学問ノススメ~37歳からの運転免許・その7~ | 谷口礼子オフィシャルブログ「じゃこのおもしろいこと」
普通自動車の免許を受けるためのまず最初の関門は、仮免試験です。
仮免許を受けないと路上での運転の練習ができないので、教習所内のコースで試験を受けるのです。(免許を持っている多くの方はご存知かと思いますが、わたしは免許を取ったことがなくて知らなかったので念のため説明します。)

マニュアルの仮免試験までの教習日数は、合宿だとオートマより2日だけ長いです。
後から考えれば、この仮免試験が、最初にして最難関でした。

だって、まだ乗り始めて一週間そこらのクルマで、S字カーブや、クランクと呼ばれる直角の道路を、クラッチを断続的に繋いだり切ったりしながら、ハンドルをいっぱいに切って通り抜けなければいけないのです。
ちなみに、マニュアル車を運転する時によく聞く「坂道発進に失敗」というのは、実はわたしは一度もありませんでした。何故だかわかりませんが、坂道発進はできる、のですが、坂道を越えた下りでスピードをコントロールできなくて、恐ろしい急ブレーキで止まるので、教官がいつも前後にブンブン揺れていました。申し訳ない……!
難しかったのは、合図(ウインカー)の手順。マニュアル車の操作をしながら周囲確認して、合図を出して、寄せてから曲がる、というのが、慣れていない上に、狭い教習所のコース内では忙しくて。

当たり前のようにクルマを運転している世の中の方をどれほど尊敬したかわかりません。

そもそも家にクルマがなく、クルマの一番前の席に座ることがあまりなかったためか、右折しようとすると反対車線を目指してしまいます。怖すぎる怖すぎる!

教官は毎授業、違う方でしたけれど、それぞれの教え方に個性があって、わからなかったことが次の方に聞いてみたら解決したり…と、バリエーションがあることで助かったことも多かったです!

例のS字の練習も、
「ボンネットの先ばかり見てないで、行きたい目標をまず見る!そしてそこに合わせていく!
なんて、熱血指導を受けましたが、
これだってなんか人生の指導みたいじゃないですか!?

くじゃぐじゃ言い訳してないで、行きたい目標をまず見て、そこに合わせていくことが、わたしはできているのか?と、クルマだけじゃなくて広い意味で、人生を考え直してしまうわたしでした。

ちなみに、S字カーブでは脱輪してばかりでしたが、宿舎で一緒の先輩から、「YouTubeで動画を見るといいですよ」と聞き、探してみると、ためになる動画がたくさんありました。
おまけに教官まで「今日はここまで。あとは帰って動画とかも見て復習してね」という方もいらしたので、ここは現代の技術にフルにお世話になりました。

宿舎に帰ると、ノートに、運転の手順を書き出します。呪いの呪文のように、
「ミラー、ミラー、合図、1.2.3…目視!」とぶつぶつ言って首を振り、
「止まったらロー!止まったらロー!」
「止まりたい時はクラッチ!止まりたい時はクラッチ!」と唱えました。
恐ろしい光景です。

学生さんの合宿生は、友達同士で卓球をしたりカラオケをしたり遊んでいるのに、必死な37歳は、お酒も一滴も飲まず、「ミラー、ミラー、合図、1.2.3…目視!寄せる……巻き込み確認!左折!」です。同じ宿舎の先輩たちと行く夜の温泉と、そのあとのドラッグストアだけが楽しみでした(笑)
※ドラッグストアでもお酒ではなく炭酸を買って飲んでました。

なのに……明日は仮免試験を受けていいかどうかの「みきわめ」という日にも、まだ危ない運転で教官に補助ブレーキを踏まれ、その衝撃で肘からクラクションに突っ込んで「ビー!」と鳴らしながらエンストして急停止するわたしのクルマ……。
クランクでは前のポールに大接触し、ズザザザーっとこすったのにそのままズザザザーっとこすりながら後退して怒られ……
交差点の真ん中で教官が助手席側のドアを開けて「見てください、こっち、こんなに線から外れてますよ!ダメでしょう。」と見せてもらっても「すみません…近くを通ったつもりでした…」としょげてばかりでした。
なんて不器用なんだ!

げぇー。
大丈夫なのか!?
(つづく)