『十二階のカムパネルラ』ありがとうございました。 | 谷口礼子オフィシャルブログ「じゃこのおもしろいこと」
さあ、今日から12月です。

もう月が変わってしまったのですが、シアターキューブリック 『十二階のカムパネルラ』のお礼ができていなかったので、
ちょっと遅くなってしまいましたがここに書きたいと思います。

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。


劇団としては4年ぶりの劇場公演でした。
この4年でいろいろ、得たこと、変わったこともありました。個人的にはそれを確認できた、貴重な公演になりました。

座組の中で上から数える方が早くなり、シアターキューブリックに初めて参加する役者さんが大半という中で、できたことといえば、その時自分ができることを目いっぱい考えて動くことだけで、
客演さんが、スタッフさんが、楽しんでくださることがほんとうに嬉しく、心の栄養でした。

10年前に出会い、自分の心になんだか寄り添ってくれるようだと感じてきた縁川さんの作品世界。
鉄道をはじめとしていろいろな場所でその作品世界はきちんと成立してきましたが、やっぱり縁川さんもわたしたち劇団員も、ホームは劇場、という演劇人で、劇場ではやっぱり特別な輝きを持って存在していたいし、存在していたと思います。
縁川さんには心置きなく創作してほしいと思ったし、けれど劇団としての継続的な活動もあって、それだけに打ち込んでもらうことはできなくて、準備段階ではいろいろ、すれ違ったりもしました。わたしたちも、劇団員の前にいち役者であったりするので、役者同士もお互い、ぶつかりあったり、意見を交わしたり。

劇団を劇団として続けていくことって、すごく困難なことで、いまでもわたしにはわからないことばかりです。
ここでこんな話、してごめんなさい。
期待されているようなキラキラな内容じゃなくて申し訳ない。
けれど、いまシアターキューブリックを支えている人たちは、そういう、答えが出ないことをそれでもなにかしら乗り越えて、それでもなにかしらの形にして、だれかのために頑張れる人しかいない。
それはとてもたのもしいことで、すごいことだな、と思いました。手前味噌ですみません。

それを理解して、でも気を遣いすぎることもなく思いっきりキラキラしてくれた客演の皆さん。
賢くて素直で、演劇の力を信じている素晴らしい人たちばかり。出会ってくれて、ここにいてくれてほんとうにありがとうとしか言えません。

劇団のこともメンバーのことも深く理解してくださるスタッフの皆さん。劇団員のことを労ってくださって、涙が出ました。

そういった背景があって、やっとお客さんの皆さんの前に姿を現わすことのできた作品です。
劇場で、お客さんの反応を肌で感じて、皆さんの息遣いを感じて、やっぱり嬉しくてたまりませんでした。役者というのはそれを最前線で受け止めて、心でお返ししていける、とてもありがたい職業です。

今回は、実在の人物をモチーフにした作品だったので、その人たちのパワーもきっといただけたのだと信じています。

演劇ってすごいの。すごく大変だけど、すごくいいの。それが少しでも伝われば嬉しいです。




これからも、いろいろな場所で活躍していく今回の出演者にも、どうぞ応援をお願いします。
これが終わりではなく、素敵ないろいろなご縁の始まりでありますように。

わたしも、精進していきたいと思います。

また、お会いしましょう。

ほんとうに、ありがとうございました!