本橋信弘 「歌舞伎町アンダーグラウンド」(新潮文庫)

 

東京都庁の高層ビル群が立ち並ぶ新宿・・・ソコにあるコノ町の名前を知らない人はいないではないだろうか

暗黒街として悪名が蔓延り、アンダーグラウンドな人達が闇に蠢き、様々な被害にあった一般人も多い一方、一時の快楽に身を任せ憂さを晴らそうとする者もいる

多数の犠牲者を出したビル火災事件に興味を持ち、自ら町に飛び込み取材を続けた著者は、その後も留まり、様々な人生の浮き沈みを体験してきた人種に体当たりをする

「日本、いや、東洋一の歓楽街にして暗黒街」の異名を取る新宿歌舞伎町の表裏を炙り出した渾身のルポ

 

 

「元ぼったくりの帝王」「煌びやかに夜の街を彩る人気キャバ嬢の生態」「生き馬の目を抜く生存競争の中を逞しく駆け抜けるホストの闇と栄光」「暗黒街を牛耳る闇社会のヤクザ勢力図」・・・などなど、一般人が想像する「歌舞伎町」と言う住人たちにインタビューし、一緒に体験し、塗れながら聴き知ったコトをつぶさに描いたルポで、多分、ココの表では書けない体験もたくさんしたと思うが・・・

縁のない、本当の「他所でのコトの他人事」なだけに、そ~した世界に興味を惹かれるし、実際に500Pを超えるVolながら、充分に楽しみながら読了出来た

ソレは以前にUpした彼の『AV業界』をルポしたのがあり、ソチラも同様に堪能出来た

基本、本性が「ビビり」な私は、イメージが先行しているコトもあるし、また上京していた時も大学や住処が新宿とは縁がなかったので、実際に歌舞伎町へ足を踏み入れたコトがない

*尤も、配管工のバイトをしていたので、昼間の明るい時間帯には仕事で立ち入ったコトはある

誰も実際に怖い目には合いたくはないが、そ~した世界を覗いて観たいという気持ちはあると思うので、そ~した疑似体験をするには持ってこいの1冊であった

また本橋には「渋谷円山町」や「上野」を題材にしたルポがあるので、ソチラにも興味深々だったりするのだが・・・読む機会があるかなぁ~

 

 

我妻博勝 「新宿歌舞伎町 マフィアが棲む街」(文春文庫)

 

眼の前のテーブルにいきなり突き立てられたナイフやドス

冷たく黒く光る●い銃口が、自分の眉間を狙っている

寿命を縮めながらも単身闇の世界に突入し、警視庁すらも掴んでいなかった情報や闇を描きだし震撼させた、渾身のノワールハードボイルドなルポ

あらゆるジャンルのドラッグを扱う密売人(当たり前だが日本では「公式な売人」は存在しない)や無国籍な売春クラブ・コレまたあらゆるジャンルの道具を揃えてくれる武器商人(当たり前だが・・・以下同文)

中国・コロンビア・イランなどの闇の住人を追い、纏わりつき、決して表には浮かばない世界を抉りぬいた傑作

 

本書は’94の単行本から、’98に文庫化されたモノで、↑のは刊行1が月後の2刷目のモノ

解説は馳星周が書いているが、彼も長いコト、歌舞伎町の住民の一人であった

モチロン、実際にノワール・闇の・悪の世界に身を置いていた訳ではなく、冒険小説界の大柱の一人であった内藤陳さんのトコにおり、本名で解説書を書いたりして過ごし、遂には独り立ちし人気作を仕上げ、直木賞を獲るまでの存在となった人物

なので解説にはうってつけの一人であり、微に入り細を穿つ様な文章を寄せている

↑の本橋のが、MikdなMilk入りのエカフェ的な内容であるとすれば(モチロン、否定的な意味でないですよ)。コチラの我妻の方は濃いィ~Blackなエスプレッソを更に煮詰めた感じの味わいであり、かなりDeep&Hardな内容・世界であった

 

まぁ~今となっては、多分、も~立ち寄るコトも近づくコトもないトコであるだろうから、こ~して好きな本で味わえだけで充分だなぁ~