私の中のストリートファイターⅡV | Nより

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ストリートファイターⅡV(©よみうりテレビ)
リアルタイム当時に観て以降,再び視聴するまでの間に8年もの歳月があったせいか,私が最初に記憶していた内容は,実際のものとかなり異なっていた。
まず第一にキャラクター設定は原作ゲームのままだと思い込んでおり,春麗も20代の刑事だと思い込んでいた。ただ,まだ父親が無事に生きているのだなと思っていた。
主要キャラについては,きちんと年齢が表示されていたはずだが,記憶には残っていなかった。
ナッシュの外見はあまりにもZEROシリーズとかけ離れていたが,私は「違う」として納得し,片付けてしまっていた。
もっとも,ナッシュはゲーム本作共に米国空軍兵士であり,階級が異なる程度の差しかないので(なお,当時は軍の階級に関する知識は皆無であり,ZEROシリーズにおけるナッシュが中尉であることも知らなかった),あの春麗を原作ゲームと同じに見ていた私が差に拘らなかったのは当然かもしれない。
春麗が洗脳され,ベガの手先になるという展開は衝撃的だった。私はリアルタイム当時,いずれケンがベガのサイコパワーに操られるとばかり予想していたため,春麗がサイコパワーに襲われると予告で聞いた時には度肝を抜かれる思いだった。同時に,サイコパワーで操られた春麗を早く見てみたいと待ちわびた。
ところが,このサイコパワーは人間を洗脳するものではなかった。
私はこの時,春麗は洗脳されたものだとばかり考えていたが,まだこの時,春麗は洗脳されていなかった。
この誤解は,その後の感想にも強くひびいた。
その後,リュウにサイバーチップが埋め込まれたが,リアルタイム時はサイバーチップの仕組みを全く理解できず,何をしているのかよく分からなかった。何故,モニターに登場した東南アジア系の男性が頭突きをして血だらけになったのかは長い間,謎として残った。
ただ,椅子の感じからして,洗脳するのではないかとの予想は立った。この予想は当たった。
ゾルターはリュウを完全にコントロールすることについて「3日もあれば」と発言しているが,私は何故か「最低3日はかかる」と記憶違いしていた。したがって,その後ベガが言った「1日で仕上げろ」も,「1日も早く仕上げろ」と記憶違いしてしまった。
そう勘違いしていたせいか,リュウの洗脳は時間をかけてゆっくり行われた印象だった。その間,リュウは汗だくの状態で,静かに呻き声を上げながら徐々にシャドルーの戦士となっていったと思っていた。これには,当時特番で放送が飛ばされたことも理由にあるかもしれない。長い時間待たされた私は,勝手にリュウの洗脳は長くかかったと錯覚してしまったのかもしれない。
実際には,リュウの洗脳シーンは短く,洗脳される間,リュウは大声で叫んでいる。
待たされたと言えば,シャドルーの戦士となった春麗の登場もそう感じてた。
だが,先述の通り,あの時点で春麗は洗脳されていなかったのだから,この場面はむしろシャドルーの戦士となった春麗の姿に驚くべき場面だったのである。衝撃はここで受けるのが本来の筋書きだったはずなのだ。
サイコパワーに襲われた時点で,既に春麗は洗脳されたと思い込んだせいで,私は長い間待たされた思いを勝手に抱いてしまった。
また,ここでケンは壁の隙間越しに,春麗の姿を見て,彼女の名前を叫び続けるのだが,上記の思い込みのせいで,ケンは春麗が洗脳されたことを既に理解しており,シャドルーの戦士となった春麗の姿にありし日の彼女の姿を重ねて絶望していると勝手に解釈してしまっていた。
そうでないことは,本来ケンの台詞や仕草から明らかなのだが,思い込みはそれらを記憶から包み隠してしまった。
なお,ケンが見た春麗の実戦テストの内容も,春麗が何人もの相手を次々に殺害していくものだと何故か記憶していた。
実際には,相手は1人であり,当然春麗が殺害したのも1人である。
加えて,春麗はとっくに洗脳されていたと考えていたため,サイバーチップを埋め込まれたのも春麗が先だとばかり思っていた。
その後,どういう経緯で春麗がベガのところへ戻ったかは記憶に残らず,ただ,春麗がシャドルーの戦士として,シャドルー側の人間と共にいるとだけ認識していた。この認識は間違っていなかっただろう。
ただ,どういう訳か,バルログもここにいたと長年考えていた。
先述の勘違いのせいで,ナッシュはサイコパワーを浴びせられ,洗脳されているのではないかと考えてしまった。そして,その後の展開に胸を踊らせた。
しかしその後,ナッシュはただ絶命しただけであり,キャラクターの設定(ZEROと同じだと誤認したもの)からして当然だと思うのと同時に,何故春麗と違い洗脳されなかったのかと,疑問に思うはめになった。
そのように考えていたので,春麗のサイバーチップが外れても,まだ春麗にはサイコパワーによる洗脳が継続していると考えた。しかし,春麗はこの後自我を取り戻し,自らの意思でリュウやケンを抱きしめる。私は正直不思議だった。このこともまた,疑問として残った。
また,春麗が先に洗脳され,リュウの洗脳には3日かかったという勘違いや,その後の話が2ヶ月程続いたせいで,2人,特に春麗は長い間,シャドルーの戦士だったと勝手に考えてしまった。
論理的に考えれば,2人がシャドルーの戦士だった時間は半日程度なのだが,当時は理論よりも感覚が思考の中心であり,更に誤った認識がそれに拍車をかけていたらしい。

以上が最初に私が抱いたストリートファイターⅡVなのである。