ジャズ・ギタリスト、ウェス・モンゴメリーのアルバム『Fusion!』。
デビュー以来もっぱら少人数編成のバンドでの演奏・録音が多かったウェスが、初めてストリングス・セクションをバックに録音したのが、この作品。その編成やアルバムの企画性ゆえに、長尺のドライブ感あふれるソロといったウェスのアグレッシブな側面や、ジャズ特有の緊張感を期待すると、思い切り裏切られます(^^;)。
が。
ストリングス・セクションの優雅なサウンドにのって、歌心にあふれたギター・プレイが目白押しで、ウェスの豊かな表現力をじっくり、かつ存分に味わうことができます(^^)。
企画としての側面に目を向けると、しっかりと構築されたストリングス・アンサンブルとジャズ音楽が持つグルーヴ感や即興性との融合(まさにタイトルの「Fusion」!)という試みは非常にユニークだし、ウェスの厚みのあるサウンドや、メロウなメロディー・センスとの相性もばっちり。
60年代後半にジャズを基調に様々なジャンルの音楽を融合させた「Fusion」という音楽ジャンルが確立されていくのですが、その先駆的な作品だな…という印象を受けました。(ちなみに本作の録音は1963年)
派手な作品ではないですが、じっくりと長く良いお付き合いができる1枚だと思います。
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