからない。
① 国民の暮らし(地方の上下水道・医療・福祉・消防などなどのインフラ整備等も含む)を後回しにして防衛予算を上げ、日米同盟(昔は「安保」と言ったのだが、いつから誰が「同盟」と言い出したのか?)を強化すると言い、憲法改正(改悪だが・・「正」の反対語が「邪」なら「改邪」、「正」の反対語が「誤:なら「改誤」と言うべきか?)を言い、靖国は平和の神社などと勉強不足を露呈し、教育勅語(日本人自身が国会で排除・失効を決定した。そもそも後期水戸学という偏った思想の産物。)を好み(個人的に好むのは思想の自由だが公人としてそれを教育界に押しつけるのは憲法・教育基本法・各種法令に違反している)、スパイ防止法に熱心で、困っている国民への給付金は実施しないと早々と宣言する、維新とは社会保障を削る方向で早々と合意する(生活困窮者が増える)、すると、東アジア有事などで自衛隊(自衛軍)が出動し自衛隊員が死ぬ、隊員が不足しているので経済的徴兵制で貧しい人(貧しい人が増える)を動員する、さらなる不足分は法律を変えて本当の徴兵制にする、そういう準備をしているように見えます。非常に危なっかしい。福島さんの言っていることは合っている、と思います。違いますか? ちがっていたら嬉しいんですけど。誰が首相でもいいが平和で自由な暮らしを守るだけはして欲しい。それを壊す人は誰であってもダメです。戦前の歴史を勉強していたら(修正主義で夜郎自大な大東亜戦争肯定論に陥るのではなく、きちんと勉強していたら)誰でも分かる話です。あのころは帝国憲法(問題があったが、憲法ではあった)を守らずに護憲派を弾圧して軍国主義へと暴走しましたよね。
② であるのに、たちまち福島批判の声が上がったかのように書くネット記事は、偏っていますね。どこの会社が誰からお金を貰ってそういう記事を書いているのでしょうか。または、本当にそういう批判の声が大量に寄せられているとしたら、一体誰がそういう批判の声を寄せるのでしょうか? 軍需産業で稼いでいる人、軍需産業からお金を貰って書いている人、あるいはロマンチストで観念的な軍国主義者の方がたが、書き散らしては機械で大量拡散しているのでしょうか? ちょっと前のアベ政権時代を思い出します。あるいは、どこかの全体主義国家のやりくち。くわばらくわばら。石破政権の時はその不安を感じませんでした。石破さんは良識ある方で、生活困窮者へのケアはいつも言っておられました。自民党の中の良識派に頑張って貰いたいですね。高市さんが真に日本国民の幸せを願うよきリーダーをめざすなら、自重・自制をしていただかねばなりません。そうそう、睡眠はとってください。睡眠不足だと身心が病んで、誤った判断をしてしまう危険性があります。それで国民を不幸にしてはいけませんから。国民のために寝て下さい。 R7.10.24
*維新の人と高市さんが吉田松陰で話を通じているようなニュースがあったので付言しておく。
吉田松陰は、実は捉え方によっていくつかの面があり、時代によってそれぞれの面が都合よく利用されてきた。
① 教育者としての面・・山口県では教育者・吉田松陰の像を宣伝している。無難だからだろう。
② 革命家・過激派としての面・・過激な革命家としての面に感情移入する人もいる。だが、この面は、帝国の体制にとっても、戦後日本の体制にとっても、実は危険で、都合が悪いので、しばしばフタがされる。吉田松陰は国法を破って海外渡航をしようとした、政府高官を暗殺しようとした(本人の言によれば。諸説ある)、その弟子・仲間からは武力蜂起・反政府武装闘争の党派が出た。久坂玄瑞(くさかげんずい)は何と御所に大砲を撃ち込んだ。松下村塾の連中は、山口で武力クーデターをし、さらに日本で武力クーデターをした。武力クーデターは、体制(政権)にとって、都合が悪いのでは?
③ 尊皇攘夷運動の思想家としての面・・明治政府にとっては、尊皇はよいが、攘夷はまずい。攘夷は、排外主義だ。
維新の会と高市さんは、吉田松陰で話を通じさせているようだが、どうなのだろうか。吉田松陰のどの面を見て言っているのだろうか?
言っておくが、孔子の思想に比べて、孟子の思想は、戦後時代という論争の時代に出てきた思想で、論争用に過激化・極端化しているとは、中国哲学史の専門家なら誰でも知っていることだ。孔子が見たら「アレ?」と言うような内容も実はあるのだ。(一例だが、孔子は「仁義」と併称してはいないが、孟子は「仁義」と併称した。)荀子から見たら、孟子は完全に間違っている、となる。しかし、そのことを忘れ、孟子を正統としたのが朱子学や陽明学で、吉田松陰はその流れの中にある。吉田松陰は、孔子から見ると、おかしなことを随分言っているのだ。松陰びいきの人はイヤかもしれないが、事実だ。孔子の言葉を丁寧に拾ってみたら、孔子には「尊王」はある(「尊皇」ではない)が、「攘夷」はないのでは? よくよく読んでみてください。 →私のブログのテーマ「歴史」の「尊王」「攘夷」参照。
「尊王」は「斥覇(せきは)」でもあり、王道政治(徳による政治)を行い、覇道政治(強権による政治)をしりぞける。 「尊王」と「尊皇」は意味が違う。(ヤホー知恵袋で誰かが同じ意味のように書いていたが、困ったことだ。そういうのを信用しないように。)
ついでだが、吉田松陰『講孟箚記(こうもうさっき)』(幕末)では、「文王が至誠でもって老人を養った、ゆえに太公望呂尚が動いて興起した」「文王には下心がなかった」とする。①高齢者を大事にすべきだ、そういう政治家にこそ天下を任せる、また、②ほかの人を利用して自分が権力を握ってやろうとの下心があってはならない、というメッセージが書いてありますよね? 高市さん、吉村さん、藤田さん、どうですか?
*長くなったので、以下を別のページ(テーマ「ブログ」)に再掲した上で加筆修正します。R7.10.26記す
*10月24日(金)の高市首相の所信表明演説について、読売新聞R7.10.25(土)のニュースによると、
・連立の維新の会の吉村代表(大阪府知事)は、社会保障改革や副首都構想への言及を評価。
・自民の鈴木幹事長は、物価高対策を含む経済政策への言及を評価。
・立憲民主党の野田代表は、ガソリン税の暫定税率廃止について、先送りと後退だと批判。
・国民民主党の玉木代表は、物価高対策が具体的でないと批判。
・参政党の神谷代表も、プライマリーバランス(国と地方の基礎的財政収支)に配慮し、思い切った政策にならないのではないか、と批判。
・立憲の野田代表は、『政治とカネ』の問題にケジメがついていない、と批判。
・公明党の斉藤代表も「政治改革について一言もなかったことにびっくりした。・・」と批判。さらに、首相が政権の方針と違う角度から議論する姿勢が弱いとして、「独裁ではないか」と批判。
・共産党、れいわ新選組、社会民主党、保守党、N党などのコメントはこのニュースには載っていなかった。
*朝日新聞10月15日(土)の31面によれば、
・(社)日本若者協議会の秀島理事は「若者や子どもに関わる長期的な課題についてももっと話してほしかった」とした。 R7.10.25
・有田芳生氏(立憲)は「30分の演説で『検討』という表現が7回」と紹介。・・「経済財政については『経済あっての財政』が基本だという。『強い経済』という意味なのだろうが、その『強い』も『責任ある積極財政』の『責任』も意味不明の曖昧な言葉が空虚に並ぶ」と言った。(日刊スポーツR7.10.26) R7.10.26
*首相所信表明演説(新聞掲載)を読みながら・・
・コメの自給率を上げる、と書いていないな。輸出して稼げる農業より、国民に腹一杯食わせる農業が大事なのだが? 食糧自給と食糧安全保障とは違う。前者の方がより安全なのは誰でも知っている。後者は外国依存だからね。前政権で自給率を上げると言っていたのは、どこへ行ったのか? 「国家・国民のため」であるならば、「決して諦め」て欲しくないおのです、高市さん。
・エネルギーについては、「原発は重要」「次世代革新炉やフュージョンエネルギー」と書いているが、つまり原発再稼働・推進ということか。危険だ・・・そこが狙われたらどうする? 原発以外の再エネの技術革新を進めないのか? 核のゴミの最終処分についても何の言及もない。高市さんのご自宅に庭に埋めるのだろうか・・
・年金生活者や働けない人へのケアの言及が弱い。高齢年金生活者や専業主婦(夫)や年収のために働いていない人・働けない人も、実は家庭内や地域でタダで(それどころか、持ち出し)仕事をして社会に貢献している。「私、賃収入のための仕事がありますから」という人が逃げて、やってくれない仕事を、沢山引き受けてやっている。高市さんのご家庭を存じあげないが、ご両親や夫のご両親の介護はなさらないのか? 地域の放置竹林や空家の世話は? 都会の大金持ちはそれを特養ホームなどに丸投げしているかも知れない(それが「孝」かどうかも、話は簡単ではない)が、そうではない家庭は・・
・予防医療への注目はいいのだが実は予防医療の最大の基本は睡眠と食事だ。働き過ぎで睡眠不足になると身心にガタがくる。食事も、外食産業をもうけさせる政策だと、気がつくと味の濃い食事+宴会で酒の飲みすぎ、になる傾向がある。それを抑え節制する、味を薄くし節制する、酒は飲まない、菜食中心でバリエーションの食事を取る(お金がかかる、低所得者はどうする?)、これが予防医療の基本だ。そこまで考えているのだろうか? 「皆が元気で活躍し」まではよいが、「社会保障の担い手となっていただけるように」は無理だ。家庭内や地域でタダで働いているのだから、所得のある仕事は出来ない。急速なIT化にもついていけない。無理な仕事をしてケガや病気をするとかえってよくない。(高齢者が無理矢理高い木の剪定をしようとして落下し首の骨を折って入院とか。北海道なら雪下ろしでそういうことがあると聞く。言っておくが、教育勅語的な教育を受けた人ほどまじめに何でも無理に自分で引き受けて奉仕しようとして、ケガをするのだ。残酷でイタイ話だ。真面目で責任感のある人ががひどい目に遭う。利己主義者はのうのうと生活する。これはもはや、諸問題が個人の努力では解決できないということだ。つまり自助・共助では無理で、公助でやる(行政がやる)しかないということだ。しかも地方自治体は予算がない。おわかりですかな?)この点について、高市さんも吉村さんも、生活者としての実感をお持ちでないのでは? 都会でバリバリ稼ぎ、何でも金で人を雇ってやらせている人の限界かもしれない。石破さんにはこの眼差し(弱者へのいたわり)はありましたよ。高市さんの選挙区に帰ったら、奈良の田舎にはそういう人も沢山おられるのではないか(高市さんは畝傍高校(エリート進学校)ですか。公立の小中学校にはいろんな家庭の友人がおられるはずでしょう)と思いますが・・? みんな国民で有権者です、人間です。リーダーは気がついて「国民のために」努力すべきです。
・外交・安全保障について、ロシアのウクライナ侵攻はダメ、と言ったのはよいが、イスラエルのガザ虐殺やヨルダン川西岸地区での行為はダメ、と言えていない。ご存じないはずがなかろうが・・?
・「衆と共に論ずる」と結んだのはよい。是非そうして欲しい。官邸独裁は不可。野党の意見も聞く耳を持つ。私もまた国民・有権者の一人だ。
孔子は言った「仁者は、己れ立たんと欲して人を立て、己れ達せんと欲して人を達す」と。(雍也第六28)
・・・高市さんは日本の伝統が分かっておられないかも・・・?
・・・保守本流でないことと関係があるかも?
また孔子は言った「君子は人の美を成し、人の悪を成さず。小人は是に反す」と。
さて、高市さんは君子か小人か。
*私見だが、近い将来(今の若者が中年になったとき)日本の人口は8千万人台になる。これは人口問題を論ずる人がすでに言っている。GDP総量は今の13分の8~9になる。(その後は6千万人になると私は直感している。本当はそれで困りはしない。ドイツやフランスやイギリスの人口を見るとよい。)
GDP総量の規模を維持するべく移民を大量に(3千万人規模)入れるためには日本語教育(または日本人に対するインドネシア語・ベトナム語教育)をはじめ大変なコストがかかる。イスラム教徒と(私はムスリムに一定以上の敬意を持っているので仲良く出来るが)みなさんは仲良く出来るか?
高齢者に働いてもらうには、IT技術などのリスキリングが必要だが、多くの人はついていけない。肉体を使った簡単な仕事の場合ケガや病気の原因になり、皆さんの好きな医療コストが一気に増大する。また現在高齢者や専業主婦が支えているタダの仕事(地域の仕事や超高齢者の世話など)を誰が担うのか? 日本人全体のGDPは縮小するしかない。
但しひとりあたりGDPは大きくすることができる。その際有効とされるIT化だが、一部の金持ちや大会社だけがその果実を占有したなら日本国民は完全に分断され、社会の安全は保障できない。ITの果実を万人がタダで享受できるようにすればいいだろう。かつ、高齢者や障がい者も含めて万人に使いやすいものにしないといけない。(駅やデパートの動く歩道やエスカレーターがタダで乗れるのと同様。その方が全体にメリットがある。) また、技術革新のためにはみんなが勉強しないといけない。どんな勉強か、は一考が必要だが、物理の苦手な人(私もそうだが)の多くダンスばかりしている人が多い状態で、科学技術の革新は進むのだろうか? イスラエルやフィンランドの国民はかなり勉強している。 「国力とは学力」かもしれないのだ。 (言うまでもなく、イスラエルがガザで虐殺してきたことはけしからん。何のための科学技術・学力か? を問うべきだ。また、フィンランドは、まずもって豊かで安心できる国の筆頭格とされる。先般フィンランドをディする番組を民放がやっていたが、それでも全体としてはフィンランドはやはり安心して暮らせる社会だ。日本は少し前まで自殺大国で毎年3万人の自死者が10年間続いたことを忘れてはいけない。新自由主義・過酷な競争・成果主義のせいだ。)
とりあえずここまで。もっと情報が入れば修正・加筆します。R7.10.26