またこの手の本に手を出してしまったが、どの本でもよく見る「そうだよな」ということが書いてあった。
別に批判しているわけではない。だって、このように書くしかないだろうし。
戦略や戦略的思考を学ぶのは、何も企業が市場を勝ち抜くだけではない。
もちろん、自分の人生を生き抜くためにも戦略や戦略的思考は必要だ。
そこでポイントとして挙げているのが、
「根気よく粘り強く続けられること」「長く続けてきたこと」「ずっと好きでやってきたこと」。
これを軸に自身の「ユニークな組み合わせ」を作って、ポジショニングを図るべきと言っている。
自信をもって自分の軸と言えるものがなんなのか。
テニスやランニング以外で、これと言えるものがないので、自信をなくす。
それが特定されたとして、
「とにかくたくさんのアウトプットを出すこと」、「フォーカスすべきなのは打席に立って思いっきり振る回数」が重要となる。
何かを生み出し、行動として表面化できなければ、何も生まれない。当たり前のことだ。
一発必中なんてことはありえない。とにかく数は打たねばはじまらない。
その中でも大前提として、「自分なりの人生の良し悪しを図る指標」の考察が重要。
この目標設定を外すと、どんな戦略を作っても破綻する。
これを自分でしっかり言語化し、定義しておかないといけない。
もう良い年になってしまったが、今一度、良い人生にするために、ここに書いていることを自分の中で整理したい。
抜粋:
- 「自分にとって本当に大事なもの」「自分が本当に実現したいこと」。
- 私たちは自分が何に夢中になり、どのような強みを持っているかを先見的に知ることができない。私たちの人生は「膨大な仮説の集合体」としてまずはスタートし、その仮説をひとつひとつ検証し、破棄・修正することでしか前に進んでいけない。つまり、 「いかに早い段階で仮説を検証し、戦略を修正できるか」が重要な論点。
- 「自分の居場所の趨勢についてどれだけ論理的に考え抜くか」という「思考の累積量」 。
- 組織や社会などのシステムを健全に機能させるためには「発言と離脱」の2つが重要。ここでいう「発言」とは「間違っていると思うことに対して声を上げる」ことであり、「離脱」とは「間違っていると思う場所や組織から離脱する」こと。
- 蛇のように賢く、そして鳩のように素直になりなさい。 これほど矛盾に満ちているように思えながら、全体的・包括的な人生戦略のアドバイスはないと思います。前半の「蛇のように賢く」というのは、世の中でよく言われていることや甘言を弄する人に騙されず、自分の頭で考えて判断するための知恵と分別を持ちなさいというアドバイスであり、後半の「鳩のように素直に」というのは、地位やお金といった虚しいものに惑わされずに、自分の中にある美意識や倫理観に素直に従って生きなさいというアドバイス。
- 私たちがコントロールできる戦略変数は「時間資本しかない」ということ。 戦略の策定において、戦略変数の見定めは決定的に重要な要件。私たちはしばしば、人生を計画する際、他者や組織や社会など、自分ではコントロールできないものを動かそうとして、無用な努力を重ねてしまう。
- プロジェクトの目的は、「お金持ちになること」でも、「会社で出世すること」でも、「社会的な栄誉を得ること」でもなく、「持続的なウェルビーイングの状態を築くこと」を目指す。
- 末期を迎えつつある患者が、しばしば口にする後悔が ・あんなに働かなくても良かった ・友人関係を続けていれば良かった の2つであると指摘。
- ① 自己効力感 自分に能力があり、何か意義のあることにそれを十分に活かすことで成長できているという実感、誰かの役に立つことで自分もまた高めているという実感を持っていること。 ② 社会的つながり 職場や取引先から信頼・信用されているという実感、コミュニティ内の知人や友人や家族と友愛的・親和的な関係を築けているという実感を持っていること。 ③ 経済的安定性 経済的に安定しており、多少のことがあっても通常レベルの生活を維持していくのに不安がないという実感を持っていること。
- 自分の頭で考えて、誰がどう言おうと、自分にとって合理的だと思える人生の全体像=マスタープランを描くことができれば、世に蔓延する戯言に惑わされることなく、自分の足で大地を踏みしめるようにして人生の戦略を実行していくことができる。
- 優れた戦略とはしばしば「短期的に見ると不合理に見えるのに、長期的に見ると合理的」であり「部分で見ると不合理に見えるのに、全体で見ると合理的」
- 経営戦略を議論する際には、よく「WHAT=何を?」や「HOW=どうやって?」という論点に焦点が当てられがちですが、実は「WHEN=いつ?」という論点は前者と同等、いやそれ以上に重要。タイミングが重要。
- 1. 「正解のある仕事を避ける」 、2. 「感性的・感情的な知性を高める」、3. 「問題を提起する力を高める」
- 社会的価値を実現すれば経済的価値は自ずと実現される。
- 根気よく粘り強く続けられることのほうが資質とか才能より大事な要素。才能やセンスよりも「長く努力を続けられる」ということの方が要素としては決定的。
- 「外発的動機で動く人=頑張る人」は「内発的動機で動く人=楽しむ人」には勝てない。
- RBV - 有用性(Valuable):市場機会を捉え、競合と対抗する上で有用であること 希少性(Rare):競争相手が容易に獲得できない希少性があること 模倣困難性(Inimitable):他の企業が容易に真似できないこと 代替不能性(Non-substitutable):他の資源で代替できないこと。
- この「自分の強みは何か?」という問いは、そもそもミスリーディング。 私たちの自己評価には非常に強い上方バイアス、つまり「実際の自分の能力よりも上側に誤って評価してしまう傾向」がある。私たちは「自分は何が得意か」という判断について、相当ポンコツな精度の判断能力しか持っていない。
- 重要なのは「強み」ではなく「特徴」を抽出すること。「調達困難な資源や能力」とは「時間資本を大量に投下しないと獲得できない資源や能力」のことですから、ひとつの考え方として、着眼するべきなのは「長く続けてきたこと」。
- 気をつけて欲しいのは、これは「新しい価値」の「組み合わせ」ではなく「既存の価値」の「新しい組み合わせ」だということ。ブルー・オーシャンの実践にあたって重要なのは、「新しい価値を創出する」ことではなく、既存の価値の「新しい組み合わせを創出する」こと。
- どうやって「ユニークな組み合わせ」をつくればいいのか? 着目するべきなのは「ずっと好きでやってきたこと」。なぜかというと「他人にとって簡単に模倣のできないこと」、「他人が簡単に獲得できない知識やスキルや感性」というのは、「大量の時間資本を投下しなければ獲得できないこと」と同義だから。これはつまり、その人が好きでずっとやってきたことの中にこそ、組み合わせを考える鍵があるということ。
- 「イノベーションの方法論は原理的に存在しない」。しかし、だからといって全くなす術がない、というわけではない。 これまでの研究から、個人についても組織についても、 創造性を向上させる上で「鉄板のアプローチ」が存在することはわかっている。それは「とにかくたくさんのアウトプットを出すこと」。
- 人生の経営戦略において重要なKPIは「打率」ではなく「打席数」。
- 私たちの「人生の経営戦略=ライフ・マネジメント・ストラテジー」においてフォーカスすべきなのは「打席に立って思いっきり振る回数」。
- 私たち人間にとって、長らく有効であったものほど、将来にわたって長らく有効なものである確率が高い、ということ。 このように考えると、人類が残してきた「古典」や「名作」と呼ばれるもの、いわゆるリベラルアーツに親しむことが、実はもっともNPVの大きい時間資本の使い方だということ。
- 重要になってくるのが「自分のモノサシを持つ」ということ。運用の前段階である「指標の設定」、すなわち「自分なりの成功のモノサシは何か?」という点を考えること。「自分なりの人生の良し悪しを図る指標」について考察しない限り、表面的にBSCのPDCAを回してもライフ・マネジメントのクオリティは向上しない。
- ① 課題認識を持つ:まず、ベンチマークを行うためには、自分の課題を特定する。② ベンチマーク対象を選出する:重要なのは「能力」ではなく「行動」と「時間配分」に着眼すること。
- 学習というのは「自分という認知システムが変容すること」であり、さらに踏み込んで指摘すれば、その変容によって「世界がそれまでとは違って見えるようになること」
- 必死になって見せまいと隠している「弱さ」「みっともなさ」にこそ、実は私たちが成熟していく機会が潜んでいる。
- 「賞賛依存症」「達成依存症」はウェルビーイングの実現において最も忌避すべき疾病のひとつ。この依存症を克服しない限り、「人生の秋」以降のステージにおけるウェルビーイングの達成はおぼつかない。
- 流動性知能とは「過去の経験や学習に依存せず、論理的に考えたり、パターンを見つけたりする知的能力」のことで、例えば「複雑なパズルを解く」「未経験の問題に対処する」「スピードを要する案件に対して論理的に判断する」際に有効。
