ジェフ・べックが2010年にリリースしたアルバム『エモーション&コモーション』。
リリース当時、CDショップの視聴コーナーで数曲を聴いたことがあるのですが、「ジェフ・べックにしては、えらく落ち着いた感じだなぁ…」というのが正直な感想。
そういう感想をもったのは、僕が『ギター・ショップ』や『フー・エルス!』といった、アレンジやバックのサウンドと、それに乗って自由奔放・縦横無尽に指板上を駆け巡る彼の超絶的なギター・テクニックが目立つ、比較的派手な作品を好んで聴いていたためだと思うのですが…。
それらの2作品に比べると、オーケストラをバックにした演奏や、比較的ゆったりとしたテンポの楽曲が多い本作は、全体的に穏やか落ち着いている感が強く、「あれ?ジェフ・べック、ここにきて遂に丸くなったか…?」なんて(我が身をわきまえないえらそ~な)ことを思い、数年ぶりの新作だったにも関わらず、結局購入しませんでした。
あれから5年。
たまたま某○ックオフでこの作品を見つけ、「今聴くと、違う印象を持つかも…」と思い購入したのですが、やはり「落ち着いてる作品」という第一印象は、変わりませんでした(^^;)。
ただ、ジェフ・べックの演奏力や表現力については、更なる高みに行っているなぁ…と。
今まで以上に歌心や表現力に溢れているし、そのサウンドもホントに美しい。ああいう演奏を聴くと、もはやテクニックがどうこうとか、楽曲が地味だ派手だとか、ど~でもよくなります。
ギターの演奏も、収録されている音楽も、ジェフ・べックだからこそ演れること。ホント、唯一無二の存在ですね、あの人は。
そういうことを理解し、素直に受け入れられるようになってきたってことは、5年経って僕もようやく大人になってきた…ということかな(^^;)。
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