ホームズ二世のロシア秘録 / ブライアン・フリーマントル | jakeのブログ 

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いろんなキャラをこなしながら日々思ったこと・感じたことなんかを書いてみます。

ここ2~3ヶ月ほど、“読書気分になれない期”(ナンだそりゃ…^^;)で、本からずっと遠のいていたのですが、ようやく復調の兆しが。

こちらも、先日読了した1冊です。


ブライアン・フリーマントル:著による、ホームズの息子・セバスチャン・ホームズが活躍するパスティーシュ第2作『ホームズ2世のロシア秘録』。

女性と親密になることを徹底的に拒んでいたホームズに息子がいる…という設定は、なかなかに衝撃的ではあるのですが、そういう思い切った設定ができるのもまたパスティーシュの面白さですし、ホームズが所帯を持つに至った理由や、その後の息子との微妙な関係性も納得できる物語になっているので(その内容を書いてしまうと面白さが半減するので省略)、僕自身は違和感なく接することができました。


前作でアメリカでのミッションを無事に果たしたセバスチャンに今回課せられた使命はロシアの内偵。

第一次世界大戦やロシア革命といった世界史を揺るがす大事件の直前期という混迷と緊張感に包まれたイギリスとロシアを舞台に、あるときは頭脳戦や格闘(その相手は
歴史上の実在人物の場合もある点が本作の特徴の1つ)を、またあるときロマンス(この点は“父親”との最大の違い^^;)を繰り広げる、スリリングかつ中身の濃い物語。

主人公が父親(ホームズ一族)譲りの頭脳や推理力・観察力を持つ一方で、若さや経験不足からくる危うさもあるという未完成な主人公ゆえに、よりスリリングな物語になっているように思います。


ホームズも本家と比べるとかなり偏屈者として描かれているような印象こそ受けましたが(もっとも、ご本家(ドイル作品)も偏屈には違いないですが…^^;)、探偵としての観察力・推理力や行動力は本家の雰囲気をちゃんと踏襲しているし、本シリーズで新たに追加された(?)父親としての役割も、今のホームズが息子にしてやれる最大限のことをやっている点は非常に好印象。

同じことは本家のキャラクターであるワトソンやホームズの兄・マイクロフトにも言えて、本家の雰囲気を踏まえつつ、それぞれの立場でできること・やるべきことをやる格好良さがあって、好感が持てました(^^)。

今のところ、出版されていないようですが、セバスチャン・ホームズの新たな活躍を、ぜひ読んでみたいところです。


ホームズ二世のロシア秘録 (新潮文庫)/ブライアン フリーマントル
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