本日も、読了した1冊から。強化月間にふさわしく、今日もシャーロックホームズがらみなのですが、ちょいと変化球な作品です。
ヒロモト『ニャーロック・ニャームズの名推理』。
タイトルや表紙からわかるとおり、本作の主人公はニャームズ(ホームズ)という賢くて腕っぷし(猫パンチ…笑)も強いハンサムなネコ。また、語り手であるニャトソン(本作における相棒・ワトソン)もネコという設定になっています。
その設定を尊重するため、“ネコらしさ”を演出する言葉が多用された文体で書かれているのですが、このあたりは好みが大きく分かれるところかと思います。僕自身も正直なところ、この文体に慣れるまでちょっとイラッとしましたし…(苦笑)。
だた、物語自体は愛玩動物と人間の関係を問う物語あり、推理と冒険あり、ハートウォーミングな物語があり…とバリエーションに富んでいるし描写も丁寧。
特に中盤に出てくる「Last Cabbage」という話は、この設定だからこその秀逸な心温まるエピソードで、気が付いたら文体に対するイラッと感はどこへやら…。読み終える頃には、ニャーロック達の世界にすっかり入り込んでいました。
![]() |
猫探偵はタマネギをかじる ニャーロック・ニャームズの名推理 (宝島社文庫)
745円
Amazon |