本日もGW中に読んだ1冊から。
常見陽平:著「なぜ、残業はなくならないのか」。
冒頭の文章で著者いわく、残業がなくならない理由は「残業が合理的だから」。人によっては「ふざけんなっ!」と思うことかもしれませんが、僕自身、若い頃は残業代目当てにやっていた時期もありましたし(僕にとっては収入が増えるから合理的だった)、反対に上司に言われるまま「24時間戦えますか?」を地で行くような生活を送っても残業代なんて出ない時期(会社にとっては超合理的!)も経験しているので、この1文だけで著者やこの本に対する信用度がグッと上がりました。
そう。残業は、会社にとっても働く社員にとっても(…但し、しかるべき手当が支払われている社員にとって…という条件付です)、ある意味で「合理的」なものであることは、自らの経験をもって“事実”。そして、その合理性ゆえに残業がなくならないことも“事実”。
ただし!
この本は「残業がなくならないのは、それが合理的だから。したがってなくならないのはやむを得ない」という主張をしているのではなく(そんな本だったら出版されない…笑)、労働時間の制約や生産性、働き方改革などといった“格好つけ”ではなく、もっと根本の部分ある原因を探り、その対策を求めるべきではないか?というのが著者の主張。
ちょうど「失敗の本質」を読んだ直後だったこともあって、この主張は、とても腑に落ち、何度も何度もうなずきながら読了しました。
会社…に限らず、なんらかの組織というものに属し、(自らが望む・・望まないに限らず)管理者側の立場にある人であれば、読んで決して損しない1冊だと思います。
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