コナン・ドイル / ジュリアン・シモンズ | jakeのブログ 

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いろんなキャラをこなしながら日々思ったこと・感じたことなんかを書いてみます。

“ホームズ病”もここまできたかって感じですが(^^;)、先日出張帰りに立ち寄った本屋で、ホームズ物語の作者、コナン・ドイルの伝記を購入しました。


これまでに読んできたホームズ研究本のおかげで、コナン・ドイルに関する断片的な情報は読んでいたのですが、生い立ちから晩年までを丁寧に調べて記述されており、本書のおかげで、これまでの『点』の情報が1本の『線』になった印象があります。

「事実は小説より奇なり」なんて言いますが、ドイルの人生もしかり。“ホームズ物語”の誕生だけを切り取っても、もし彼が医学を志さなければ、ホームズのモデルとなったベル博士に出会うこともなかっただろうし、修学した医学の分野で大成していたら、執筆されることもなかったでしょう。もし本人が志していた歴史小説で大成していたら、長短あわせて60編もの作品にならなかったかもしれない…(ご存知のとおり、ホームズは作者の手により一度抹殺されています)。「もしも、ドイルがあのとき…」なんてことを考えると、非常に興味深い。

翻訳の文章も非常になめらか、加えてドイルの親族の好意により提供された写真や彼が生きた時代の記録写真・イラストも豊富で、最後まで楽しく読める1冊でした。

コナン・ドイル (創元推理文庫)/ジュリアン シモンズ
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余談
前述のとおりドイルが医学生だった頃に出会ったベル博士は、患者を観た(観察した)だけで職業や病状を言い当てる…という鋭い観察力を持っており、博士をホームズのモデルにしたというのは有名な話。博士は学生たちの前で、その観察力を披露するだけでなく結論に至る経緯も説明していたのだそうです。そんな博士を見て「ベル博士、ハンパね~ッ!」と思った人は、おそらく大勢いたと思うのですが、「ベル博士、ハンパね~ッ!」で終わらず、その感動を昇華・転用したとことが、ドイルの凄いところだなって思います(^^)。