今月のお題「冬の大好物」 | 谷口礼子オフィシャルブログ「じゃこのおもしろいこと」

いやああ~、寒いですね。

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今月のお題は… 「冬の大好物」。

ちょっと遅れてしまったけど、わたしの冬の大好物を……。

 

りんごです。

わたし、母方の祖父母は長野出身なので、こどものころから冬はりんごでした。

親戚から箱に入ったりんごが送られてくるんです。

包丁で切ると真ん中に黄色い蜜が入っているりんご。

スーパーや八百屋さんで買ったのは、蜜が入っていたりいなかったりするけれど、

送られてくるりんごには、かならず大きく蜜が入っていました。

みずみずしくて、噛むとシャクシャクする、おいしいりんごです。

 

小さい時、そのりんごをつくっているおじいちゃんのきょうだいのおうちに、祖父母と3人で泊まりに行きました。

小学校に上がる前です。

上野駅から、特急にのって。

ミシン目でピリピリ切り離すタイプの細長い切符の時代です。

列車の中はみんな当たり前にたばこの煙でいっぱいでした。

席をひっくり返して向かい合わせの4人席にして、そこにおじいちゃんとおばあちゃんと私が座りました。

おばあちゃんは、何度も「浅間山は、禿山だ」ということを私に言いました。

上野駅のホームで買った冷凍みかんが、窓際に差し込む陽の光でちょっとずつ溶けていき、

みかんの下に水たまりができます。

プラスチックのあったかいお茶を、くっついているちいさな蓋に移して飲みました。

列車なのにカーテンが付いているのが珍しいと思いました。

 

おじいちゃんの実家は長野の上山田というところにあって、

おトイレはぼっとん便所で、下が暗くて、落ちそうで怖かった。

朝、散歩すると、近くにえのきをつめる工場がたくさんありました。

家の隣には竹やぶがありました。

りんご畑に連れて行ってもらって、抱き上げてもらって、はさみでリンゴをパチンと切ってもらって収穫しました。

とにかくこの旅行の目的は「りんごを自分で採る」だったので、

想像とはなんとなく違うような気もしながら、とても興奮していました。

 

いくつ泊まったのか全然覚えていないけれど、

わたしの覚えている、両親以外の人と行ったはじめての旅行だったと思います。

帰ってから、保育園で何度もこの話を先生にしたような気がします。

たぶん、りんごが取れたんだから、冬に近い時期だったのだろうと思います。

 

そんなわけで私の冬の大好物はりんご。

きょうも、母から分けてもらった長野の蜜入りのりんごをむいて食べました。

 

おばあちゃん、おじいちゃん、やっぱりりんごは蜜入りだよね。