読むことをおススメしたい、酷いマンガ | jakeのブログ 

jakeのブログ 

夫・父親・会社員・社労士有資格者・アマチュアミュージシャン・・・

いろんなキャラをこなしながら日々思ったこと・感じたことなんかを書いてみます。

ヤフーのニュース・トピックスに『厚労省年金マンガに「色々ひどい」と反発』というものを見つけて興味を持ったので、実際のHP(厚生労働省「いっしょに検証!公的年金」)を見てみました。

ホントに酷いなぁ…これ。

“官”にとってこれ以上なく好都合なものわかりが良い家庭を舞台に、いかにも“官”好みの自分のミッションに一生懸命な痛々し~い名前の主人公が(ってかなぜ社労士に頼るんだよ…)、“官”にとって都合の良いように年金制度のあれこれを説明してくれる、まさに“官”のためのマンガ!


まがりなりにも年金制度を学んだ者として(もっとも不得意とするジャンルではありましたが)、制度の目的やその理念、意義については異論はありません。マンガで説明している社会的な扶養という面においても、僕個人としては納得できますし、年金と言うとどうしても「老齢給付」に目が行きがちですが「障害」や「死亡」に対する給付もあるわけで、こういった誰もが避けられない事態(老齢)や不測の事態(障害・死亡)に対する公的なセーフティネットとしての機能は、素晴らしいとすら思っています。

でも、どんなに制度がすばらしくても、運用には多いに問題があったんですよね。

記憶に新しいところでは、大切な年金記録をずさんに扱っていたいわゆる「消えた年金」の問題(年金記録問題)。当時は大騒ぎでしたけど、結局あれって未だに解決していないんですよね、騒がれなくなったってだけで…。(そういや「年金問題は私が解決する!」くらいのこと言っておいて、どっかにいっちゃった首相がいましたね…。確か、安倍さんとかいう名お前だったと記憶していますが。)

財政面でいえば、年金保険料として徴収したお金を「運用」と称してしょーもない浪費に回してしまったことは年金財政に相当なダメージを与えてきたし(その責任を誰かがとったという話は聞いたことがない)、このマンガで、「やってますよ!」なんて偉そうに財政の検証についても触れていますが、過去に検証をした結果、財政がピンチなことは明白だったにもかかわらず、その結果を受けての対処ってのは、今まで一度もやってこなかった。財政を健全化させるための仕組みがあるにもかかわらず、それを発動させなかったんだから、財政が更に厳しくなるのは当然の話。

そういった数々の(致命的な)ミスのツケが、今の「世代間の格差」につながっているはずなのですが…、教科書のような“美談”で誤魔化し、あわよくば「世代間の格差はみなさんの思い込みです」なんて雰囲気に持っていく、このふてぶてしさ!もう怒りを通り越して呆れてしまう。

このマンガを見て「よし!この先も公的年金制度は大丈夫だ!」「この制度を維持するために給料の8%強(H26.9~時点)が保険料として徴収されても注:かなり単純化した表現です)仕方がないよね」なんて、肯定的な見解を持ってくれる-と考えている人たちが制度を運用していると考えたら…すごく怖い。ってか、勘弁してほしい。


マンガって、普通は「コレ、読んでみなよ!面白いから~!」なんて勧めるものなのでしょうけど、このマンガは、確かに酷いマンガですけど(作画した人、辛かっただろうなぁ…)、書いてある内容は『これからこうやって制度の綻びを誤魔化していく所存です!』という“官”の所信表明みたいなものですから…。

卑劣な手口にひっかからないよう、一読しておいたほうが良いように思います。


しかし、ホント酷い内容のマンガだったなぁ…。

おかげでブログ1本書けたし、年金制度の復習ができましたけど(^^;)。