学問ノススメ~37歳からの運転免許・その6~ | 谷口礼子オフィシャルブログ「じゃこのおもしろいこと」
わたしの亡くなった祖父は運転が上手で、家族の中で唯一クルマを運転する人でした。
母と免許のことで長電話していたら、自然と祖父の話になりました。

祖父は昭和36年、37歳で免許を取ったこと。
取るまでにやはりとても時間がかかって大変だったこと。
当時はモータリゼーションの少し前で、中古の赤いクルマを買って、休日には家族をいろいろなところに連れていってくれたそうです。

その日は、わたしの知らない話をたくさん聞きました。
祖父がわたしと同い年で免許を取ったのも、なにかの縁のような気がしました。


翌日、教習所に行って、最初に教官に言いました。
「時間がかかってもいいので、焦らずやることにしました。なんとか取れるように頑張りますので、よろしくお願いします!」

教官は
「昔はこれ(マニュアル)しかなかったですから。みんなこれを動かしてましたから、大丈夫です。時間はかかっても必ず慣れますから。
人間は、必ず慣れます。慣れない人はいない。

とおっしゃいました。
もう延泊してもいいや、と腹をくくったら、すこし心が軽くなったような気がします。


相変わらずうまくクルマは操作できませんが、
そんな時、教官が
今、失敗しないようにやろうとしてるでしょ。失敗しないように恐る恐るやっていたらうまくはなりません
私を信じてください。危なかったらブレーキを踏みますので。そのために私がいますので。」
と、次々に沁みる言葉をくれるのです。

仮免試験が着々と近づいてきました。

(つづく)