日暮雅通さん監訳によるホームズ・パロディ短篇集『シャーロック・ホームズのSF大冒険』。この本の存在もまた、以前購入したムック本で知りました。
本作のポイントは編集者による「SFまたはファンタジーの要素があり、登場するのがホームズであると認識できる限り、ホームズをどんな時代のどんな設定にもってきてもかまわない」という条件で“依頼”により作り出されていること。
ホームズの知られざる過去が語られている作品に、タイム・トラベル作品(ネタ的には一番多いですが、皆さんそれぞれ工夫を凝らしておられます)、ホームズがコンピューター・ソフト化されてしまった作品、作者ドイルや歴史上・あるいは他有名作品の主人公や作家との共演作、その活躍の場も、お馴染みのロンドンにアメリカ、タイタニック号の船上、宇宙空間に仮想空間、果てはあの世まで、前述の条件を最大限に活かしたバラエティーに富んだ作品がずらり。
“なんでもアリ”な状況に最初こそ戸惑いましたが(^^;)、どの作品もアイデアと楽しさ、ホームズ(ホームズ作品)に対する愛情に溢れており、「次は、どんな手でくるんだろう?」なんてついついページを進めてしまい、上下巻・全26作品というボリュームながらもハイペースで読了しました(^^)。
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