遠藤周作の作品はこれまでに『海と毒薬』、『影に対して 母をめぐる物語』、そして『沈黙』を読んできた。
いずれの作品も、日本人のキリスト教や神に対する視点・考え方・価値観を、
実体験に基づいて語っており、いずれも考えさせられた。
また、遠藤周作が読みたくなり、手にとった本書。32才のときの作品というから驚きである。
本書には、遠藤の留学先であったリヨンを舞台とする「白い人」と、
日本を舞台に描かれる「黄色い人」の二編で構成。
「白い人」は、嗜虐に目覚めたフランス人の男が、ゲシュタポの手先となり、旧知の神学生を拷問するという話。
一方、「黄色い人」では、親友の婚約者と不倫に陥る日本人男性と、姦淫の罪を犯し、さらには神父を官憲に売り渡した白人の元神父が、それぞれの独白を通じて描かれる。
もし神が存在するならば、なぜ救いは訪れないのか。なぜ罪と罰は存在するのか。
そんな普遍的な問いに向き合い、日本語の言葉で語りかけてくれる遠藤周作の作品は、
やはり貴重な存在だと改めて感じさせられた一冊だった。
