今日は9日。
シアターキューブリックのメールマガジンの配信日です！
メンバーみんなが同じお題でブログを更新します。
今月のお題は、『大人になったわたしのてのひらに眠るもの』。
小さいときに描いた未来の自分と今の自分。その違いはあれど、未だてのひらの上で輝きを失わず、明日のキラキラへの道標でありつづけるものとは？
さぁ、語っていただきましょう、歌っていただきましょう、プラネタリウムのような未来を！
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こどものころ、私は、みんなの前で考えたことを言うとき、必ず涙が出てきて、泣きながら意見を言いました。言いたくて仕方がなくて手をあげたときも、なぜか泣いてしまうのがとても嫌でした。
そうすると、クラスではきもちわるいとからかわれたり、泣いてる顔がおもしろいとからかわれました。
･･･泣いてる顔が面白いのは、本当みたいです。
というのも、キューブリックでやったフランスのクラウン（道化）の稽古で、私は泣けば泣くほど笑われて、そのとき、ちいさいころからのみんなの反応って、わざと私をおとしめようとしてるわけじゃなかったんだ！と、衝撃的に分かったのです（笑）
まあ、それにしても、ちいさなころのわたしは、なんにでもすごく緊張して、緊張が度を越して、みんなとおなじようにできない、ということにコンプレックスをすごく持っていました。
その後、ちょっとおおきくなって、私は、「へらへらするふりをする」という、すばらしくさいあくでさいこうな技をおぼえたのです！
ほんとうに思っていることをあてられた時も、
ほんとうに好きなものを言わなきゃいけないときも、
ほんとうのことを言うと泣いちゃうから、わざと2番目のものを言ったりして、
わざと、「そんなたいしたことじゃないよ」って顔をしたりして、
それで、のりきりました。子ども時代を！
だから、私は、保育園の時も、小学校の時も、なりたいものや将来の自分を書かなきゃいけないとき、本当に困ったものでした。
・お花屋さん（ママがお花が好きだから）
・先生（ママが先生をしているから）
・ケーキ屋さん（そういってた子が先生にほめられてたから）
という有様。
ほんとに何がやりたかったのか、今はまったく思い出せません。
とても自信がなかったから、馬鹿にされたくなかったの。
馬鹿にされることがとてもこわくて、ちっともしらんぷりできなくて、
気になっていつもそわそわしながら、へらへらするふりをしていました。
「へらへらするな！」と怒られる時、私は一番悔しくて泣きました。
ほんとうは、けっこうまじめなこだったのです！
とちゅうから、私は、「へらへらするふりをしている」のか、「へらへらしている」のか、分からなくなりました。
私って「へらへらしている」人なんじゃないか、それでいいんじゃないかと思ったのかもしれません。
「へらへらするふりをする」のが結構、うまくなったんじゃないかと思ったのかもしれません。
明るくて適当で要領のいい友達を見て、真似したのかもしれません。
ということに、私は大人になってから、気づき始めました。
考えてみたら、私は一番最初の、何か言うときに泣いちゃうちびっこから、ちっとも変わってなくて、
馬鹿にされたくなくて、怖がりで、なかなか笑わなくて、緊張している、まじめな子のままでした。
そして、自分が今までやってきた「へらへらするふりをする」という技のクオリティの低さに気づきました！
だめだこりゃ！
20年以上やってきた「へらへらするふりをする」というのは、なかなかやめるのが難しいです。
でも、高校生くらいからどうしてもこの道に進みたいと思ったお芝居というものは、
わたしにとってまず第一に「本当に思っていることをまっすぐに伝える」ということで、
きっとわたしはそれをするために、お芝居をやろうと思ったんだろうと、今になってみて感じます。
そして「相手が本当に思っていることをまっすぐに受け止める」ということも、
「必ずしもいつもほんとうを受け止められるとは限らない」ということも、
「必ずしもいつもほんとうをまっすぐにつたえられるとは限らない」ということも、
いま、なんとなく、わかろうとしています。
クオリティの低い「へらへらするふりをする」という技を駆使して、世界を生き抜こうとしているちびっこだって、むしろちょっとかわいらしく見えたりもします。
ギュッとしてあげたい気持ちにもなります。
とか、お姉さんぶって、でもたまにはへらへらしてるふりをしながら、ちょっと泣きながら、私は変わらず変わっていくのだと思います。
みんなも変わらず変わっていくのだと思います。
明日がキラキラするかなんていまはわからないな。
いつか振り返ったとき、キラキラしてるといいな。
そう思っています。
にんげんって難儀だねえ！
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