一部で囁かれてきたブロリー最強説，先に結論を言うと破壊神ビルス達を除けばΖの世界に限り，あり得ない話ではない。
まず，確実に言えるのはブロリーは最強になりうるキャラクターだったということである。同時期の悟空よりも差があるという点においては間違いなく最強の敵であった。そのことは当時の原作最強のキャラだったセルと比較をすれば明らかであろう(もっともセルもサイヤ人の細胞を持ち，尚且つ再生能力の持主であったから，充分に最強となりえたキャラクターと言える)。
加えて，ブロリーはサイヤ人であり，悟空と同年齢である。その後に悟空がパワーアップを果たしたようにブロリーもパワーアップできたとしておかしくない。
だが，それはあくまで可能性の話であり，作中に登場したブロリーの戦闘力とは言えない。では作中に登場したブロリーはどの程度強いのか。
最も低く見積もったとして，超サイヤ人3ゴテンクス以上，アルティメット悟飯以下と考えられる。それは描かれなかった描写として，超サイヤ人ゴテンクスがバイオブロリーに圧倒されるというものが存在したことからそう導き出せる。
結果的に描かれなかった理由はアニメでまだゴテンクスが登場していなかったからと言われており，設定自体の変更ではない。もし，この発言に偽りがないのであれば，ブロリーはバイオブロリー以上であるから，少なくとも二戦目のブロリーはゴテンクス以上に強いと言える。ただ，アルティメット悟飯との関係は不明なので，もしかしたら悟飯よりは弱いかもしれない。
一方で，考え方によっては新作映画を除いたドラゴンボールZにおける最強キャラと考えられなくもない。
それはブロリーが当初の予定ではジャネンバのポジションで登場する予定だったとされていることから導き出せる。もしそうだとすれば，超ゴジータによってようやく倒せるキャラクターは最強候補の仲間に入ることだろう。何しろ，合体が必要な敵は原作・TV・映画を通して2人しかいないのだから。
だが，もしブロリーがジャネンバの代わりに登場したとしても，その強さが二戦目のブロリーと同等だったかは分からない。故に，ブロリーが最強候補に必ず名前を連ねると言う根拠もまたないと言える。
ブロリーは伝説の超サイヤ人そのものである。1000年に1人現れるという破壊と殺戮を好む全宇宙最強の戦士である。
何れにせよ，ブロリーより強い可能性のあるキャラクターには魔人ブウ，ジャネンバ，ヒルデガーンと人工生命体が多く，アルティメット悟飯は混血児と1000年よりも遥か以前に生きていた老界王神の力によって，ある意味人工的に誕生した戦士である。
また，仮に超サイヤ人3以下だったとしても，悟空は超サイヤ人3の力を長時間使えるわけではないし，ゴテンクスは単体ではない。
作中の描写からあまり考えにくいが，超完全体セルに関してはブロリーより強い可能性もないわけではない。だが，もしセル以下だったとしても，セルもまた人工生命体なのである。そして超サイヤ人2の悟空とベジータはそれよりも劣る(これについては，後日考察する)。
そう考えると，ブロリーは旧ドラゴンボールZにおける天然の持続的な力を持った最強のキャラクターと言えるかもしれない。
追記
ブロリーは作中に登場するサイヤ人の中で最も強くなるための努力をしていない。
常にパラガスによって戦闘力を抑えられた状態にあり，全力を出すことさえできていなかった。
このような状態で厳しい修行を積んできたZ戦士達を圧倒したブロリーは紛れもなく悟空以上の天才であり，その才能は間違いなくドラゴンボールZにおける最強だったと考える。
©鳥山明 集英社