望月麻衣さんの新作を読みました!
望月麻衣・著『京都船岡山アストロロジー』
主人公は出版社の編集者。文芸好きが高じて出版社に就職した彼が配属されたのは…占い雑誌の編集部。過去の経験から“占い”に極度の不信感を持っている彼が、ある日取材で出会ったのは京都船岡山珈琲店にいる謎の占い師。この出会いが彼を変えていく…。
…な~んて書くと、この占い師との出会いがとても素敵な出会いのように見えますが初対面のふたり、いきなり大喧嘩(笑)。で、最後の最後まで…ウマがあわない(笑)。
アストロロジー…占星術を題材にした物語にしては、なかなかにひねくれた設定ですが、そこは望月さんの作品!エンディングで見事に収まるべきところに収まり、穏やかな気持ちで読了しました。
占星術を題材にした望月作品に『満月珈琲店の星詠み』があるのですが、両作品に共通するスタンスは「占星術は“道しるべ”である」というもの。占いを鵜呑みにするのではなく、占いで得た情報をどう活かすか自問自答し、自らの意志で行動することが大切である…というスタンスは、「占いを信じるべし!」と言われるより、ずっと説得力があるように思います。
望月作品好きとしては『京都寺町三条のホームズ』のキャラ達が出てくるところも嬉しいところでした(笑)。
望月さんのブログによると、早くも続編が決定した様子。
リアルタイムで追う作品がまた1つ、増えました(笑)。