相場英雄 「心眼」(実業之日本社文庫)

 

毎日、何万人もの様々な人々が行き交う大都会の街頭に・路傍に・片隅に立ちすくみ周囲に視線を張り巡らせる者がいた・・・

指名手配犯の顔写真を記憶に刻み付け、群衆の中から、たった一人の犯罪者を見つけ出す「見当たり班」ソコの若手刑事・片桐は焦っていたアセアセ 

ナニしろ就任以来ナンの成果も挙げていないからだが、班の主任でありながらミーテイングにも参加せず、出退自由を許されているベテランの稲本は、何故か星を挙げ続けている

その秘訣を知ろうと接近を図るが・・・そんな折、新しく警視庁捜査1課長となった大林は、アナログな手法を辞め、防犯カメラなどによるデジタル捜査を推し進めようとするッ

急激に発達し精度を高めつつあるデジタルと、人間の脳の不思議に賭ける相反する姿を描いた警察小説

 

 

相場もココでは何度も取り上げている「お気に」な作家の一人で、メインジャンルとしては現代の社会問題に根差したミステリサスペンスものなのだが、他にもライトなタッチで描いたエンタメものもあれば、政治ものなどもあり、単純に一括りには出来ない現代的な作家

で今作は、中編3つを収めた連作警察小説で、主人公は念願叶っての本庁捜1に来たものの、本道ではない「見当たり班」への異動であった

都会の雑踏(主に新宿)に立ち、往きすぎる人々を眺めながらその中に紛れ込んでいる・・・かもしれない??「全国指名手配犯」をPick Upするのが仕事 海外では「Spotter」と呼ばれている職種だ

ナカナカ・・・というか、全く成果を挙げていない片桐はるが、班の中でも異色な刑事・稲本は唯我独尊でいとも簡単に大金星を挙げるコトに驚き、彼について調べようとするが・・・

という、2つのストーリーが交差しながら進んでいく

独自で独特な稲本に興味を惹かれ、操作方法を知ろうと苦労するが、そ~じゃ楽に手の内を明かしてくれる相手ではないし、肝心の見当たり捜査でも結果が出せずに苦悩していると、新任の捜1課長が「見当たり班の見直し」提唱し、1課長の大林と過去の因縁を引きずる稲本と班長の川勝は、対抗する為に更なる大物の逮捕に執念を燃やすッ炎

とメインストーリーの警察捜査に+@する形で警察内部の軋轢についてもが描かれ、ストーリーを盛り上げてくれる

謂わば二重の楽しみが味わえる作品と言えるラブラブ

ただ、最後のEdのエピについては若干の不足があるかなぁ~タラーと言う感じがして、今作はコレで一応終わりの様であるが、是非ともシリーズ化して楽しませてほしいし、上司上部との因縁とのケリを付ける展開・瞬間を味合わせて欲しいトコである飛び出すハート

 

 

森村誠一 「終列車」(角川文庫)

 

新宿駅発の最終列車・急行「アルプス号」運命の物語の全てはココから始まった

浮気旅行とシャレこんだ赤阪だったが、肝心の浮気相手の延子は現れず、偶然隣り合った美女・美那子と一夜を共にする

が帰京すると、延子が何者かに殺害され、続いてアヴァンチュールを愉しんだ美那子も殺害されてしまうッ煽り

一方、敵対する暴力団の黒幕の襲撃に失敗した北浦は、アルプス号で知り合った弘子という女性と上高地へと逃亡する・・・

二組の偶然出会った男女の、皮肉で過酷な運命に翻弄される姿を描く傑作ミステリ

 

本作は’91の光文社文庫を底本しており、角川ではH13に文庫化されたシリーズの2作目

というのも、新宿駅を中心として新宿署の刑事・牛尾がメイン探偵を務め、相棒として若手の大上がコンビとなって捜査をする作品である

ベテランの牛尾は朴訥とした風貌だが、丁寧丹念な捜査に定評があり、小さな矛盾やミスも見逃さない優れ者である

が、息子を事故で亡くし自身の鉄道事故により隻腕となるなど、悲しい過去を背負っている

一方、コンビの大上は若手らしく血気盛んで寸暇を惜しまず捜査に邁進する頼もしい存在

そんな凸凹な二人が、様々な年齢性別人種が行き交う新宿を舞台に活躍するメラメラ

で今作では、森村お得意の「偶然の出会いがもたらした災禍」から始まるマルチストーリーもので、二組の偶然出会ったカップルが事件に巻き込まれ、何時しか容疑者となって怪しまれてしまい・・・

というモノで、意外な犯人・トリックが本人達が知らない内に行われており・・・

という展開は森村では御馴染みな手法であり、ある種安心して謎と運命を楽しみコトが出来るのだが、一方でミステリを安心に楽しむってのもど~なんだとの思いもあったりする

長年楽しみ・馴染み・連れ添って(愛)きたファンならではの想いというのもあったりするのである作品・そんな思いをする時期の作品の1つである

何せ、コノ時点でファン歴30年近くになっているものですからねぇ~・・・ウインク

 

今回の「関連キーワード」として≪新宿モノ≫というコトで森村のコチラを挙げてみた

相場の他作も関連で結構挙げてきたので、チョッと変化を付けた・って感じでありますワニコニコ