S・A・コスビー 「すべての罪は血を流す」(ハーパーBooks)

 

南部のヴァージニア州の高校で起きた黒人青年による教師銃撃事件は、結果、白人保安官補に射殺されて幕を閉じたのだが・・・本当の事件はコレからだった!?

地区の黒人保安官・タイタスは、元FBI捜査官と言うキャリアの持ち主で、残された証拠と数々の疑問から捜査を開始する

最期、犯人のラトレルが遺した奇妙な言葉「先生の携帯を見ろッ」から、長年教職を務め生徒からもPTAからも、そして街の中からも評価が高かった被害者の裏の・しかし本当の姿が映されていたのだったブー

卑猥で下劣な犯行による殺人と、未だ行方も素性も分からない被害者達を救う為にタイタスは奔走するが、未だ絶えぬ人種間の対立が大きな壁となって立ち塞がっていた波

デビュー間もないが数々の賞を獲り、今最も注目と絶賛を浴びている著者渾身のクライムストーリーキラキラ

 

 

本国アメリカでは連続3冠を達成し、日本でも前作で「このミス・海外ミステリ部門」で1位となったコスビーの新作は、王道とも言えるクライムミステリで、舞台は作者の地元であるヴァージニア州となっている

作品内で描かれている様に、未だに人種間対立・差別が裏では当然・表立っても存在している様で、コスビーの作品では一貫してこのテーマが重要視されている

ソノ辺りの感覚は、私達では完全に把握できないし実感できないのだが・・・前の大統領や、多分次の大統領に返り咲いてしまうだろうアノ人や、ソレを熱烈に後押ししている層を考えると、未だに根深く拭えない永遠の課題なのだろう

今作では、では頻繁に発生する銃撃事件と、その陰に潜んでいた憎むべき最下等で嫌悪感しか抱かない犯罪の追及と言うストーリーなのだが、主人公の保安官・タイタスのキャラがグッ

南部の州で黒人ながら選ばれて保安官となり、元FBI捜査官と言うキャリアを活かした捜査・ドコまでも誠実に対応するソノ姿勢・表ざたにはなっていないが抱えるトラウマと過去の罪への贖罪・家族&職場の対立と融和・・・など、多くのテーマと共に物語は進行する

そして遂に明らかになる犯罪と意外な犯人・緊迫感Maxなアクションシーンと、ほんやりする暇を与えてくれない程スピード感があり、500pOverなVolだが、夢中になって惹き込まれてしまったドキドキ

*いや、実は数日前に読了していたのだが、エスパの「勝ち点3」などもあり、少しUpが遅れました

↑に書いた様に、様々な賞を次々と獲り、今最も評価と注目が注がれているだけに次の作品も楽しみでしかないピンク音符

でも、まぁ~少し注文するとすれば、【聖書からの引用】が多すぎて、ブッディスタな日本人には背景とか意味合いなどが理解しずらい・というトコかな

ソノ辺りをも少し配慮してくれれば文句ないんだけどなぁ~

って、そりゃ~無理筋ってモンですかzzz

*いやぁ~「しゃおさん」やっぱり面白かったですワウインク

年末の≪MVB賞≫にノミネートですベル

 

 

ジム・ギャリソン 「JFK ケネディ暗殺犯を追え」(ハヤカワ文庫)

世界初となった衛星中継で、世界中に届けらたニュースは正に衝撃の一言に尽きたッ銃

’63 11月・テキサス州ダラスをオープンカーに夫人と共に乗り、パレード中のケネディ大統領が凶弾に倒れたのだッ十字架

暗殺犯として逮捕されたのは元海兵隊員である、リー・ハーヴェイ・オズワルド

しかし彼もまた、衆人環視の中、射殺されてしまったドクロ

ニューオーリンズの地方検事であったジムは、衝撃に打ちのめされながらも次々と浮かぶ疑問に、遂に調査を開始すると、やがて彼の脳裏に意外な、そして恐るべき『真犯人象』がッ

政府やマスコミによる数々の妨害・闇の勢力による脅迫にも負けず、【正義の国・アメリカ】を信奉し、真相の究明に取り組むのだった

刊行後直ぐに世界中で話題沸騰となった、勇気と真実のドキュメンタリーキラキラ

 

アメリカで’88に・日本での文庫刊行は’92 ↑で一緒に写した映画は’91の作品

事件そのものがアレな為、直ぐにアメリカでは話題沸騰し、すぐさま映画化の話しが決まり、当時バリX2だったケヴィン・コスナーが主演し、ドレもがHitした作品

今でもアメリカ近現代史に於ける最大のミステリだし、一応犯人も逮捕されたのだが、まともな捜査も調書もないまま「口封じ」されたかのように消されてしまった

その後、一応政府の肝入りで調査員会が結成され報告書も完成・公開されは舌がとても納得できるブツではなく、疑問は残り続けている

個人的には「陰謀論」(しかも荒唐無稽なのとかネガーン)とかは好きではないし、憶測に推測を積み重ねただけの様なのは信じないのだが・・・サスガに↑の【ウォーレン員会】が提出した報告書には無理があり、ソレをそのまま信じるコトは出来ないし、多分、ウォーレン本人達も信じてはいなかったと思う

が、当時「世界一」を標榜していたアメリカが、衆人環視でしかも世界中にTV中継されている中で、最高権力者が無惨にも散る姿を世界に晒してしまった為、無理を通してでも筋道を立てるしかなかったのだろう

そ~した数々の「無理」を否定し、真実を追求しようと奮闘する一地方検事の姿勢が描かれており、ドキュメントの為ソノ迫真性は読んでいて興奮させられたモノだったDASH!

 

上の写真のは、取り扱いが雑だった為コンディションは酷いコトになってしまった汗うさぎ

映画の方は、最初はレンタルビデオで借りて、後にDVDを購入した