James Setouchi

 

東大京大生なら1~2年生のうちに最低限これくらい読もうぜ、という本

(世界史、日本史、倫理)

 

1 世界史をあまりやっていない人は

 

シュリーマン『古代への情熱』トロヤ発掘

橋場 弦(はしばゆずる)『民主主義の源流』講談社学術文庫 古代ギリシア

橋場 弦『古代ギリシアの民主政』岩波新書 古代ギリシア

橋場・桜井他『古代オリンピック』岩波新書

荒井章三『ユダヤ教の誕生』講談社学術文庫

加藤 隆『歴史の中の「新約聖書」』ちくま新書、山形孝夫『治癒神イエスの誕生』ちくま学芸文庫

弓削 達(ゆげとおる)『ローマはなぜ滅んだか』講談社現代新書 古代ローマ

辻 邦生(つじくにお)『背教者ユリアヌス』(小説)ローマ皇帝、ササン朝ペルシアと戦う

ベンジャミン・フランンクリン『フランクリン自伝』(自伝)アメリカ独立のころ

トルストイ『戦争と平和』(小説)ナポレオン戦争におけるロシア

ユゴー『レ・ミゼラブル』(小説)ナポレオン戦争よりあと、1830年代まで。パリ。

スタンダール『パルムの僧院』(小説)ナポレオン戦争より後、ウィーン体制下イタリア。

バルザック『ゴリオ爺さん』(小説)19世紀フランス。

ゾラ『居酒屋』(小説)19世紀フランス

メルヴィル『白鯨』(小説)アメリカの捕鯨船が世界を周航していたのがよくわかる。

マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』(小説)アメリカ、南北戦争・・南部の感じがよくわかる

フォークナー『アブサロム、アブサロム!』(小説)アメリカ、南北戦争後

ドストエフスキー『罪と罰』(小説)ロシア、農奴解放後。舞台はペテルブルク。

レマルク『西部戦線異状なし』(小説)ドイツ、第1次大戦のドイツ・フランスの膠着戦。

ショーロホフ『閑かなドン』(小説)ロシア・ソ連。第1次大戦、ロシア革命、赤軍対白軍、ドン・コサックの反乱を描く。超巨編なので、すぐには読めない。

スタインベック『怒りのぶどう』(小説)アメリカ、ニューディール政策下

ノーマン・メイラー『裸者と死者』(小説)アメリカ、太平洋戦争

ティム・オブライエン『ほんとうの戦争の話をしよう』(小説)、ベトナム戦争

マーク・アロンソン&マリナ・ブドーズ『キャパとゲルダ』スペイン内戦。

ヴォーンダ・ミショー・ネルソン『ハーレムの闘う本屋 ルイス・ミショーの生涯』

森本あんり『キリスト教でたどるアメリカ史』角川ソフィア文庫

栗原 康『サボる哲学 労働の未来から逃散せよ』NHK出版新書:海賊船や黒人奴隷を逃がす話も出てくる。

 

加地伸行『孔子 時をこえて新しく』集英社文庫 中国春秋時代

宮城谷昌光(みやぎたにまさみつ)『重耳(ちょうじ)』(小説)中国春秋時代、晋の文公。『孟嘗君(もうしょうくん)』(小説)中国戦国時代。『奇貨居(お)くべし』(小説)中国戦国時代、呂不韋。

陳 舜臣(ちんしゅんしん)『耶律楚材(やりつそざい)』(小説)中国モンゴル時代

陳 舜臣『阿片戦争』(小説)中国、清朝末期、阿片戦争ころ

陳 舜臣『小説 日清戦争』(小説)朝鮮半島、中国、日本

浅田次郎『蒼穹(そうきゅう)の昴(すばる)』『中原の虹』『天子蒙塵』(小説)中国、清朝末期~満州帝国

 

小杉 泰『イスラームとは何か』講談社現代新書

勝俣 誠『新・現代アフリカ入門』岩波新書

・・イスラムとアフリカは明らかに弱い。ごめんなさい。

 

 

2 日本史をあまりやっていない人は

 

吉田 孝『「日本」の誕生』岩波新書 古代

田辺聖子『文車日記(ふぐるまにっき)』平安文学にも多く言及、大塚ひかり『カラダで感じる源氏物語』

本郷和人『謎とき平清盛』文春新書、『なぜ武士は生まれたのか』文春文庫

天台座主慈円『愚管抄』

今村翔吾『海を破る者』(小説)元寇と河野水軍

城山三郎『秀吉と武吉』(小説)秀吉と村上海賊、渡辺京二『日本近世の起源』洋泉社新書 戦国

大久保彦左衛門『三河物語』ちくま学芸文庫、家康など。戦国~江戸初め

古川愛哲『教科書には載らない日本史の秘密』祥伝社新書 氷河期~幕末

菅野覚明(かんのかくみょう)『武士道の逆襲』講談社現代新書

 

司馬遼太郎『菜の花の沖』(小説)江戸末期、北方蝦夷地

子母澤寛(しもざわひろし)『父子鷹(おやこだか)』(小説)幕末、勝小吉と麟太郎

司馬遼太郎『世に棲(す)む日々』(小説)幕末、松下村塾の松陰や高杉ほか。  

     『峠』(小説)長岡藩

     『翔ぶが如く』(小説)西南戦争。・・・ま、小説ですけどね。

陳舜臣『小説 日清戦争』(小説)日清戦争、

司馬遼太郎『坂の上の雲』(小説)日露戦争

原田伊織・森田健司『明治維新 司馬史観という過ち』(悟空出版)

 

*言うまでもないが、歴史小説は歴史の正しい認識・描出とは言えない。司馬史観はいかに人気があっても、歴史を正しく認識・描出しているとは言えない。司馬史観は実はかなりイデオロギッシュだ。小説(物語)は、事実そのものとは言えないが、人間的真実を描き出して、人々に感銘を与え、人々を突き動かすことがある。だから素晴らしいとも言えるが危険だとも言える。『史記』『平家』などすべてそうだ。

 

北村透谷『北村透谷全集』・・日清戦争以前に日本平和会を作った。

内村鑑三『代表的日本人』西郷、鷹山、尊徳、藤樹、日蓮

新渡戸稲造(にとべいなぞう)『武士道』明治武士道

大内信也『帝国主義にNOと言った軍人 水野広徳』雄山閣

南京事件調査研究会『南京大虐殺否定論13のウソ』柏書房

ノーマン・メイラー『裸者と死者』(小説)日米戦

大岡昇平『レイテ戦記』太平洋戦争、レイテ島の兵士の記録

今日出海『山中放浪』(小説)自伝的小説。ルソン島をさまよう

阿利莫二『ルソン戦―死の谷』岩波新書

沖縄タイムス社『鉄の暴風』、小林照幸『ひめゆり』、曽野綾子『生贄の島』沖縄戦。

城山三郎『指揮官たちの特攻』カミカゼの関行雄と終戦時の中津留。

鴻上尚史『不死身の特攻兵』

裴淵弘『朝鮮人特攻兵』新潮新書

高史明『生きることの意味』

帚木蓬生『三たびの海峡』(小説)

藤原てい『流れる星は生きている』(小説)第2次大戦、満州からの逃亡

高杉一郎『極光のもとで』シベリア抑留

吉田 裕『アジア・太平洋戦争』岩波新書、半藤一利『昭和史』

吉田 裕『日本軍兵士』岩波新書・・必読

田中彰『小国主義』岩波新書

安岡章太郎『僕の昭和史』自伝的エッセイ

島田裕巳『教養としての日本宗教事件史』河出ブックス

 

 

 

3 倫理をあまりやっていない人のための読書案内

 

荒井章三『ユダヤ教の誕生』講談社学術文庫

フロイト『モーセと一神教』光文社文庫

藤沢令夫『ギリシア哲学と現代』

プラトン『饗宴(シンポジア)』『ソクラテスの弁明』『クリトン』

マルクス・アウレリウス・アントニヌス『自省録』

加藤 隆『歴史の中の「新約聖書」』ちくま新書

稲垣久和『神の国と世界の回復』教文館・・すごい、と思った。

トマス・モア『ユートピア』・・・これ、面白いです。

デカルト『方法序説』

カント『永遠平和のために』

ショーペンハウエル『読書について』

ヤスパース『哲学入門』

ヒルティ『眠られぬ夜のために』『幸福論』

サルトル『実存主義とは何か』

ブーバー『我と汝』

岩田靖夫『いま哲学とは何か』・・東北大の先生でした。

内田 樹(たつる)『寝ながら学べる構造主義』・・これから入るとよい。

ロールズ『公正としての正義』

マイケル・サンデル『これからの「正義」の話をしよう』

斎藤幸平『人新世の『資本論』』

 

島田裕巳『「日本人の神」入門 神道の歴史を読み解く』講談社現代新書

空海『三教指帰(さんごうしいき)』

法然『選択本願念仏集』、聖覚『唯信鈔』、唯円『歎異抄』

栄西『興禅護国論』、懐奘『正法眼蔵随聞記』、

日蓮『立正安国論』

世阿弥『井筒』『敦盛』などの謡曲

山本定朝・田代陣基『葉隠(はがくれ)』

高坂弾正・小幡景憲『甲陽軍艦』

伊藤仁斎『童子問』 井原西鶴『男色大鑑』

佐藤一斎『言志録』 大塩中斎『洗心洞劄記(さっき)』

吉田松陰『講孟余話(劄記)』

内村鑑三『代表的日本人』『余は如何(いか)にして基督教徒となりし乎(か)』『基督教問答』『デンマルク国の話』『後世への最大遺物』

新渡戸稲造『武士道』

渋沢栄一『論語と算盤』

福沢諭吉『福翁自伝』

和辻哲郎『古寺巡礼』、『人間の学としての倫理学』

三木清『人生論ノート』

ルース・ベネディクト『菊と刀』

柳田国男『遠野物語』『先祖の話』『日本の祭』『海上の道』

坂口安吾『日本文化私観』『堕落論』『続堕落論』

加藤周一『雑種文化』

今道友信『美について』『愛について』

相良 亨(さがらとおる)『誠実と日本人』

菅野覚明『武士道の逆襲』

大江健三郎『あいまいな日本の私』岩波新書

 

カーラ・パワー『「コーラン」には本当は何が書かれていたか』

内藤正典『イスラム―癒しの知恵』集英社新書

中田考『俺の妹がカリフなわけがない』(ラノベ)・・あの中田考先生である。

 

『旧約聖書』『新約聖書』

『論語』『孟子』『荀子』『老子』『荘子』

『コーラン』+入手できれば『ハディース』

『古事記』『日本書紀』・・批判的に読まないといけない。

各種仏典 『ダンマパダ』『スッタ・ニパータ』『大般涅槃経』『法華経』(『正しい教えの白蓮』)、『無量寿経』『観無量寿経』などなど

なども入手して注釈付きで読んでみるとよい。

 

R6.8.21追加・修正しました。随時追加・修正していくかもしれません。

R7.5.7追加